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消化器外科・伊藤寛晃准教授らの研究グループが、がん迅速診断技術を開発しました。

2019年12月3日

当院消化器外科・伊藤寛晃准教授らの研究グループは、45秒で結果が得られる血液によるがんの高感度迅速診断の基礎技術を開発しました。これは昭和大学(東京都品川区/学長:久光 正)とJSR株式会社との共同研究で、研究成果の一部を20191011日から13日にタイ、バンコクで開催された「ASCO Breakthrough 2019」で発表しました。また、1024日には「第57回日本癌治療学会学術集会」のシンポジウムで本研究成果の講演を行いました。


                                                     消化器外科・伊藤 寛晃准教授

本研究の概要

伊藤寛晃准教授をはじめとする昭和大学の研究グループは、昭和大学とJSR株式会社との共同研究として、がんの高精度かつ迅速スクリーニング技術(超早期診断技術)の開発を進めてきました。本技術はラマン分光法という光技術を応用したものであり、反射光を分析することで成分の種類や量を知ることができる非破壊検査法の一種です。本研究のために、米国BaySpec社の技術協力により超高感度の顕微ラマン分光装置を開発しました。医療機関での一般的な血液検査で用いる血清の約10-20µlを使用して、特殊な形状の細径金属チューブの先端に血清の液滴をつくりレーザー光を照射します。15秒間の照射を3回行い、平均値を散乱光パターンとして記録します。
 上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)または大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を受ける方(20歳から70歳まで、がんを含む悪性疾患の既往なし)計213名にご協力いただき、内視鏡検査前に採血した血清の散乱光パターンを記録しました。
 内視鏡検査では1名の胃がん患者さんと6名の大腸がん患者さん(計7名。うち早期がん4名、進行がん3名)が見つかりましたが、散乱光パターンの解析により、計7名のうち6名は「陽性」と正しく判定され、ステージ0の早期大腸がん1名のみ「陰性」と判定されました(感度85.7%、特異度86.7%)。また、「陽性」と判定されたのにがんが見つからなかった方の大部分には、腺腫など将来の発がんリスクがある病気が見つかりました。

本研究の意義

がんは死因の多くを占める重篤な疾患であり、治療成績の向上には早期診断が極めて重要です。しかしながら、現在までがんを高精度、簡便、かつ迅速に検出できる方法はまだ確立されていません。

本技術は一般的な血液検査で用いる血清を約10-20µlというごくわずかに用いて45秒で解析することができます。現時点でのがん予測感度85.7%、特異度86.7%という精度は、わずか3種類の散乱光の強度比による簡易的な解析の結果であり、データ数を増やし解析のアルゴリズムを最適化し、人工知能等も活用することで、さらに精度が向上すると考えられます。また、比較する分子を適切に選択することで、幅広い臓器のがんや、がん以外の病気(生活習慣病、代謝異常症、遺伝性疾患など)にも応用可能と考えられます。近い将来、人類の健康に貢献できる技術として大いに期待されます。




詳細はこちら(大学プレスセンター:
昭和大学がJSR株式会社と共同でがん迅速診断技術を開発」

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