主な対象疾患

1.智歯(親知らず)、埋伏抜歯

 顎骨のなかに埋まったままで萌出しない歯を埋伏歯と言います。特に智歯は、埋伏歯となる頻度が高く、しばしば抜歯の必要があります。局所麻酔で行いますが、患者さんの御希望によって外来でも静脈内鎮静法という麻酔方法を併用し、リラックスした状態で処置を行う事も可能です。もちろん、入院して静脈内鎮静法や全身麻酔下に処置することも可能です。

2.歯科インプラント

 通常の歯科インプラント埋入だけでなく、顎堤吸収した埋入困難な場合も自家骨移植、生体材料を用いた骨造成などで、インプラント埋入を可能にしています。

3.顎骨炎

 う蝕や歯周病が進行して感染が顎骨へと広がると顎骨炎に進展します。感染の広がりとともに症状も顕著となり、局所の発赤や腫脹、疼痛に加えて、発熱などの全身症状を伴うようになります。重症例では、感染は顎骨から周囲組織、頸部へと波及し、蜂窩織炎と呼ばれる急性化膿性炎症をきたします。
原因菌に有効な抗菌薬の投与に加え、膿瘍が形成された場合は、切開して排膿させることで症状は改善します。重症例では入院管理下で栄養療法とともに抗菌薬の点滴注射を必要とする場合があります。

4.ビスフォスフォネート関連顎骨壊死

 ビスフォスフォネートは乳がん、前立腺がんなどの骨転移、骨粗鬆症などの治療として用いられ、有効性の高い薬剤です。しかし、その副作用として、抜歯や歯周治療などを契機に顎骨壊死が生じることがあります。
現在、有効な治療法は確立されていませんが、口腔内洗浄、抗菌薬の投与、疼痛管理、壊死組織の除去などの保存的療法が推奨されています。

5.嚢胞

 体内に形成された袋状の病変を嚢胞といいます。通常、嚢胞の中には液状の内容物が入っています。顎口腔領域には、顎骨内にできる嚢胞と口腔の軟組織に発生する嚢胞があります。治療は摘出を基本とします。

6.口唇口蓋裂

 顎口腔領域に発生する先天性の形態異常では、口唇口蓋裂がもっとも多くみられます。さらに顔の一部も裂けている斜顔裂、横顔裂、耳や指の形態異常を合併した症候群もみられ、その程度はさまざまです。私達は昭和大学口蓋裂診療班の一員としてこられの疾患のチーム医療に取り組み、特に顎堤形成手術、顎裂部へのインプラント治療では豊富な治療実績があります。

7.顎変形症

 顎の発育異常で、顔面形態の異常や機能障害を伴うものを顎変形症といいます。当院の矯正歯科医、および開業されている矯正歯科専門医の先生方と密接に連携し、歯科矯正治療単独では治療が困難な上顎あるいは下顎前突、顔面左右非対称などを伴う咬み合わせの異常に対して、外科矯正手術を行っています。

8.顎顔面外傷

 顔面はいろいろな原因で外傷を受けやすい部位で、上顎骨骨折や下顎骨骨折のほかに頬骨骨折などがみられます。骨折の症状には骨折部の痛み、腫れが共通の症状としてあげられます。治療は手術で骨折部を整復し、金属プレートや吸収性プレートで固定します。

9.口腔粘膜疾患

 口腔粘膜疾患には口腔粘膜のみに生じる病変と、全身的な疾患の症状として口腔粘膜に症状を現す場合、あるいは前癌病変の場合な どがあり注意が必要です。また、感染などによって症状が様々な変化を起こし、診断に苦慮することも少なくありません。したがって、症例に応じて内科などと 連携、協力しながら検査、診断、治療にあたっています。

10. 良性腫瘍

 顎口腔領域に発生する良性腫瘍には歯原性腫瘍と非歯原性腫瘍があります。歯原性腫瘍は歯に由来する腫瘍で多くは顎骨内に発生します。一方、非歯原性腫瘍は主に歯肉・粘膜などの軟組織に発生します。良性腫瘍は摘出すれば再発が少なく転移もしないため、生命に影響を及ぼすことはほとんどありませんが、まれに悪性化することもあります。

11.口腔癌

 顎口腔領域に発生する癌の症状は様々ですが、病気の進行が速い、腫瘍が周囲と癒着していて、境界がはっきりしない、リンパ節など他の部位に転移する、などのような共通の症状として挙げられます。私達は近年増加してきた口腔癌に対し、症例に応じて本学医学部の耳鼻科、放射線科、形成外科と密接に連携を取りながら、治療にあたっています。

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