旬の夏野菜の効用

テーマの解説

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昭和大学病院
栄養科 科長補佐
菅野 丈夫

今は一年中手に入る夏野菜ですが、夏に出回るもののほうが値段が安く、品質もよく、栄養価が高いことが知られています。

野菜にはビタミン、ミネラル、食物繊維の他に、食品の第三次機能(薬のような機能)を有した独自の成分が含まれており、近年注目されています。それぞれの野菜に独自の成分が含まれるため、ひとつのものに偏ることなく、旬の野菜を中心に満遍なく摂るよう心がけましょう。

今回は代表的な旬の夏野菜とその効用、そしてシンプルに夏野菜を使った“ちょこっとレシピ”をご紹介します。


夏野菜① 「トマト」
トマトの赤い色はリコピンという成分で、リコピンには有害な活性酸素を抑える強い抗酸化作用があります。ガンや動脈硬化を予防する効果が高いことがわかっています。ビタミンC、A、B6、カリウムなども含まれています。

夏野菜② 「キュウリ」
キュウリの「青臭さ」にはピラジンという成分が含まれています。ピラジンは血が固まるのを防ぐ成分で、脳梗塞や心筋梗塞の予防が期待されます。またキュウリの両端の苦味には、ククルビタシンという成分が含まれています。中でもククルビタシンCは強い抗酸化作用を有しているため、ガンの予防等が期待されます。

夏野菜③ 「ゴーヤ」
ビタミンC、カリウム、カルシウム、マグネシウム、などが豊富に含まれています。ゴーヤの苦味成分は胃酸の分泌を促して食欲を増進させる効果もあるため、夏バテ解消にはうってつけの野菜と言えます。

夏野菜④ 「ナス」
ナスの皮の紫色はナスニンと呼ばれるポリフェノールの一種です。ナスニンは活性酸素の働きを抑制するため、ガンの予防や動脈硬化、高血圧の予防効果があると言われています。