病院食から学ぶ減塩のコツ

テーマの解説

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昭和大学横浜市北部病院
栄養科 栄養管理士
島居 美幸

日本人にとって「減塩」はなかなか実行できない大きな課題です。

日本人の高血圧の患者数は4千万人といわれており、成人の4割は高血圧、まさに国民病といえます。血圧は食塩摂取量と密接に関係していて、食塩摂取量を減らすことで、血圧を下げる効果が期待できます。

「日本人の食事摂取基準」(厚生労働省)では1日の食塩摂取目標量は成人男性9.0g未満、成人女性7.5g未満です。しかし実際の平均摂取量は男性11.4g、女性9.6gと目標を2g以上、上回っています。高血圧の人は、食塩を1日6g未満に制限することによって、血圧をコントロールしやすくなります。

毎日の食事の中で、少し意識するだけでも、食塩を減らすことはできます。例えば、ソーセージ、ベーコンのような肉の加工品や、はんぺん、薩摩揚げなど魚の練り製品は、食塩が多い食品です。今回のように、生の肉類や魚介類を利用すると減塩がしやすいです。

冬は血圧が上がりやすく、脳卒中も多くなる季節です。ご家庭で少しずつ減塩の工夫をして、高血圧の予防やコントロールに努めましょう。

今回は病院食のメニューを例にして、家庭での「減塩のコツ」をご紹介します。
ある日の一般の患者さんの昼食の献立から、唐揚げ、煮物、サラダ、そしてご飯と果物です。
この献立で、食塩は合計2.9gになります。