講座紹介

昭和大学医学部産婦人科学講座は、昭和3年に本学の前身である「昭和医学専門学校」が設立されて以来、90年近くの歴史を刻んできました。学祖上條秀介先生の「国民の健康に親身になって尽くせる臨床医家を養成する」という理念に従い、最初は良き臨床家を育成する教育の場、優れた医療を行う臨床の場として発展しました。そして大学が「昭和医科大学」「昭和大学」と発展するに従い、優れた臨床を行うために必要な最先端の医学研究も盛んに行われるようになりました。

研究

中山徹也教授時代にはステロイド代謝研究で世界の最先端を走るようになり、矢内原巧教授時代にはステロイド代謝を中心にして、腫瘍、周産期、不妊、女性医学すべての領域の研究が発展しました。
岡井崇教授時代には、超音波診断を中心とする臨床研究が発展を遂げ、基礎と臨床の融合が大きく飛躍しました。特に、集束超音波(HIFU)によるトラップシークエンスの胎内治療は世界初の快挙であり、マスコミにも大きく取り上げられました。日本産科婦人科学会総会のシンポジストを毎年のように輩出するようになったのも岡井教授時代からです。
現在は関沢明彦教授のもと、母体血中の核酸を用いた胎児診断の基礎研究で世界的な成果を上げているのみでなく、臨床応用で国内の中心となっていることは周知の通りです。また、産婦人科領域全般に渡って、精力的に研究が進められています。

臨床

臨床の場としては、現在、昭和大学病院(本院)、昭和大学藤が丘病院、昭和大学横浜市北部病院、昭和大学江東豊洲病院の4病院すべての産婦人科部門を運営し、周産期、悪性腫瘍、良性腫瘍(内視鏡手術)、不妊、女性医学すべての領域において対応するべく、日夜努力をつづけています。
周産期領域では、昭和大学病院には総合周産期母子医療センターを設置し、横浜市北部病院では院内のこどもセンターと協力し、いずれも極小未熟児から胎児疾患に至るまで対応できる、中核的な周産期センターとしての活動を行っています。昨年新設された江東豊洲病院にも周産期センターを設置し、高度な周産期医療を行うべく鋭意努力を行っています。昭和大学病院は、都内で3つしかない東京都母体救命搬送システム(スーパー総合周産期センター)に指定されており、救命科、麻酔科等と連携して母体救急にも力を入れています。北部病院では、小児心臓外科と連携し、胎児診断された心奇形の治療にも対応しています。
出生前診断に関しては、昭和大学病院に複数の臨床遺伝専門医、遺伝カウンセラーを配置して遺伝カウンセリング体制を整えており、さらに母体血による新型出生前診断(NIPT)の臨床研究を行っています。(今後北部病院でもNIPTを開始予定)
悪性腫瘍分野では、昭和大学病院、藤ヶ丘病院が中心となり、手術、化学療法、放射線療法を総合した集学的な治療を行っています。昭和大学病院では、ブレストセンターと協力して、遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)の遺伝子診断と、予防的腹腔鏡下卵巣摘出術も行っています。また、昭和大学病院にはロボット手術システム(ダヴィンチR)も導入され、新たな手術法として期待されています。
良性腫瘍分野では、すべての付属病院で腹腔鏡専門医を中心とした手術チームによる腹腔鏡下手術、子宮鏡手術を積極的に行っています。昭和大学病院の腹腔鏡手術数は都内でも有数のものです。新設の江東豊洲病院でも、2015年度より腹腔鏡専門医を中心としたチームを立ち上げ、腹腔鏡下手術を本格的に開始しました。
不妊分野では、昭和大学病院でART(胎外授精胚移植、顕微授精など)を行っており、その他の附属病院でも、一般的な不妊治療を行っています。
骨盤臓器脱については、昭和大学病院ではメッシュを用いた腹腔鏡下仙骨固定術(LSC)、メッシュを用いた腟式手術(TVM)などの術式に対応し、北部病院ではTVMに対応しています。
女性医学分野では、昭和大学病院に代謝内分泌外来、更年期・思春期外来などを設置して女性内分泌疾患、代謝疾患、骨粗鬆症等に幅広く対応するとともに、上記の婦人科各領域でカバーしきれない領域や、他科で対応のできない婦人の症状に対して、臨床心理士もチームに加えて対応しています。今後はアスリートのためのスポーツ医学にも対応し、女性の心身を含めた総合的な医学分野としてますます発展すべく、鋭意努力を行っています。

教育

上記の4附属病院と、10か所以上の連携病院を舞台として、豊富な症例のもと、学生、臨床研修医、専攻医、専門医の教育が行われます。
臨床研修を終了し、産婦人科専門医を目指す専攻医にとっては、正常分娩から異常分娩までの豊富な分娩数と、膨大な手術数を誇る各病院での研修は、生涯の宝と言って良い貴重な経験となることでしょう。
専門医資格を取得し、各サブスペシャリティーの専門医取得を目指す専門医にとって、多数在籍する各分野の指導医、専門医から綿密な指導を受けられる本講座の体制は国内でも他に類を見ないものです。さらに希望者には国内、国外の留学が用意されており、さまざまな環境で勉強できます。重要なのは、「本人が何をしたいかわかっていること」と「熱意」の2点だけだと言っても、過言ではないと思われます。

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