薬剤部紹介

処方せん薬調剤業務

処方せん薬調剤業務
入院患者さんや外来患者さんのお薬(内服薬、外用薬、注射薬)の調剤を行っています。当院ではオーダリングシステムが導入されており、薬剤師は医師が処方入力したお薬について剤形や用法・用量が適正か、飲み合わせに問題がないか、複数の診療科から重複してお薬が処方されていないかなどを最低3名以上の薬剤師が確認しています。何か疑問点や問題点がある場合は必ず医師に問い合わせを行い、患者さんに適切な処方がされるよう安全な薬物治療をサポートしています。個々の患者さんに合わせてお薬を提供するため医師に処方提案も行います。例えばお子さんや錠剤などが服用しにくい患者さんには、散剤や水剤などへの剤形変更を提案します。お薬の量が多い場合や飲み忘れが多いような患者さんには、自己管理しやすいよう、お薬の服用タイミング毎に一包装にまとめる一包化にも対応しています。
さらにハイアラート薬品(副作用や事故に特に注意が必要で、安全管理のため特に薬学的管理の関与が必要な医薬品)については、そのお薬が対象となる疾患に対して適切に投与されているかを必ず確認し、有効で安心・安全な薬物治療が行えるよう努めています。
2018年8月より、院内物流・医薬品管理システム※を導入し、処方薬の薬品間違いや集め忘れなどの人為的なミスを減少させることにより、医療安全向上にも寄与しています。

※ピッキングカートやPDA端末を使用し、バーコードにより医薬品認証を行うこと。

注射せん薬調製業務

注射せん薬調製業務
入院患者さんに処方された注射薬を、患者さん毎にセットし、すべての病棟へ供給します。薬剤師は注射せんの内容(投与量、投与方法、投与速度、投与順序、配合変化等)を確認しています。オーダーリングシステムを利用し、注射薬自動払出装置(ピッキングマシン)2台を使用することで、医薬品の取り間違いなど人為的なミスを防止し、業務の効率化、安全性の向上を図っています。注射薬の中には外来患者さんが診察室にて投与される注射薬もあります。それらの注射薬は投与間隔の確認も重要になります。抗がん薬の治療では、その治療方法が事前に申請・登録された投与予定表(レジメン)に準じているか、レジメンチェックシステムを利用して休薬期間・投与量を確認することで、抗がん薬が安全かつ適正に使用されるようチェックしています。

製剤業務


製剤業務

院内製剤の調製

院内製剤とは、「患者さんに必要な薬であるにもかかわらず、安定性がよくない、使用頻度が少なく企業の採算性が割に合わない等の理由で、国内で製造・販売されていない薬品を、病院で調製し、その病院内で使用する薬剤のこと」です。
院内製剤の使用にあたり、製剤の種類によって、倫理的および科学的な妥当性を病院内で十分に吟味し、また使用前には患者さんに説明し、同意を得たのちに使用することになっています。
取り扱う院内製剤は多岐にわたりますが、特に注射剤や点眼剤など無菌性が求められるものは、クリーンベンチを用いて無菌的に調製しています。

TPN(高カロリー輸液)の無菌調製

TPNは食事が摂れない患者さんに栄養を点滴で補給するための輸液です。既製品(医薬品)で対応しづらい場合、医師からTPNの調製依頼を受け、クリーンルーム内のクリーンベンチで無菌的に調製しています。2種類以上の注射薬を混合することから混合時の細菌混入や、混合による配合変化にも細心の注意を払って調製作業を行っています。

外来化学療法調製・指導業務

外来化学療法調製・指導業務
がん治療の大きな柱は手術、放射線治療、薬物治療です。近年、薬物治療においては新たな抗がん剤の開発・導入が進み、従来に比べて大きく進歩しています。これまでは入院で実施していた治療でも、現在では多くの患者さんが外来で治療を安全に受けられるようになりました。
日常生活の中での治療となるため、当院では薬剤師が患者さんと面談し、お薬の説明のほか、ほかの病院からのお薬との飲み合わせのチェックや生活においての注意点など個々の生活スタイルに合わせた指導を行っています。担当の薬剤師は3名おり、お薬の調製は、外来化学療法室内の抗がん剤調製室にて行っております。多職種カンファレンスを毎日実施し、医療者間で情報共有し、患者さんに寄り添った安全な抗がん剤治療を目指しています。

医薬品情報管理業務

患者さんにより効果的でより安全な薬物療法の提供に貢献できるよう、次のような業務を行っています。
  1. 医薬品情報の収集、専門的評価、整理・保管および加工
  2. 医薬品に関する情報の伝達・周知
  3. 医薬品に関する質疑への対応
  4. 医薬品の適正使用や安全管理に係る委員会等への参画
  5. 病棟担当薬剤師等との連携・支援
  6. 安全性情報の入手と整理・活用
  7. 医薬品の製造販売後調査への関与
  8. 他の医療従事者および医療関連分野の学生に対する教育
  9. 薬剤師および薬学生に対する基本的なDI業務および専門性を高めるための教育と訓練
  10. 医薬品、家庭用品および農薬等の中毒情報の収集と伝達
  11. 地域におけるDI業務の連携(医薬品の採用状況および昭和医科大学フォーミュラリの公開など)

薬剤管理指導業務

病棟薬剤師は、医師や看護師など多職種で協働して、患者さんが入院されてから退院されるまで、すべての薬物治療に携わっています。当院では、2014年の開院以来、救急病棟・ICU(Intensive Care Unit)・NICU(Neonatal Intensive Care Unit)を含むすべての病棟に薬剤師を配置しています。
 患者さんに対して、入院時はこれまで使用していた薬剤やご自宅での管理状況などを、入院中は服薬説明、あるいは治療効果や副作用出現の有無などの確認をしています。また、医薬品情報室と連携して、医薬品の情報提供や様々な状況での他の職種からの問い合わせに対応しています。よりよい薬物治療がなされるよう、定期的に病棟薬剤師が集まり、薬物治療の妥当性や適切性の評価を行うための時間を共有しています。
このように、病棟薬剤師はその専門性を生かしながら、多職種と協働して、患者さんに最善の薬物治療を受けていただけるよう努めています。また、退院後のシームレスな薬物治療の継続のためにかかりつけ薬局に向けて薬剤管理サマリーを送っています。病棟担当薬剤師一人ひとりが、入院中だけでなく退院後の患者さんのケアを意識した業務を行っています。

治験薬管理業務

治験薬管理業務
治験薬管理部門では、プロトコール(治験実施計画書)に基づく手順書の作成を行い、治験薬の保管管理、調製、払い出しを行っています。治験薬を適切に管理するため、室温や保冷庫の温度を毎日確認し、記録しています。また、治験薬と併用を禁止されている医薬品をリストアップし、複数の薬剤師で相互に確認をしながら、安全に、適切に治験薬を使っていただけるように努めています。
人を対象とした臨床試験は、それぞれプロトコールに準じて実施します。プロトコールや治験薬管理手順書に沿った治験薬の管理・調製・払い出しをすべての薬剤師が正しく実施できるよう、重要なポイントを詳細に押さえた手順書を作成しています。
大学病院という特性上、日本人を対象とした治験だけでなく、国際共同試験や複雑なプロトコールの治験も数多く受託しています。
そのほか、治験薬管理表・出納簿、治験薬納品書・受領書・返却書等必須文書の管理・記録、調製等運用手順の確立、処方例・化学療法レジメン等オーダセットの作成等の業務を実施しています。

総合サポートセンター相談業務

DSC01821
総合サポートセンターは、1階にある院内の相談窓口です。
薬剤師は、医師、看護師、ソーシャルワーカー、栄養士、事務員などとともに、患者さんやそのご家族が安心して療養生活や社会生活を送れるようサポートしています。具体的には、手術や検査の予定のある外来通院中の患者さんが、その手術や検査結果に影響を及ぼすお薬やサプリメントを服用していないかを様々な情報から確認しています。もし中止が必要なお薬やサプリメントを服用している場合は、そのお薬の名前と中止期間を正しく患者さんにお伝えすることにより、手術や検査をより安全に受けられるよう努めています。

専門・認定薬剤師

  • 日本病院薬剤師会病院薬学認定薬剤師
  • 日本病院薬剤師会認定指導薬剤師
  • 日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師
  • 日本病院薬剤師会がん薬物療法認定薬剤師
  • 日本薬剤師研修センター研修認定薬剤師
  • 日本薬剤師研修センター小児薬物療法認定薬剤師
  • 薬学教育協議会認定実務実習指導薬剤師
  • 日本緩和医療薬学会緩和医療暫定指導薬剤師
  • 日本緩和医療薬学会緩和薬物療法認定薬剤師
  • 日本医薬品情報学会医薬品情報専門薬剤師
  • 日本臨床栄養代謝学会栄養サポートチーム(NST)専門療法士
  • 日本リウマチ財団リウマチ登録薬剤師
  • 日本骨粗鬆症学会骨粗鬆症マネージャー
  • 日本アンチ・ドーピング機構公認スポーツファーマシスト


実績


2021年度 2022年度2023年度2024年度(4~9月)
薬剤管理指導料算定件数 9,673件 12,551件14,479件
7,389件
退院時薬剤情報管理指導料算定件数


5,744件2,739件
連携充実加算算定件数 1,416件   1,227件1,171件
649件
退院時薬剤情報連携加算件数


321件395件
トレーシングレポート対応件数    362件      381件392件215件