ABCDEバンドルとは(集中治療科)

ABCDEバンドルとは(集中治療科)

ABCDEバンドル

「集中治療後症候群*」を予防するための包括的なケアです。それは、人工呼吸療法や侵襲的な処置,鎮静薬や筋弛緩薬,ステロイドの投与など、病気の治療のために行う臓器補助や薬剤投与の副作用も原因と言われています。
しかし、このバンドルを "毎日"行うことで副作用を減らし、患者さんへの医療の質を向上させ、患者さんの予後を改善(人工呼吸器装着期間の短縮や病院死亡率の低下など)し、「集中治療後症候群」を予防・改善する効果があると言われています。

*集中治療後症候群
ICU入室中や退室後の筋力低下・神経筋障害、記憶力・集中力の低下や、心的外傷後ストレス障害・うつ・不安症状などの、運動・認知・精神機能障害

A:覚醒トライアル
鎮静薬を中止し、早期の自発的な覚醒を目指します

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B:人工呼吸器離脱トライアル
人工呼吸器から早期に離脱できるかを確認します

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C:鎮静・鎮痛の管理
AとBの組み合わせのもと、鎮静薬と鎮痛薬を慎重に選択し、最適な投与量を管理します


D:せん妄のモニタリング、ケア
せん妄のリスク評価を行い、早期発見と薬物療法や非薬物療法による早期介入を行います

1718603186665認知E:早期離床
早期リハビリテーションを実施し、患者さんの状態に合わせて段階的に離床を進めます

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患者さんのご家族も、精神的な負担から「集中治療症候群」の精神障害を生じる可能性もあり、その対策のバンドルのFGHも追加され、ABCDEFGHバンドルと言われることもあります。                                                         


 (2024年6月掲載)