遺伝性乳がん卵巣がん症候群と乳がん検診について(乳腺外科)

遺伝性乳がん卵巣がん症候群(Hereditary Breast and Ovarian Cancer; HBOC)

遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)はBRCA1またはBRCA2遺伝子に生まれつきがんになりやすいという特徴(病的バリアント)を持っていることが原因で、乳がんや卵巣がん(卵管がん・腹膜がんを含む)を高いリスクで発症する遺伝性疾患です。
BRCA遺伝子の病的バリアントは親から子へ性別に関係なく50 %の確率で伝わります。BRCA遺伝子検査でHBOCと診断された場合、発症リスクの高いがん(乳がん・卵巣がん・前立腺がん・膵臓がん)の早期発見、早期治療、リスク低減手術(がんを発症していない乳房や卵巣・卵管を予防的に摘出)などを行うことができます。

2024年5月現在、HBOC診療は乳がんや卵巣がんの既発症者では保険が適用されます。未発症者では保険適用外ですが、定期的な検査(サーベイランス)(乳がんサーベイランスは30歳以上で年1回の造影乳房MRIとマンモグラフィを推奨)を受けることをお勧めします。

乳がん検診

厚生労働省は、日本人女性の乳がん死亡率を下げるために40歳から2年に1回マンモグラフィ検診を受診することを推奨しています。
マンモグラフィ検査は悪性石灰化や乳腺構造のゆがみなど、乳がんの存在を示す重要な所見の検出に優れています。ただし、乳房内の乳腺の割合が高い高濃度乳房では乳房全体が白くみえるため、同様に白くみえる乳がんの発見が難しいことがあります。
患者さんのための乳がん診療ガイドライン2023年版より
(画像引用)患者さんのための乳がん診療ガイドライン2023年版より


高濃度乳房の方が多い40~50歳代前半の閉経前女性では、通常のマンモグラフィ検査(2Dマンモグラフィ)にトモシンセシス(3Dマンモグラフィ)や超音波検査を追加すると、小さな乳がんをより多く発見できるようになることが報告されています。

昭和医科大学豊洲クリニックの乳がんドックは通常のマンモグラフィ検査(2Dマンモグラフィ)にトモシンセシス(3Dマンモグラフィ)や超音波検査を追加することができますので、乳がんドックをお申し込みの際にご検討ください(電話予約 03-3531-9701)。




(2024年5月掲載)