分娩後の直腸膣瘻・括約筋不全
- お産の後に起こる、見過ごされやすい排便トラブル -

 分娩後に生じる直腸膣瘻(ちょくちょうちつろう)や括約筋不全は、非常にまれな疾患です。直腸膣瘻の発生率は1,000分娩あたり0.2〜4件程度と報告されており、先進国ではさらに少ないとされています。重症の場合はお産直後から膣を通じて便が漏れたり、便失禁が続いたりするためすぐに気づかれますが、穴(瘻孔)が小さいケースでは、膣からガスが漏れるだけにとどまるため、退院時の診察でも見逃されてしまうことがあります。
 「なんとなくおかしい」と感じていても、産科と大腸肛門外科の境界領域にある疾患であるため、専門的に診療できる施設や医師が全国的に少なく、どこに相談してよいかわからずにいる方も少なくありません。
 治療の難しい疾患であり、人工肛門(ストーマ)を必要とするケースも珍しくありませんが、当院の消化器外科では重症例であっても人工肛門を造らない術式での根治を目指した治療を行っています。お悩みの方はどうぞご相談ください。



透視画像
イラスト
(2026年5月掲載)