CCU

センター紹介

2020年6月に入院棟の2Fの旧設CCU10床を閉鎖、中央棟5Fに移設し新設ICUと併合し計14床のICU/CCUとなりました。さらに2021年11月に入院棟の2Fに新設ICU/CCU/SCU10床を増設し、現在CCUとしてはC5病棟とN2病棟併せて最大24床まで運用可能となっています。CCUとは、本来『Coronary Care Unit』として急性心筋梗塞や狭心症などの重症冠動脈疾患に対応する集中治療室とされていますが、当院では『Cardiac Care Unit』として、冠動脈疾患はもちろん、急性心不全や重症不整脈など幅広い循環器疾患に対する集中治療・看護を24時間体制で行っております。また名称の通り、ICU及びSCUとしても機能し循環器疾患以外の脳神経疾患や集中治療を要する重症な病態など、幅広い疾患に対応しています。
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新家 俊郎

診療体制

  • 救急外来の窓口だけでなく東京都CCUネットワーク、循環器(開業医)ホットラインのシステムを介した24時間体制で循環器疾患の救急患者の受け入れが可能です。
  • 重症かつ不安定な病状をもつ患者様に対し、CCUでの集中治療に専従する循環器内科医全員がチームとして患者様ひとりひとりの主治医となり治療を担当しております。また集中治療科を含めた他科の医師と連携して治療を行うのみならず、看護師・薬剤師・理学療法士・臨床工学技師・管理栄養士などの多職種が協力してチーム医療として治療にあたっております。
  • 全24病床のうち、感染症治療にも対応する陰圧個室管理が可能な17床を含む個室22床を備えており院内感染防止とともに個々の患者様のプライバシーにも配慮した構造となっております。
  • 夜間休日の時間帯においてもCCU循環器内科当直医に加え、常駐医として併設されているICUの集中治療科医師、循環器内科・脳神経内科・脳神経外科医が24時間常駐し患者様の急な状態変化に速やかに対応可能となっています。
  • 呼吸状態の悪い患者様に対する最新の人工呼吸器をはじめとして心臓の機能を補助する大動脈バルーンパンピング(IABP)や体外式膜型人工肺(ECMO)、補助循環用ポンプカテーテル(IMPELLA)などの補助体外循環、腎障害のある場合に行う持続血液濾過透析(CRRT)などの高度な医療機器による集中治療が可能です。
  • カテーテル検査室や手術室及び心臓血管外科など他科との密な連携を図り緊急(カテーテル)手術とその術後管理に24時間体制で対応します。

診療方針

一般的に心筋梗塞や心不全、不整脈などの循環器救急疾患は緊急を要することが多く、早期の診断および早期の治療が患者様の生死を分けると言われております。
当CCU病棟ではそのような緊急の処置あるいは集中治療を必要とする重症の患者様に対して、迅速かつ幅広い受け入れを行いつつ、専門のスタッフが高度な医療機器を駆使して個々の病態に応じた質の高い確実な治療を提供することで救命を前提とした状態の回復を目指すのみならず、1日でも早く集中治療を離脱し一般病棟へ転出可能な状態となり、最終的には元気に退院し日常生活に戻る、あるいは社会復帰を果たせるように、多職種で協力しながらチーム医療を行い、包括的な急性期のサポートを行うことを目標としております。

特徴的な診療領域

  • 毎朝・夕に多職種でのカンファレンス及び回診を行い患者様の状態把握と情報共有、問題解決を緊密に行うことで確実な医療の提供を行うことに努めております。また病状に関わるカンファレンスだけではなく、退院支援カンファレンスや早期リハビリカンファレンス、NST(栄養サポートチーム)カンファレンスを行い急性期から多職種で連携し包括的なサポートを行なっております。
  • ベッドサイドでの24時間体制の観察・看護のみならず、併設されているICUとともに日本で初めてeICUシステム(集中治療室の患者の状態・データをコントロールセンターの医師や看護師がモニタリングする遠隔医療プログラム)を設置しており、統括したモニタリングと医療水準の向上及び効率化を図っております。
  • リハビリ部門とも協力し早期離床リハビリテーションや心血管リハビリテーションのプログラムをCCU入室直後の急性期から導入し入院による生活能力(ADL)低下防止に尽力しています。幅広の病棟内の廊下はリハビリテーションを行うこともできるゆとりのある設計となっております。

主な対象疾患

救急治療・集中治療を要する循環器疾患領域全般
  • 急性冠症候群(急性心筋梗塞、不安定狭心症)
  • 狭心症(労作性狭心症、冠攣縮性狭心症)
  • 心不全(急性心不全、慢性心不全急性増悪) 
  • 不整脈(心室頻拍や心室細動、発作性上室性頻拍や心房粗動・細動などの頻脈性不整脈や洞不全症候群、房室ブロックなどの徐脈性不整脈など)
  • 構造的心疾患:structural Heart Disease(SHD)(弁膜症:僧帽弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症、僧帽弁逸脱症、大動脈弁狭窄症、大動脈弁閉鎖不全症など、成人先天性心疾患:心房中隔欠損症、心室中隔欠損症、動脈管開存症、卵円孔開存など)
  • 心内膜・心筋・心膜疾患(感染性心内膜炎、拡張型心筋症、肥大型心筋症、拘束型心筋症、たこつぼ型心筋症、急性心筋炎、急性心膜炎、心タンポナーデ、収縮性心膜炎など)
  • 静脈系疾患(深部静脈血栓症、肺血栓塞栓症、肺高血圧症、慢性血栓塞栓性肺高血圧症 (CTEPH))
  • 末梢動脈疾患(急性動脈閉塞症、閉塞性動脈硬化症)

スタッフ紹介

循環器内科センター長:循環器内科 教授 新家 俊郎
CCU室長:循環器内科 講師 近藤 誠太
常勤医:8名
常駐医:1名
研修医・レジデント:若干名

医療従事者の方へ

研究内容

当CCUでは東京都CCUネットワーク加盟施設として東京都CCU連絡協議会と協力しCCU入室患者の詳細なデータを集計しております。そのデータは他のCCUネットワーク施設のデータと統合され、CCUネットワーク学術委員により解析されます。当循環器内科内にも疾患別にCCUネットワーク学術委員が多数在籍し日本循環器学会をはじめとした国内外の様々な学会においてその成果を発表しております。
【昭和大学病院 循環器内科 東京都CCUネットワーク学術委員 一覧(2023年4月現在)】
■急性心筋梗塞班 
班員:新家 俊郎
協力員:近藤 誠太
■狭心症班
協力員:松本 英成
■急性心不全班
班員:木庭 新治
協力員:塚本 茂人
■不整脈班
外部協力員:渡辺 則和
■肺塞栓班
班員:正司 真
協力員:辻田 裕昭
■ショック班
協力員:正木 亮多、樋口聡
■たこつぼ心筋症班
班員:小貫 龍也

診療実績

入院患者数

2014年1月1日~2021年12月31日 CCU入院症例数

2015年2016年2017年2018年2019年2020年2021年
2022年度
CCU
総入院症例数※
51947541952257195311801455
循環器内科
CCU入院症例数
455410348436438455531565
(疾患内訳)



急性心筋梗塞12810211111488116154-
狭心症484443364340
49-
心不全1029896112112129141-
不整脈40348335403082-
肺塞栓28223133132532-
心筋炎4232213-
たこつぼ型
心筋症
96411597-
その他16016748179268522712-
※1 循環器内科以外が主科としてCCUに入院となった症例も含む。
  2021年11月以降はC5 CCU14床+N2 CCU10床の合算
※2 2020年5月までは旧設N2 CCU10床における症例数
  2020年6月にC5 ICU/CCU14床へ移設
※3 2021年11月に新N2 CCU/SCU 10床を追加増設

入院疾患別実績

【2021年度 CCU入室患者 疾患別内訳】
2021年度 循環器内科 CCU入室患者 疾患別内訳

医療連携・紹介制度について

  • 患者様の受け入れは日中は医療連携室(03-3784-8400)及び日昼夜間を問わず救急外来(03-3784-8437)を通じて行っており、患者様の受け入れに迅速に対応しています。

  • さらに1978年に東京都に組織された東京都CCU連絡協議会発足当初より東京都CCUネットワーク加盟施設として東京消防庁、東京都医師会ならびに東京都健康局(現 東京都福祉保健局)と協力し緊急処置を要する循環器疾患の積極的な救急車受け入れを行なっております。

  •  また、地域医療機関から直接紹介を受ける回線として循環器内科開業医ホットライン(ハートラインシステム:03-3784-8180)としてCCU内に固定電話を設置しております。本システムは24時間対応可能となっており、CCU専従医師または看護師が直接電話対応にあたらせていただいております。これにより近隣の先生方との連携を密にしながら救急を要する循環器疾患の迅速かつスムーズな受け入れが可能となっております。