耳鼻咽喉科

診療科紹介

当科は耳鼻咽喉科、頭頸部外科領域の急性疾患から、慢性疾患、悪性腫瘍まで幅広く診療を行っております。鼻・副鼻腔疾患、嗅覚障害、アレルギー、中耳炎・難聴、補聴器、平衡の専門外来等があります。手術日は週のうち4日間で、年間約1300件の手術が行われています。積極的に光学機器を用い、侵襲の少ない手術を行っております。プライマリケアから高度な診療のできる耳鼻咽喉科医の育成に努めております。頭頸部の悪性腫瘍、良性腫瘍は2014年より頭頸部腫瘍センターと合同で診療を行っています。


DSC01238(嶋根・耳鼻)_加工済診療科長
嶋根 俊和

診療体制

初診および一般再診は、午前にそれぞれ2~3名の医師で診察を担当しています。初診は講師以上の耳鼻咽喉科専門医が中心となって診療を行い、診断、検査、治療方針などを決定します。その後は再診担当医が、耳鼻咽喉科一般の診療を担当します。頭頸部腫瘍の症例は頭頸部腫瘍センター(初診日:月・火・水・金)宛にご紹介いただけるとその後の診療がよりスムーズになります。より専門的な診療が必要な場合には、午後の専門外来で、各領域の専門医が診察を行います。土曜日は週日化にともない、午後に術前検査外来、頸部超音波外来を行い、当院にて出生された新生児の聴性脳幹反応検査も行っています。セカンドオピニオンについても、随時受け入れております。また、手術などの入院治療が必要な場合は、主治医を中心とした数名の医師がチームで診療にあたっています。

治療方針

患者本位の医療を行うことを原則として、医師とコメディカルによるチーム医療を行っています。手術など急性期の治療を終えた患者、精査の終了した患者は地域医療機関へその後の経過観察をお願いしております。

特徴的な診療領域

  • 耳科領域では難治性の中耳炎例に対する鼓室形成術、耳硬化症に対するアブミ骨手術など行っています。
  • 小児難聴に関しては周産期医療センターと連携し、先天性難聴の早期診断、早期治療介入を心がけて診療しております。
  • 鼻・副鼻腔疾患は、ナビゲーションシステムを使用した内視鏡下鼻副鼻腔手術を行っております。そのほか好酸球性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎に関して抗体療法や、免疫療法などの先進的な保存療法を手掛けています。
  • 頭頸部腫瘍は、頭頸部腫瘍センターにおいて耳鼻咽喉科医師、口腔外科歯科医師が共同で診断、治療にあたります。

主な対象疾患

慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎、滲出性中耳炎、耳硬化症、突発性難聴、先天性難聴、めまい、顔面神経麻痺、鼻副鼻腔疾患(好酸球性副鼻腔炎を含む慢性副鼻腔炎、鼻中隔彎曲症、鼻副鼻腔乳頭腫など)、アレルギー性鼻炎、嗅覚障害、鼻出血症、急性咽喉頭疾患、扁桃疾患、小児睡眠時無呼吸、声帯ポリープ、唾液腺腫瘍、甲状腺腫瘍、咽頭異物、嚥下障害など。頭頸部腫瘍に関しては、頭頸部腫瘍センターにて診療を行っております。

専門外来

耳鼻咽喉科

  • 中耳炎・難聴外来
  • 鼻副鼻腔・アレルギー外来
  • 頭頸部腫瘍外来(頭頸部腫瘍センター)
  • 補聴器外来
  • 嗅覚外来
  • 嚥下外来
  • めまい平衡外来

スタッフ紹介

医師名役職専門分野資格
嶋根 俊和
教授頭頸部腫瘍
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医・指導医・代議員
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 東京都地方部会 代議員
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医研修指導医
日本頭頸部外科学会 頭頸部がん治療専門医
日本頭頸部外科学会 頭頸部がん指導医
日本気管食道科学会 専門医 
頭頸部アルミノックス治療施行医
日本口腔・咽頭科学会 評議員
耳鼻咽喉科臨床学会 運営委員
福島 啓文
准教授頭頸部腫瘍日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医研修指導医
日本頭頸部外科学会 頭頸部がん治療専門医
日本頭頸部外科学会 頸部がん指導医
日本がん治療認定医機構 日本がん治療認定医
日本頭頸部癌学会 代議員
日本頭頸部外科学会ロボット支援手術術者・プロクター
頭頸部アルミノックス治療施行医
平野 康次郎講師
診療課長補佐
鼻副鼻腔疾患
頭蓋底腫瘍
アレルギー性疾患
嗅覚障害
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医研修指導医 
補聴器適合判定医
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
アレルギー専門医
浜崎 泰佑講師中耳疾患
難聴
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医研修指導医
補聴器適合判定医
補聴器相談医
洲崎 勲夫講師鼻副鼻腔疾患
アレルギー性疾患
気道炎症性疾患
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医
補聴器適合判定医
補聴器相談医
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
杉内 智子客員教授難聴
補聴器
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医
日本気管食道科学会専門医
補聴器相談医
斉田 晴仁兼任講師音声障害
喉頭疾患
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医
日本気管食道科学会専門医
小林 毅兼任講師平衡障害(めまい)日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医
補聴器相談医
大氣 誠道兼任講師難聴
補聴器
頭頸部腫瘍
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医
補聴器相談医
朝比奈 紀彦兼任講師鼻副鼻腔疾患
嗅覚障害
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医
補聴器相談医
騒音性難聴担当医
鈴木 吾登武兼任講師喉頭疾患
気管食道疾患
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医
日本気管食道科学会専門医
鈴木 惠美子兼任講師嗅覚障害日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医
日本気管食道科学会専門医
杉尾 雄一郎兼任講師中耳疾患
平衡障害(めまい)
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医
補聴器適合判定医
めまい相談医
騒音性難聴担当医
内田 淳兼任講師嗅覚障害
頭頸部腫瘍
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医
補聴器相談医
工藤 睦男兼任講師頭頸部腫瘍日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医
補聴器適合判定医
伊藤 純一兼任講師アレルギー疾患日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医
補聴器相談医
木村 百合香教授
診療科長
耳科学
嚥下障害
気管食道科学
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医研修指導医
日本気管食道科学会 専門医 評議員
日本嚥下医学会 評議員
日本喉頭科学会 評議員
日本口腔・咽頭科学会 評議員
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
嚥下相談医
インフェクションコントロールドクター(ICD)
高気圧医学専門医
補聴器適合判定医
補聴器相談医
渡邊 荘兼任講師鼻副鼻腔疾患
アレルギー疾患
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医
日本アレルギー学会専門医
補聴器適合判定医
時田 江里香兼任講師耳鼻咽喉科一般
中耳疾患
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医
補聴器適合判定医
池田 賢一郎兼任講師頭頸部腫瘍日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医
補聴器相談医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
仲島 孝昌非常勤医師平衡障害(めまい)日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医
補聴器適合判定医
竹内 美緒助教耳科学一般
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医
北嶋 達也
助教頭頸部腫瘍
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医
丸山 祐樹
助教(医科)耳鼻咽喉科一般日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医
産業医
溝上 雄大助教(医科)耳鼻咽喉科一般日本耳鼻咽喉科学会専門医
大氣 采女助教(医科)耳鼻咽喉科一般
大谷 友里恵助教(医科)耳鼻咽喉科一般
奥澤 奈緒助教(医科)耳鼻咽喉科一般
川崎 正義助教(医科)
耳鼻咽喉科一般
手口 裕奈助教(医科)
耳鼻咽喉科一般
木勢 彩香助教(医科)耳鼻咽喉科一般
井島 貴宏助教(医科)耳鼻咽喉科一般
宮地 理瑳助教(医科)耳鼻咽喉科一般

医師名専門分野役職名
小林 一女中耳疾患
難聴
補聴器
昭和大学大学院保健医療学研究科 リハビリテーション分野 特任教授

外来担当医表

耳鼻咽喉科

医療従事者の方へ

研究内容

  1. 上・下気道炎症性疾患における病態解析とバイオマーカー探索
    慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎患者の発現サイトカイン・ケモカインなどを解析し、疾患の表現型、治療に対する奏効率や再発率との関連性や相関関係を評価する。この研究で好酸球性副鼻腔炎や重症喘息などをはじめとした難治性気道炎症性疾患の病態制御の向上に寄与することを目的とする。

  2. 好酸球性副鼻腔炎におけるバイオマーカーの探索
    好酸球性副鼻腔炎患者の鼻汁中の各種サイトカインを評価し、治療特異的なバイオマーカーを検討することで、ステロイド全身投与や抗体療法などの個別化治療の精度を高めることを目的とする。

  3. 呼気中の病原菌同定、ならびに頭頸部癌スクリーニングとしての有用性の検討大腸菌、緑膿菌、黄色ブドウ球菌が発する気体の赤外吸収スペクトルから、菌種特異的な波長が認められることが確認されている。このことを応用し、患者呼気から病原菌を同定する迅速診断システムの開発や、頭頸部悪性腫瘍患者の特異的な菌種同定などを検討し、スクリーニング検査としての確立を目指す。

診療実績

外来患者数

2022年度
初診 2592人
再診 18160人
合計 20752人

2023年度(上半期)
初診 1507人
再診 9618人
合計 11125人

入院患者数

2022年度 629人    2023年度(上半期)372人

手術実績

2022年度
耳科手術 鼓室形成術 37件 アブミ骨手術 7件 乳突洞削開術 24件 
鼓膜(排液、換気)チューブ留置術 15件
先天性耳瘻管摘出術11件 外耳道腫瘍摘出術6件 リティンパ6件 TEES 2件
鼻科手術 内視鏡下鼻副鼻腔手術 197件 鼻中隔矯正術 135件 鼻骨変形治癒骨折整復術 8件
粘膜下下鼻甲介骨切除術 267件 後鼻神経切断術 56件 
副鼻腔悪性腫瘍手術(全摘)3件 広範囲頭蓋底腫瘍切除・再建術 2件
咽頭手術 口蓋扁桃摘出術 102件 アデノイド切除術 20件 舌小帯切除術 5件
舌腫瘍摘出術 2件 中咽頭腫瘍摘出術(経口腔)7件
口蓋腫瘍摘出術(口蓋骨に及ぶもの)3件 顎骨腫瘍摘出術(長径3㎝以上)7件
喉頭・嚥下手術 喉頭微細手術 16件 喉頭腫瘍摘出術(直達鏡)5件
頭頸部手術 リンパ節摘出術 32件 気管切開術 36件 
甲状腺腫瘍手術(悪性含む) 42件 耳下腺腫瘍手術(悪性含む) 21件
顎下腺手術(悪性含む) 8件 頸部郭清術 59件 
口腔内腫瘍手術(悪性含む) 47件
咽頭悪性腫瘍手術 32件 
皮弁再建手術 16件 神経鞘腫摘出術 25件 など
総計 1321件

2023年度(上半期)
耳科手術 鼓室形成術 15件 アブミ骨手術 1件 乳突洞削開術 1件
鼓膜(排液、換気)チューブ留置術 31件
先天性耳瘻管摘出術11件 リティンパ4件
外耳道癌摘出術 1件
鼻科手術 内視鏡下鼻副鼻腔手術 87件 鼻中隔矯正術 68件 鼻骨変形治癒骨折整復術 3件
粘膜下下鼻甲介骨切除術 112件 後鼻神経切断術 12件
副鼻腔悪性腫瘍手術(全摘)1件 広範囲頭蓋底腫瘍切除・再建術 3件
咽頭手術 口蓋扁桃摘出術 74件 アデノイド切除術 9件 
舌腫瘍摘出術 2件 中咽頭腫瘍摘出術(経口腔)2件
口蓋腫瘍摘出術(口蓋骨に及ぶもの)1件 
喉頭・嚥下手術 喉頭微細手術 12件
頭頸部手術 リンパ節摘出術 7件 気管切開術 20件
甲状腺腫瘍手術(悪性含む) 14件 耳下腺腫瘍手術(悪性含む) 9件
顎下腺手術(悪性含む) 4件 頸部郭清術 21件
口腔内腫瘍手術(悪性含む) 3件
 咽頭悪性腫瘍手術 4件
皮弁再建手術 4件 神経鞘腫摘出術 9件 など
総計 586件

入院疾患別実績

2022年度
突発性難聴 18人 滲出性中耳炎 7人 真珠種性中耳炎 14人 慢性中耳炎 23人  めまい症 70人
急性扁桃炎・急性喉頭炎 54人  急性喉頭蓋炎(喉頭浮腫含む) 19人 頸部膿瘍8人 
頸部腫瘍(良性) 96人
慢性副鼻腔炎(好酸球性副鼻腔炎と歯性上顎洞炎含む) 88人 副鼻腔腫瘍(乳頭腫含) 12人 
声帯・喉頭腫瘍(良性) 15人 喉頭癌 12人 上咽頭癌 7人 中咽頭癌 56人 下咽頭癌 70人 舌癌 40人 など    計951人

2023年度(上半期)
突発性難聴 1人 滲出性中耳炎 8人  めまい症 19人
急性扁桃炎・急性喉頭炎 15人  急性喉頭蓋炎(喉頭浮腫含む) 3人 頸部膿瘍3人 
頸部腫瘍(良性) 13人
慢性副鼻腔炎(好酸球性副鼻腔炎と歯性上顎洞炎含む) 9人 副鼻腔腫瘍(乳頭腫含) 1人 
声帯・喉頭腫瘍(良性) 6人 中咽頭癌  8人 下咽頭癌 5人 舌癌 8人 など    計372人

医療連携・紹介制度について

当科は、耳鼻咽喉科・頭頸部外科一般を網羅しております。お困りの患者さん、手術適応の患者さんがおられましたら是非ご紹介ください。当院ではワンストップサービスを導入しており、疾患の緊急性や重症度に関わらず医療連携室を通して、スムーズに患者様の受け入れを実施しています。当科で入院治療、手術などを行った患者さん、治療方針が確定し状態が安定した患者さんは、紹介元の先生、近隣の先生に術後の経過観察や、その後の治療をお願いしております。地域の先生方との緊密な連携を図っていきたいと考えております。よろしくお願いいたします。