食道外科

お知らせ

診療科紹介

1996年より国内で初めて患者さんに負担の少ない完全胸腔鏡下食道がん根治手術を導入。ほぼ全例に胸腔鏡を行っています。食道がんやその他の食道疾患に対する多数の診療実績から、2018年4月より食道外科が新設されました。経験豊富な食道専門医が治療の相談に当たり、手術だけでなく、内視鏡治療、化学療法、放射線療法、がん看護等、他部署と連携を取りチーム医療を行います。術後の経過も、食道専門医を中心にチーム医療でサポートします。
村上雅彦教授診療科長
村上 雅彦

診療体制

スタッフは食道がんを中心とした食道外科治療に高い専門性を持ち、外来、入院診療に当たっています。手術のみならず消化管内視鏡治療も行っています。食道がん治療においては、初診から術前化学療法、手術まで食道外科医が関わります。非手術治療(化学療法、放射線療法、その他の治療)については消化器内科、腫瘍内科、放射線治療科などと連携し治療を進めていきます。食道外科の専門外来は週4日ですが、食道外科専門医が外来に常駐しており、予約外での対応も毎日可能です。食道関連手術は2-3日/週に3-5件程度のペースで行っていますが、特に食道がん手術は消化器外科手術の中でも難易度の高い手術のひとつであるため、食道がんに対する日本内視鏡外科学会技術認定医、食道外科専門医が手術に参加し、患者さんへ安全かつ安心できる手術を提供できるような体制としています。

診療方針

当科での治療では、手術が中心となることが多いのですが、患者さんの併存疾患などにより治療の難易度が変わるため、個々の患者さんにあわせたテーラーメード治療を行います。食道がんに対しては、手術がベストではない場合もあり、内視鏡治療、化学療法、放射線療法などの手術以外の治療も含め、患者さんへの最善の治療を提案するよう心がけています。食道がん手術の特徴から、高い専門性も必要ですが、多職種との連携も大切であり、医師、看護師のみならず、内科医、耳鼻科医、歯科医、リハビリスタッフ、栄養士などと共に、診療にあたっています。

特徴的な診療領域

食道がん治療では、基本的に治療ガイドラインに沿って計画しますが、がんの進行度、耐術能などを考慮して、治療効果が最大限得られるように、患者さんそれぞれに合う治療内容をオーダーメイドし、術前化学療法(CF療法、DCF療法、PTX療法など)、術前化学放射線療法などを組み合わせて手術を行います。手術は胸腔鏡・腹腔鏡併用手術を1996年から標準としており、これまで1300例以上と日本最多の経験を有します。近年では、ロボット支援下胸腔鏡手術も導入しており、患者さんにあった手術を提供しています。術前・術後のリハビリも定型化しており、術後9〜14日前後での退院が可能です。
術後は食事、栄養指導を行いながら、がんの再発を早期に発見・治療するため、食道外科医が外来にて経過観察を行います。

主な対象疾患

  • 食道癌
  • 食道良性腫瘍(食道粘膜下腫瘍など)
  • 食道アカラシア
  • 食道裂孔ヘルニア・食道憩室
  • 逆流性食道炎
  • 特発性食道破裂 など

より細かな診療内容や特色の詳細

食道がん手術では、近年多くの施設で低侵襲手術である胸腔鏡手術が行われています。しかし、頸部、胸部、腹部の操作が必要な食道がん手術では、ひとたび合併症が生じると、入院期間の延長、術後の生活への影響が生じやすく、時に重篤になることもゼロではありません。そのため、全国的にも施設間に格差があるのが現状です。昭和大学病院では、1996年から胸腔鏡手術を標準的に行っており、これまでの多くの経験から患者さんへの負担が少ない手術を提供できるよう努力してまいりました。われわれ独自の手術の定形化、術前・術後管理の工夫から、手術時間の短縮、合併症率の低下(過去10年で縫合不全3%以下、肺炎は5%以下と全国平均:縫合不全・肺炎10-30%を大幅に下回る成績)が実現されており、合併症ゼロを最終目標に日々診療にあたっております。
他施設において、心臓・呼吸器・代謝性疾患などの基礎疾患・高度進行癌などで手術が困難と診断された場合でも、がん専門病院とは異なり、多診療科がある大学病院の特性を生かし、他科との連携の結果により当院で手術が可能となることも多くあります。治療にお悩みになった際は、お気軽にご相談いただければ、食道外科スタッフが丁寧にご対応させていただきます。

専門外来

食道外科

より細かな診療内容や特色の詳細

当科胸腔鏡手術の特徴
  • 術後の胸部痛が極端に減少するため、翌日より歩行可能。―人工呼吸器管理なし
  • ICU滞在期間は平均1日。
  • 術後1日目より水を開始、3日目より経口栄養剤開始、5日目より食事開始。
  • 創痛の原因、術後早期離床の妨げとなるドレーンは細径胸部ドレーン1本のみ。
  • 全国平均と比較し非常に合併症が少ない。
  • 高齢者でも手術可能(最高年齢96歳)― 開胸手術では75歳以上は非適応と言われている。

スタッフ紹介

医師名役職資格
村上 雅彦特任教授・診療科長JCOG胸腔鏡下食道手術認定医
臨床研修指導医
日本腹部救急医学会評議員・暫定教育医
日本外科代謝栄養学会評議員
日本外科系連合学会評議員・フェロー
日本消化器内視鏡学会指導医・評議員
日本外科学会専門医・指導医・代議員
日本臨床外科学会評議員・雑誌編集委員
日本消化器内視鏡学会評議員・指導医
日本消化器内視鏡学会関東地方会評議員
日本内視鏡外科学会評議員
食道悪性部門技術認定医
日本消化器外科学会指導医
消化器がん外科治療認定医
日本食道学会評議員・食道科認定医
日本大腸肛門病学会指導医
日本肝胆膵外科学会評議員・肝胆膵外科高度技能指導医
日本消化器病学会指導医
大塚 耕司准教授日本外科学会専門医・指導医
日本臨床外科学会評議員
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
日本腹部救急医学会評議員・暫定指導医
日本消化器外科学会専門医・指導医
消化器がん外科治療認定医
日本内視鏡外科学会評議員・食道悪性部門技術認定医
日本食道学会評議員・食道科認定医・食道外科専門医
JCOG胸腔鏡下食道手術技術認定医
内視鏡手術支援ロボット術者資格
SAGES(アメリカ内視鏡外科学会)International Member
EAES(ヨーロッパ内視鏡外科学会)International Member
ISDE(国際食道疾患会議)member
臨床研修指導医
五藤 哲講師・診療科長補佐日本外科学会専門医・指導医
日本内視鏡学会専門医・指導医
日本消化器外科学会専門医・指導医
消化器がん外科治療認定医
日本内視鏡外科学会評議員・食道悪性部門技術認定医
日本食道学会食道科認定医・食道外科専門医
JCOG胸腔鏡下食道手術技術認定医
内視鏡手術支援ロボット助手資格
臨床研修指導医
有吉 朋丈講師臨床研修指導医
日本外科学会専門医
日本消化器外科学会専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
日本消化器病学会専門医
日本食道学会食道科認定医
消化器がん外科治療認定医
山下 剛史講師臨床研修指導医
日本外科学会専門医・指導医
日本消化器外科学会専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
日本消化器病学会専門医
日本食道学会食道科認定医
消化器がん外科治療認定医
茂木 健太郎助教日本外科学会専門医
加藤 礼助教日本外科学会専門医
広本 昌裕助教日本外科学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本食道学会食道科認定医 
斎藤 祥助教日本外科学会専門医
日本消化器外科学会専門医
消化器がん外科治療認定医
日本食道学会食道科認定医 
藤政 浩一朗助教日本外科学会認定医
佐藤 義仁助教
澤谷 哲央客員講師日本外科学会認定医

外来担当医表

消化器・一般外科/食道外科

医療従事者の方へ

研究内容

  • JCOG 1109「臨床病期ⅠB/II/Ⅲに対する術前CF療法、術前DCF療法、術前CF-RT療法の第Ⅲ相比較試験」(登録終了・解析中)
  • 腸内細菌叢から解析したがん患者免疫能における探索的基礎研究
  • 胸腔鏡下食道亜全摘術の再建に電動自動吻合器を用いた検討
  • 局所進行切除不能食道扁平上皮癌患者を対象とした、デュルバルマブと根治的化学放射線療法との同時併用を検討する第III 相ランダム化二重盲検プラセボ対照国際共同多施設共同試験(KUNLUN試験)
  • 胸腔鏡下食道亜全摘術における術後疼痛コントロール法の検討 腹横筋筋膜面ブロック併用下フェンタニル持続常駐・アセトアミノフェン定期点滴投与と硬膜外麻酔のランダム化比較試験

診療実績

外来患者数

2020年 食道外科初診患者数
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
初診患者数20816610151212169812
年間合計 144名

入院患者数

2020年 食道外科入院患者数(のべ人数)
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
初診患者数423445342835274037324488
年間合計 486名

手術実績

 2015年2016年2017年2018年2019年2020年
胸腔鏡下食道亜全摘術86101139131137105
(ロボット補助下)---(2)(10)8
縦隔鏡下食道亜全摘術010010
開腹・腹腔鏡下下部食道切除003041
開胸食道亜全摘術000000
その他54542
6

入院疾患別実績

2020年食道外科 疾患別入院患者数(のべ人数)
  • 食道癌         361
  • 食道粘膜下腫瘍      0 
  • 食道裂孔ヘルニア       1
  • その他         73

医療連携・紹介制度について

月曜日から土曜日まで終日、新規食道疾患の患者さんを受け入れられる体制を整えております。食道外科医の専門外来がない曜日でも対応させて頂きますのでご紹介よろしくお願い致します。
手術後・治療後の患者さんは日常診療・定期処方などを出来る限りかかりつけの先生にお戻ししてお願いした上で、当科外来で併診させて頂く方針としています。ご協力のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
消化器がん外科治療認定医