血液内科

診療科紹介

当科は、日本血液学会認定施設、骨髄移植推進財団骨髄移植・採取施設および臍帯血バンク登録移植施設に認定され、病床数は50床(無菌室12床を含む)で運営しています。診療内容は貧血、白血病、骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、出血性疾患を始め、血液検査データ異常がみられる疾患です。外来での薬物療法が可能な疾患から、造血幹細胞移植が必要とされる疾患まで、専門的な診断・治療が必要とされる血液異常を担当しています。
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診療科長 
服部 憲路

診療体制

日本内科学会指導医、日本血液学会専門医・指導医、がん治療認定医などの資格を有する専門医を始め、10人の医師が常勤医として診療を担当します。これら血液疾患に関し知識・経験が豊富な専門医が診断・治療計画を立案し診療にあたっています。さらに、安全な医療ができるように病棟に薬剤師が常駐し、抗がん剤の投与量、レジメンに従った治療計画であるか、配合禁忌のチェック、患者の服薬指導などを行っています。看護師も患者さんのメンタルケアを含めたがん看護に精通しおり、医師・薬剤師とチームを作り診療科全体で患者さんが病気に打ち勝てるような支援ができる体制となっています。
また、当科は、日本血液学会認定施設、骨髄・末梢血幹細胞採取・移植認定施設および臍帯血バンク登録移植施設に認定され、病床数は50床(無菌室12床を含む)で運営しています。診療内容は難治性貧血、白血病、骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、出血性疾患を始め、血液検査データ異常がみられる疾患です。外来での薬物療法が可能な疾患から、造血幹細胞移植が必要とされる疾患まで、専門的な診断・治療が必要とされる血液異常を担当しています。また、H IV感染症については当科が昭和大学病院の代表窓口となっています。

治療方針

日本血液学会指導医の指導のもと、日本血液学会を代表とする専門学会で公表されている治療方針に従い 治療を施行しています。治療方針に関し判断の難しい症例ではセカンドオピニオンを推奨するなど、他の 医療機関にも情報を公開し最善の治療方針を決定しています。保険未承認の薬剤であっても倫理委員会の 承認を経たうえで患者に投与しています。

特徴的な診療領域

すべての領域の血液疾患に対して先進的医療を積極的に取り入れ、また最新の研究成果を生かし、治癒率の向上に努めております。急性前骨髄球性白血病における分化誘導療法、サイトカイン療法など、当科の研究から発展した治療法も少なくありません。難治性血液疾患については造血幹細胞移植を積極的に行っています。特に、従来は造血幹細胞移植の適応とされていなかった高齢者(60歳以上)にも、骨髄非破壊的移植前処置を用いた移植治療をおこない良好な成績を得ています。悪性リンパ腫の診療では正確な病理診断が必須です。血液病理を専門とする昭和大学病院・臨床病理診断科との緊密な連携のもと、迅速・適確な診断・治療方針の決定を行い、治療成績の向上に努めています。

主な対象疾患

  • 再生不良性貧血
  • 骨髄異形成症候群
  • 急性骨髄性白血病
  • 急性リンパ性白血病
  • 慢性骨髄性白血病
  • 慢性リンパ性白血病
  • 悪性 リンパ腫
  • 多発性骨髄腫
  • 骨髄増殖性腫瘍

専門外来

  • 長期フォローアップ外来(LTFU外来)(造血幹細胞移植後)

スタッフ紹介

医師名役職専門分野資格
服部 憲路
教授
診療科長
造血器腫瘍
造血幹細胞移植
日本内科学会認定医
日本内科学会総合内科専門医
日本内科学会指導医
日本血液学会認定血液専門医
日本血液学会指導医
日本造血・免疫細胞療法学会認定医
日本輸血・細胞治療学会認定医
日本血液学会評議員
日本造血・免疫細胞療法学会評議員
柳沢 孝次
講師
造血幹細胞移植
日本内科学会認定医
日本内科学会指導医
日本血液学会認定血液専門医
川口 有紀子
助教
血液疾患一般
日本内科学会認定医
日本血液学会専門医
日本血液学会指導医
日本造血・免疫細胞療法学会認定医
荒井 奈々
助教
診療科長補佐
血液疾患一般
日本内科学会認定医
日本血液学会専門医
藤原 峻
助教
血液疾患一般
日本内科学会認定医
日本血液学会専門医
綿貫 めぐみ
助教
血液疾患一般
日本内科学会認定医
佐々木 陽平
助教(病院直属)
血液疾患一般
日本内科学会認定医
日本血液学会専門医
島田 翔太郎
助教(医科)
血液疾患一般
日本内科学会認定医
日本血液学会専門医
上杉 由香助教(医科)
血液疾患一般日本内科学会認定医
岡村 玲子大学院生血液疾患一般
黒岩 魁大学院生血液疾患一般
成田 雛子大学院生血液疾患一般
友安 茂
客員教授
貧血
造血器腫瘍
HIV
日本血液学会指導医
日本内科学会認定医
日本血液学会認定血液専門医
日本内科学会指導医
日本臨床腫瘍学会暫定指導医
日本がん治療認定医機構暫定教育医
中牧 剛
客員教授
造血器腫瘍
HIV
日本血液学会認定血液専門医
日本血液学会指導医
日本内科学会総合内科専門医
日本内科学会指導医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本エイズ学会認定医
日本輸血・細胞治療学会認定医

外来担当医表

血液内科

医療従事者の方へ

研究内容

  1. 血液疾患登録
  2. PNHレジストリー(発作性夜間ヘモグロビン尿症患者登録)
  3. 造血器腫瘤および類縁疾患における新規標的遺伝子探索
  4. 分子標的治療の作用メカニズムに関連する造血器腫瘍および関連疾患の遺伝子解析
  5. 遺伝性ヘモクロマトーシス責任遺伝子変異に関する研究
  6. 再発急性前骨髄球性白血病(APL)に対するTamibarotene(Am80)と亜ヒ酸(ATO)の併用、寛解後療法としてgemtuzumab ozogamicin (GO)を用いた治療レジメンの有効性および安全性検証試験(JALSG-APL219R)
  7. 初発BCR-ABL1陽性急性リンパ性白血病(Ph+ALL)を対象としたダサチニブ、ポナチニブ併用化学療法および造血幹細胞移植の臨床第II相試験(JALSG-PhALL219)
  8. 高齢者急性骨髄性白血病(AML)の層別化により化学療法が可能な症例に対して若年成人標準化学療法の近似用量を用いる第II相臨床試験(JALSG-GML219)
  9. 関東CML研究グループ慢性期慢性骨髄性白血病患者における無治療寛解を目指したダサチニブ治療第Ⅱ相試験
  10. 日本における骨髄増殖性腫瘍の予後に関する大規模多施設前向き観察研究
  11. 遺伝性血栓性血小板減少性紫斑病(Upshaw-Schulman症候群)のレジストリー研究
  12. 造血幹細胞移植後のドナー免疫細胞が与える移植後合併症の影響
  13. 造血幹細胞移植における腫瘍関連線維芽細胞・マクロファージの研究
  14. 当院で診断されたびまん性大細胞型B細胞リンパ腫における治療効果の検討
  15. 血液凝固異常症全国調査
  16. 高齢者急性骨髄性白血病における遺伝子異常と予後の関連に関する研究(JALSG GML219-Molecular)JALSG-GML219試験付随研究
  17. 多発性骨髄腫における微小残存病変の検討
  18. 低悪性度リンパ腫における予後・治療効果の検討
  19. 急性骨髄性白血病における予後・治療効果の検討
  20. アグレッシブATLの予後に影響する因子について検討する多施設共同前向き観察研究
  21. 造血器腫瘍における遺伝子異常の網羅的解析
  22. グレッシブATLにおける予後因子の検討と個別化医療の確立を目的とした全国一元化レジストリおよびバイオレポジトリの構築
  23. FLT3遺伝子変異を有する再発又は難治性の急性骨髄性白血病患者における,ギルテリチニブが同種造血幹細胞移植後成績に及ぼす影響に関する観察研究(多施設,非介入,後ろ向き研究)
  24. 「FLT3遺伝子変異を有する再発又は難治性の急性骨髄性白血病患者において,ギルテリチニブが同種造血幹細胞移植後成績に及ぼす影響」研究のためのヒストリカルデータ取得研究
  25. 日常診療においてイブルチニブ治療を受けた日本人慢性リンパ性白血病患者を対象とした観察研究 (CLL-Orbit STUDY)
  26. 造血細胞移植および細胞治療の全国調査
  27. 外部注文による血色素異常症の遺伝子検査を用いた記述統計研究
  28. 難治性造血不全症の病態研究
  29. 実臨床におけるVenetoclax±Rituximabを24ヵ月間投与した日本人慢性リンパ性白血病患者のMRD陰性率に関する観察研究 (Japan CLL-MRD study)
  30. 成人 T 細胞白血病(ATL) に対する同種移植後の予後に移植前モガムリズマブ投与が与える影響に関する研究

診療実績

外来患者数

2023年度(上半期)初診外来患者数
急性白血病11
骨髄異形成症候群8
悪性リンパ腫48
多発性骨髄腫4
骨髄増殖性腫瘍10
再生不良性貧血4
特発性血小板減少性紫斑病
9
2022年初診外来患者数
急性白血病 26
骨髄異形成症候群 15
悪性リンパ腫 87
多発性骨髄腫 11
骨髄増殖性腫瘍 8
再生不良性貧血 0
特発性血小板減少性紫斑病
10

移植件数

2023年度(上半期)移植件数
臍帯血
11
非血縁者間末梢血 3
非血縁者間骨髄 0
血縁末梢血 2
自家移植 16
2022年移植件数
臍帯血
22
非血縁者間末梢血 0
非血縁者間骨髄 3
血縁末梢血 1
自家移植 9

医療連携・紹介制度について

入院加療が必要と診断された患者につきましても、血液内科病床が満床の場合、対応可能な他血液内科専 門病院への転院をお願いする場合もありますので、予めご承知おきくださいますようお願いいたします。