感染管理部門

感染管理部門は、院内感染の発生を予防し、また、発生した場合は感染症が広がらないように、速やかに対策を図り迅速にかつ的確に感染症の収束をさせることを目的として業務を行っています。患者や家族、病院職員など病院に関わる全ての人々を感染症から守ることで、良質な医療とケアを患者に提供することに加え、職員の健康を守る環境を整備・維持に努めることも感染管理部門の重要な役割です。昭和大学病院では、感染管理部門は「クオリティマネジメント室」内に設置し、病院長の直属のもと、「院内感染防止対策委員会」と連携し業務を行なっています。

感染管理部門の体制

1.感染管理部門

医師3名(全員感染症専門医、ICD:Infection Control Doctor)、看護師3名(うち、感染管理認定看護師2名)、薬剤師1名(感染制御認定薬剤師1名)、臨床検査技師1名(感染制御認定臨床微生物検査技師  1名)、事務3名(専任3名)です。

2.ICT

院内感染防止に関するサーベイランスや相談・指導・啓発等を実施する Infection Control Team(ICT)を組織しています。

3.AST

抗菌薬の適正使用の推進、相談及び支援にあたるAntimicrobial Steward ship Team(AST)を組織しています。

4.感染リンクドクター及び感染リンクナース

各診療科および各部署に感染リンクドクター及び感染リンクナースを任命し、ICTやASTと連携して各現場における感染管理を実行しています。

5.感染管理体制 組織図

感染管理部門 ホームページ掲載(最終) 管理課提出用(2021.8.11)


 感染管理部門の主な取り組み

感染管理部門は、院内での感染発生状況の把握、収集したデータの分析、アウトブレイクへの対応、院内感染防止に向けた教育・活動を常にサポートしています。入院・外来患者の抗菌薬のモニタリングと適正使用への介入を行い、AMR(薬剤耐性)対策に積極的に介入しています。院外での流行状況の把握や地域医療への貢献できるよう、近隣施設や地域保健所との情報交換も積極的に取り組んでいます。

1.2022年度部門目標

①全職種における手指衛生強化
②薬剤耐性菌の複数発生の減少
③血液培養陽性者におけるDe-escalation率の推進

2.感染管理部門員ミーティング・ICTミーティングの開催

感染管理に関わる情報の共有、問題解決に向けた検討など定期的にカンファレンスを開催しています。

3.感染防止対策委員会の開催

病院全体に係る感染症、薬剤耐性菌、抗菌薬適正使用についての情報共有と院内の感染症・薬剤耐性菌に関わる問題、感染防止策の評価などを毎月開催しています。

4.リンクドクター会・リンクナース会の開催

感染リンクドクターと感染リンクナースと定期的にカンファレンスを開催し、感染に関する最新のトピックスの発信と教育研修を行っています。

5.職員研修の開催

院内の感染対策に関して、eラーニングを通じた研修会を開催しています。
2021年度実績
タイトル
研修形式
新型コロナウイルスと標準予防策eラーニング
標準予防策:手指衛生  eラーニング
抗菌薬の適正使用①(AMR 注射抗菌薬)eラーニング
薬剤耐性菌対策eラーニング
抗菌薬の適正使用②(AMR 内服抗菌薬)eラーニング
感染対策ピックアップポイントeラーニング

6.ラウンドの実施

①院内ラウンド
・管理者巡視
病院長や副院長、看護部長、薬剤部長等の管理者と共に各部署の感染管理状況を確認し、必要に応じて改善活動を促しています。
・ICTラウンド
週1回、医師や看護師、薬剤師、臨床検査技師、事務等の多職種で、感染管理に関わる環境や
取り組みの評価を行っています。
・耐性菌情報の把握と現場ラウンド
細菌検査部門とのタイムリーな情報共有の上、新規耐性菌発生時に現場ラウンドを行い、予防策の評価とフィードバックを行っています。
・ASTラウンド
毎日、医師、看護師、薬剤師、検査技師でラウンドの上、広域抗菌薬使用者や血液培養陽性者の把握と院内の抗菌薬使用の適正化を推進しています。
②外部とのラウンド
・感染防止対策地域連携カンファレンス 
 奥沢病院
・私立医科大学協議会感染対策相互ラウンド
 牧田総合病院
・私立医科大学協議会感染対策相互ラウンド
 ※大学病院本院との相互ラウンド
年度
病院名
2017年度北里大学病院
2018年度慶応義塾大学病院
2019年度久留米大学病院
2020年度杏林大学医学部付属病院
2021年度
獨協医科大学病院

7.その他院内感染の取組み

  • 毎年手洗いキャンペーンを実施して、手洗いの効果と重要性を周知し、院内全体で感染対策強化に取り組んでいます。
  • 各種サーベイランスにより、病院内の医療関連感染の把握、改善に向けた介入を行っています。
  • 新型コロナウイルス感染症など各種感染症に関わる病院内外における連携、対策強化に取り組んでいます。
  • 職業感染防止策、ファシリティマネジメントなどの取り組みを行っています。