臨床検査室

臨床検査室は、病気の診断には欠かせない「臨床検査」を主な業務としています。臨床検査は、検体検査(血液、尿など)と生体検査(心電図検査や超音波検査など)に大きく分かれます。また、輸血・細胞治療に関わる検査、手術中に採取した組織の迅速検査や細胞の検査も行っています。
これらの業務に対して国家資格を有する臨床検査技師が、効果的な診療を支援するために迅速で精度の高い検査結果を提供することはもちろん、関連学会が認定する資格の取得・維持に日々取り組んでいます。

臨床検査室の構成

臨床検査は、各検査室に分かれ、さまざまな検査を行っています。
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採血室

採血室に来られる患者さまへ

採血室では各種採血の他に、尿・便・喀痰などの検査や、各種負荷試験に関する検査の説明を行っています。

採血を受けられる方へのお願い

医療事故防止のためにご本人確認をいたします。
患者さまご自身でお名前をおっしゃってください。

また、事故防止の為以下の項目を確認致します。該当する方はお申し出ください。
  1. 採血時に気分が悪くなったことがある
  2. かぶれやすい(テープ、アルコール消毒)
  3. 血が止まりにくい(血液をサラサラにする薬を飲んでいる)
  4. 人工透析をしている(シャント側の腕を避けて採血します)
  5. 乳房切除手術をした

気分が悪い方、病状に緊急を要する方を優先的に行う場合があります。
そのため順番が前後することがあります。

採血をスムーズに行うため、あらかじめ肘が出るところまで衣服の袖を上げておいてください。

消毒はアルコール(エタノール)です。
アルコール消毒でかぶれなどの経験がある方はスタッフにお申し出ください。
アルコールの入っていない消毒薬を使用します。

採血終了後、5分間は採血部位を揉まないように圧迫をしてしっかりと止血をしてください。

車椅子の方は、採血台までご案内しますのでスタッフにお声かけください。

採血室でよくある質問

採血を行う血管は動脈?静脈?

静脈です。
静脈は皮膚から浅いところを通っているので、比較的血管が確認しやすくなっています。
また、静脈の血管壁は動脈に比べると薄く、血液の流れもゆっくりです。全身を廻って心臓に戻る血液なので体内各所の情報を豊富に含んでおり血液検査に適しています。

動脈は皮膚より深い所を通っているため、肉眼で確認することが困難です。
動脈血は鮮紅色で全身に新鮮な酸素と栄養分を届ける役目をしています。

採血に用いる針って?

当院ではエチレンオキサイドガス滅菌されたもので1回ごとの使い捨てです。
患者さんの血管の状態に合わせ、採血針の選択をしています。
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いろんな容器があるけど、どうしてですか?

検査項目によって専用容器(採血管)があります。そのため異なる採血管に少量ずつ分けて採血をします。全てガンマ滅菌されている採血管を使用しています。
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検査の結果はどのくらいの時間がかかりますか?

当院内での検査であれば、ほぼその日のうちに結果報告されます。
院外での検査はおおよそ1週間です。
診察前や診察途中の緊急検査は1時間~1時間30分ほどで結果報告されます。

採血中に血液がサラサラやドロドロしているのはわかりますか?

サラサラやドロドロはわかりません。
テレビで見るような映像は、人工の毛細血管に流れる血液を観測する機器を使って見ているので、採血中や肉眼ではわかりません。

針を刺したときに痛みを感じました。痛くないところってないの?

針などで痛みを感じるのは痛点を刺激するからです。
痛点の分布は1平方センチメートルあたり100~200個分布しているため、採血時の痛みは必ず生じるものと思っていてください。
採血を終了しても手指に痛みやしびれが持続している場合はお申し出ください。

採血するときに親指を中にして握るのはなぜですか?

採血に適している静脈の血流量が増え、拡張しやすくなります。
肉眼的に血管が確認しやすくなります。

採血と採尿がありますが、どちらから行うのですか?

患者さまの状態や待ち状況に応じて変えています。
採血からしたい、採尿からしたいとのご希望があれば受付スタッフにお申し出ください。  

尿コップにはどのくらいとればいいのですか?

尿コップの25の目盛りまでとってください。
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尿量が少ないようですが大丈夫ですか?

提出時にトイレ(採尿室)尿置き場のベルを鳴らしてスタッフを呼んでください。
検査に足りるかどうか尿量を確認します。
生理検査室
生理機能検査ではいろいろな種類の検査を行っています。

循環器検査

安静時心電図検査や、階段やベルトコンベアーを使って心臓に負荷をかける運動負荷心電図検査を行っています。また日常生活中の心電図を機械に記録する長時間記録心電図検査などもあります。他に、血管の動脈硬化性変化(ABI)を調べる検査、24時間血圧測定、皮膚灌流圧(SPP)測定、血管内皮機能(FMD)測定などを行っています。検査の際には、上下分かれた脱ぎ着しやすい衣服でお越しください。 

超音波検査

人には聞こえない高い音(超音波)を使って検査をします。放射線を使用しないため、被爆はなく人体には無害(妊婦さんも検査可能)です。

  1. 心臓超音波検査 : 心臓の大きさ、動き、心臓の筋肉や弁の状態、血液の流れなどを観察し、ポンプが正常に働いているかどうかを判定します。
  2. 腹部超音波検査 : 肝・胆・膵・腎・脾・腹部大動脈・膀胱・前立腺・子宮・卵巣などをみています。飲食の影響を受ける為、検査の際は予約票の注意事項をよくお読みください。
  3. 表在超音波:乳房・甲状腺・頚部・全身の皮膚や皮下などをみています。乳房超音波検査は、ブレストセンターで女性技師が対応します。
  4. 血管超音波検査(頚動脈・下肢血管・腎動脈):血液の流れを調べます。動脈硬化の指標の一つになりますが、下肢静脈では血栓の有無を判定します。

呼吸機能検査

鼻をクリップで止めた状態で口にマウスピースをしっかりとくわえ、息を吸ったり吐いたりすることで肺の機能をみる検査です。肺気腫や喘息などの肺疾患の診断や全身麻酔手術の術前検査として必要な検査です。正確な検査をするためにはご本人の最大限の努力が必要です。ご協力をお願いします。

当院検査室で行っている呼吸機能検査
肺活量(VC)、努力性肺活量(FVC)、機能的残気量(FRC)、肺拡散能(DLCO)、気道可逆性試験、簡易睡眠時無呼吸検査、24時間SPO₂モニター、時間内歩行検査

脳波・筋電図検査

  1. 脳波検査 : 脳の微小な活動電位を体表電極で記録します。頭に電極を装着して覚醒時や睡眠時の脳波を記録します。様々な刺激(目の開閉・深呼吸・光・音)に対する脳波の反応も調べます。
  2. 筋電図検査 : 筋肉の運動障害(痩せ・脱力・痛みなど)の原因が筋によるものか、神経によるものかを判断する検査で、傷害部位や程度などを調べるものです。検査の種類によって神経を電気刺激したり、検査担当医師により筋肉に針を刺して行ったりするものがあります。
  3. 神経伝道速度検査 : 末梢神経を電気刺激して誘発される筋反応から末梢神経の機能を調べる検査です。

聴覚・平衡機能検査

  1. 聴覚検査 : 代表的な検査は純音聴力検査です。ヘッドホンから出る色々な種類の音がきこえたら、スイッチを押していただきます。ティンパノメトリーは鼓膜の動き易さを確認し、中耳の状態を診る検査です。他には語音聴力検査・耳小骨筋反射検査・内耳機能検査・耳音響放射検査・耳管機能検査・聴性脳幹反応などを行っています。
  2. 平衡機能検査 : 平衡障害を評価する検査です。電気眼振計を用いて視標追跡検査・温度眼振検査(カロリック)などを行い眼の動きを記録します。他には体の揺れを検出する重心動揺検査があります。
  3. 耳鼻科では上記以外にも味覚検査・鼻の通り具合をみる鼻腔通気度検査・顔面麻痺の状態をみる誘発筋電図検査を行っています。
検体検査室(BML)

検体受付

検体系検査全ての検体が集まる部署であり、採血・尿・体腔液などさまざまな検体の受付処理をしています。
主な業務は、先ずお預かりした検体を各担当検査室へ振り分けること、院内・院外で検査しているものを振り分けることです。次に検査結果を正確に出すため、それぞれに合わせた検査前処理を行っています。
また医師からの問合せに対して必要な情報を伝えることも受付業務の一つです。
受付担当者は検査に応じた採血管・検体の必要最低量・検査方法・基準値などあらゆる問合せに対応できる知識を持ち、患者さまにストレスなく安心して受診していただけるよう努めています。

化学・免疫検査室

脂質検査や肝機能検査、腎機能検査など一般的な化学検査項目をはじめ、甲状腺・心筋・腫瘍マーカーやヘモグロビンA1c、血中薬物濃度、感染症検査といったような幅広い検査も行っています。
24時間365日検査を行い、毎日多くの検査値を確認し診療現場へ届けています。

血液検査室

末梢血液検査

血液中に含まれる白血球、赤血球、ヘモグロビン(血色素)量、血小板などを計測しています。また、細胞の分類は血液認定臨床検査技師・二級臨床検査士(血液学)が顕微鏡を覗き、毎日多くの細胞を分類し異常がないか鑑別を行っています。
末梢血に異常が認められると、血液が造られている骨髄と呼ばれる部位の検査も行っています。

凝固線溶検査

血液中には固める(凝固)作用と溶かす(線溶)作用があります。
この成分の働きを検査し、出血した際に血液が止まりづらくないか、血管内に血栓ができていないかなどを数値化しています。また、お薬を服用されている方の経過観察をする上でも重要な検査となります。

一般検査室

主に尿、便、髄液、穿刺液、精液の検査を行っています。
提出された尿を機械で測定し尿中の蛋白、糖、潜血などを調べる尿定性検査や、尿に含まれる細胞などを顕微鏡で観察し、形態や数の割合を調べる尿沈渣検査を行っています。特に尿検査は患者さんへの負担が少ない検査であり、異常を早期に捕らえることができスクリーニングとして優れた検査となります。
また、髄液や胸水、腹水、関節液などの穿刺液中の細胞数算定も行っています。

基準値一覧

基準値はこちらをご覧ください。
細菌検査室
細菌検査室では3名のスタッフにより、患者検体中にいる細菌を検出し、その細菌がどの薬剤に有効あるいは無効かを検査しています。
細菌検査室_喀痰喀痰
a:品質不良
b:品質良
aで検査を行っても正しい結果が得られません。
細菌とは肉眼で見ることができないため、光学顕微鏡を使い観察します。また、細菌が好む環境を作り、菌を増殖させてから同定を行います。
細菌検査室_グラム染色グラム染色(一般細菌)
細菌検査室_チールネルゼン染色チールネルゼン染色(抗酸菌)
細菌検査室3名全員が感染管理室の室員であり、感染制御チーム(ICT)や抗菌薬適正使用支援チーム(AST)の活動にも参加しています。
ICTでは院内で起こる様々な感染症から、患者さんや職員、病院を訪れるすべての人々の安全を守るための感染管理活動を行っている多職種のチームであり、組織横断的な活動を行っています。微生物検査モニタリングとして検査結果を確認してアウトブレイクの早期検出と抑制を図り、散発的な感染症や耐性菌の発生状況についても把握しています。
ASTでは耐性菌の発生を抑えるため、抗菌薬の使用を適切に管理、支援するための活動を行っています。
病理検査室
病理検査室は、病理医の指導のもと臨床検査技師4名で、病理診断業務に携わって検査しています。
病理検査業務は以下のように分けられます。
組織検査
生検や手術材料の組織診断
術中迅速組織診断
細胞診検査
婦人科、乳腺、甲状腺、唾液腺、尿、体腔液、喀痰等の細胞診
病理解剖

組織検査とは?

病理診断を専門とする医師(病理医)が顕微鏡で、手術や針などで採取された全身ありとあらゆる組織を見て病気の原因を調べる検査です。

A子さん「おっぱいにしこりができて、がんだって言われたわ。手術で取ってもらったのだけれど、取ったしこりはどうやって検査するのかしら。」

それは大変でしたね。しこり(組織)は、病理医と臨床検査技師によって、顕微鏡で見ることのできる標本になります。
組織検査の流れ
出来上がった標本を顕微鏡で見ると細胞が紫色と赤色に染まって見えます(写真1 乳がん組織標本)。

また、乳がんのお薬が効くのかどうかを調べる標本(写真2 乳がんエストロゲンレセプター組織標本)も作製することがあります。
乳がん染色標本写真1 乳がん染色標本
乳がんエストロゲンレセプター組織標本写真2 乳がんエストロゲンレセプター組織標本
写真1が「がん細胞の塊」です。
写真2では、エストロゲンレセプターを持つ細胞の核が褐色に染まります(この患者さんは、エストロゲンのお薬を使うことができると分かりました)。
さらに、このがんを詳しく顕微鏡で見て、がんの種類や進行具合を調べていきます。

細胞診検査とは?

子宮がん細胞写真3 子宮がん細胞
細胞診の認定を持つ病理医と、細胞検査士という資格を持つ臨床検査技師が、顕微鏡で細胞を見て検査をします。
腹水、尿や、膣をこすって取ってきた細胞、首に針を指して採取した細胞などをスライドガラスに塗り付け、色を付けて観察します。

一枚のスライドガラス標本に散りばめられた何万個の細胞の中から「がん細胞」を探すのは、「良性の細胞」と「がん細胞」が識別できる能力が必要です。細胞検査士は、全国に約11,000名いますが、当院病理検査室スタッフのうち 4名がこの資格を持っています

顕微鏡を覘くと、このように悪性の細胞(がん細胞)がいるかどうかが分かります(写真3 子宮がん細胞)。小さな細胞から、がんの種類や進行具合まで推定できることも多くあります。
血液センター
輸血や細胞治療(移植や再生医療)に関する分野を担当しています。

輸血は様々な状況で血液が不足した場合に必要とされます。血液型などを検査し、献血で頂いた血液が輸血を必要とされる方と適合しているかどうかを検査判断し、安全かつ正しく輸血が行われるよう管理をしています。血液型にはABOやRhはもちろん、他にも数多くの型があります。そのため輸血によって副作用が起きないよう事前に検査しています。

近年では手術の予定がわかっていて、貧血がないなど条件はありますが自分自身の血液を保管しておく自己血輸血が増えてきています。自分の血液を輸血するので副作用の可能性も少なくなります。この自己血採血にも立ち会い補助させていただき、手術に備えて大切に保管管理しています。

細胞治療では患者さん自身の幹細胞(血液の源とされる細胞)を主に採取し凍結保管しています。治療(移植)に備えて大切に保管管理しています。

輸血の必要性について

血液は血球成分(赤血球、白血球、血小板)と血漿成分(蛋白成分、凝固因子など)に大きく分けられます。赤血球は全身の細胞に酸素を運び、血小板は傷口などからの出血を止める(止血)役割をもっています。さらに血漿成分は血液を固まらせる(血液凝固)など、私達の体にとって重要な役割を担っています。
そのため、赤血球が不足すると体内が酸素不足になり、血小板や血漿(凝固因子)が不足すると出血しやすくなります。手術や事故などで大量に出血がある場合や、患者さん自身の体内で血液が造られない場合、血液成分が破壊や消耗された結果、血液が減少した場合など原因はさまざまです。このような状態では本来の治療や手術などが十分に行えず、時には生命の危険が生じる事があります。そのため、不足した血液成分を補う目的で輸血が必要になります。

輸血時に必要な検査について

輸血前検査
血球数算定、血液型、不規則抗体検査、交差適合試験、感染症などを行います。
輸血後検査
必要に応じて、輸血後感染症の有無を確認するため輸血後3か月をめどに肝機能検査、肝炎ウイルス(B型、C型)およびHIV等の血液検査を行います。

血液型検査について

赤血球膜の表面に存在する同種抗原を調べて血液型を判定します。現在では300種類以上の血液型が確認されていますが、不適合だと大きな問題となるABO、RhD血液検査は必須です。
ABO血液型
1901年 Karl Landsteiner(写真1)によって発見された最初の血液型で、ヒトの血液はA型,B型,O型およびAB型の4つの型に分類されます。同じ血液型の輸血を行えば、重篤な輸血の副作用を生じないことから、この血液型の発見によって始めて輸血治療が可能になりました。
日本人におけるA型:O型:B型:AB型のおよその頻度は4:3:2:1です(図1)。
ABO血液型
Rh血液型
1940年にKarl LandsteinerとAlexander Solomon Weiner(写真2)によってアカゲザル(rhesus monkey)赤血球をウサギに注射して得られた抗血清の反応からD抗原が発見されました。現在までに主要なD、C、E、c、e抗原を含めて49種類の抗原が報告されています。通常D抗原をもっているヒトをRh陽性、もっていないヒトをRh陰性と呼んでいます。Rh陰性のヒトはRh陰性の血液が輸血されます。
日本人におけるRh陰性の頻度は約0.5%、200人に1名です(図2)。
Rh血液型
不規則抗体
ABO血液型では血清中に自分の血液型とは反応しない抗体が必ず存在します。これを規則抗体と呼びます。しかし,他の血液型では通常、抗原が存在しない場合、その抗原に対する抗体は存在せず、妊娠や輸血などの何らかの免疫刺激により抗体を産生します。この抗体を不規則同種抗体と呼びます。
このような抗体が存在している血液は患者さんへの輸血には用いません。また患者さんに存在するときは、血液型を適合させて輸血します。
交差適合試験
患者さんに適合する輸血用血液を選択するための血清学的な検査方法です。

血液製剤について

血液の各成分は、それぞれ重要な役割を担っています。供血者から献血で得られた血液は、各成分に分離され、冷蔵庫あるいは冷凍庫で保管され、輸血を必要とする患者さんへ必要最小限の成分が輸血されます。
赤血球成分は2~6℃の冷蔵庫で保管管理され有効期間は28日間です(写真3)。血小板は20~24℃で保管管理され、有効期間は4日間(写真4)、また血漿は-20℃以下で保管管理され、有効期間は1年間です(写真5)。
1696579235844【写真3】
赤血球液-LR(RBC-LR)
1696579289552【写真4】
濃厚血小板-LR(PC-LR)



1697434020654【写真5】
新鮮凍結血漿-LR(FFP-LR)


内視鏡センター

内視鏡センターにおける消化器内視鏡技師の役割

内視鏡センターは医師、看護師、内視鏡技師と多職種のスタッフが協働して運営をしております。そのためスタッフ間の調整・統制が大切で常にコミュニケーションを密にする事を心掛けています。
内視鏡技師の主な業務は下記の4種です。

内視鏡機器・処置具の管理

内視鏡機器が故障することなく安定供給するための機器管理は内視鏡技師の基本的な業務です。また、内視鏡治療の多様化でアイテム数が増加する処置具の管理も重要性が増しています。

内視鏡の洗浄消毒

内視鏡の感染管理を行う上で重要な業務です。「消化器内視鏡の感染制御に関するマルチソサエティガイドライン」等を厳守するため、洗浄室のレイアウト等の環境作り、洗浄消毒履歴の作成などに取り組んでいます。

内視鏡治療の助手

最近の内視鏡治療は適応範囲が拡大しているため、それに伴い技術的難易度も上がっています。治療の助手はスネアリングやガイドワイヤー操作など医師との協調作業が求められます。安全で円滑に内視鏡治療を行うため、内視鏡技師の役割が重要視されています。

内視鏡技師業務の教育

内視鏡技師業務の知識・技術の習得は時間を要します。配置転換の多い看護師はその習得が難しいだけでなく、指導者自身の技術力の保持も困難となります。そのため、配置転換のない内視鏡技師が教育することで内視鏡センター全体の技術力の安定に貢献しています。

全国的に見ても内視鏡技師の参加が安全な内視鏡検査・治療の提供に一定の効果を得ていると報告されています。今後も安全な内視鏡検査・治療を目指し取り組んでいきたいと考えています。

院内活動への参加

臨床検査の専門家として院内の様々なチーム医療(感染制御チーム、抗菌薬適正使用支援チーム、栄養サポートチーム、重症下肢虚血チームなど)に参加し、各職種と協働しています。