MRI検査室におけるクエンチについて

 クエンチとは、冷却用に液体ヘリウムを使用しているMRI装置の冷却トラブルなどによって液体ヘリウムが急速に蒸発し、ヘリウムガスへと気化し多量に放出されることで白い濃霧を引き起こす現象です(画像参照)。
万が一クエンチ現象が発生した場合は、クエンチ発生時の対応手順に従い対応します。


クエンチ画像※クエンチ発生時の画像
MRIのQ&A及び磁気共鳴画像診断装置施設の 安全基準クエンチ設備付属書参照
日本画像医療システム工業会規格
JESRA TR-0043-2018

クエンチ発生時の対応

【病院内】
1. MRI検査室内が陽圧になっているため、排気ファンを作動し、MRI検査室内の扉を開放します。

※検査室内が陽圧になっている際の扉の解放は、扉に圧がかかっている事(扉が重い事)を念頭にいれて開放します。万が一扉が開かない場合は、操作室の窓ガラスを割り、MRI検査室内の開放を行います。

2. MRI検査中にクエンチが発生した際は患者さんを検査室外へ誘導します。
※患者さんに状態変化がある場合は院内緊急対応(コードブルー等)と同様に患者対応を行います。

3. MRI検査室酸素モニタの値の確認を行います。

※酸素モニタの値が17%以上であれば、酸素濃度計の院内警報を解除します。

【病院外】
1. MRI検査室外の排気口から排出されたヘリウムガスによって、通行人の凍傷等の事故が排気口付近にて発生していないか確認を行います。


2.  MRI検査室担当者または発見者は緊急連絡網に従い、関係各所への連絡を行い、適切な対応を行います。

(管理課、防災センター、機器メーカー、消防署、警察署など)