がんゲノム外来

当院は、2020年よりがんゲノム医療連携病院に指定されました。保険診療に基づいた、がん遺伝子プロファイリング検査(がん遺伝子パネル検査)の提出、結果のご説明が可能です。

「がん遺伝子プロファイリング検査」とは

がんは、さまざまな遺伝子の異常が積み重なることが原因で発生します。

これまでがんは、主にがんが発生した臓器(例えば、肺、大腸、子宮など)や、組織型(細胞の種類。例えば、扁平上皮がん、腺がんなど)により分類され、治療法の選択が行われてきています。しかし、一見同じように見えるがんでも、その「がん細胞」の遺伝子の変化は、患者さんごとに異なることがわかってきました。

がん遺伝子プロファイリング検査(がん遺伝子パネル検査)は、がんの原因となる可能性がある遺伝子について、がん組織を用いて、100種類以上の遺伝子の配列変化を一度に検査するものです。個々の患者さんのがん細胞にどのような遺伝子変化が起きているかを調べることで、その患者さんに合った治療法を探ります。
※提出条件に合う腫瘍組織を準備できない場合、採血での提出ができるようになりました。詳しくは担当医にお問合せください。

具体的には、近年、がんの原因となる遺伝子の変化を標的として、その機能を制御する「分子標的薬」が次々と開発されており、この検査をすることにより、効果が期待できる「分子標的薬」があるかどうかを検討します。未承認の新しい薬剤や新しい治療法の臨床試験などに参加する際に役立つ情報となり、新たな治療法、治療戦略の開発につながる可能性もあります。

保険適用の対象となる患者さん

2019年6月より、2種類のがん遺伝子プロファイリング検査が保険収載となりましたが、全ての患者さんに保険適用されるわけではありません。当院では、保険診療に基づき検査を提出していますので、以下の条件を満たさない場合は、お受けすることができません。

  • 標準治療がない固形がん(原発不明がんや希少がんなど)、又は標準治療が終了となった固形がん(終了が見込まれるものを含む)の方
  • 全身状態及び臓器機能等から、本検査施行後に化学療法の適応となる可能性が高いと主治医が判断した方

ご自身が対象となるかどうかは、現在通院中の主治医にご相談ください。

検査の種類と費用について

当院から提出できる検査は、保険収載されているNCCオンコパネルとFoundation One CDxの2種類で、どちらか1つを選択し提出します。腫瘍組織の状態なども考慮し、外来担当医と相談して決めていただきます。料金はどちらの検査も同額で、56万円のうち1~3割負担となります。(高額療養費制度の対象です。)結果をお伝えするまでには、どちらも1ヶ月半~2ヶ月程度かかります。

【重要】検査を受ける際の注意点

  • 本検査を行っても、あなたのがんの診断や治療に有用な情報が何も得られない可能性があります。実際に、新しい治療を開始できる人は、検査を受けた人の10~15%程度です。

  • 本検査の結果、効果が期待できる薬剤があれば情報を提供しますが、その治療効果を保証するものではありません。

  • 本検査の結果、効果が期待される薬剤が見つかったとしても、国内で承認されていない、あるいは、あなたのがんに対して承認されていない薬剤の場合、薬剤の入手ができない、あるいは投与できない可能性があります。また、承認されていない薬剤を使用する際の治療費用は自己負担となります。

  • 本検査の結果、新しい治療法の臨床試験について情報提供することがありますが、参加を希望しても、必ず参加できるわけではありません。

  • 本検査の結果は、治療法を決めるための様々な情報のうちの1つです。主治医の判断よりも、この結果が優先されることはありません。

外来受診について

まずは、現在治療を受けている主治医に、検査についてご相談ください。

がんゲノム流れ

医療機関の方へ

  • ご紹介いただく前に、検査の適応についてご検討ください。

  • 医療機関から、当院の「がんゲノム外来」の予約申し込みをしてください。(電話、FAX、メールフォーム)
予約電話番号:045-949-7489  FAX:045-949-7137

予約メールフォーム

  • 以下を準備していただき、事前に送付してください。(間に合わない場合は、病理標本および検査結果は、当日持参も可)
所定の書式をダウンロードしていただき、正確にご記入ください。

送付先:昭和大学横浜市北部病院 臨床遺伝・ゲノム医療センター がんゲノム外来
□がんゲノム外来専用診療情報提供書(PDF
□【がんゲノム紹介患者用】患者基本情報提供用紙(PDF)(Word
□【がんゲノム紹介患者用】化学療法情報提供用紙(PDF)(Word
□検査提出用の病理標本および貴院の病理診断書コピー(チェックリストを参照)
□直近の採血結果・CT画像

  • エキスパートパネル(症例検討 専門家会議)が終了し結果報告の準備ができましたら、主治医の先生にご連絡致します。結果説明は当院がんゲノム外来で行います。