電子顕微鏡室研究設備

~電子顕微鏡とは

電子顕微鏡(Electron Microscope)は、電子線を用いることで光学顕微鏡をはるかに超える高解像度で試料を観察できる装置です。
細胞や組織の超微細構造からウイルス・タンパク質複合体といったナノスケールの構造まで観察が可能で、生命科学や材料科学の研究において不可欠な分析手法です。
主に試料表面の微細構造を観察する走査型電子顕微鏡(SEM)と、細胞内部の超構造を高倍率で観察する透過型電子顕微鏡(TEM)が使用されています。


~生命科学・医学研究における電子顕微鏡の有用性

生命科学・医学研究において電子顕微鏡は、病態の理解や診断技術の高度化、新規治療法の開発に重要な役割を果たしています。
細胞内小器官の形態変化、病原体の侵入や増殖過程、がん細胞や免疫細胞の構造的特徴など、分子レベルの現象を直接捉えることができ、
組織病理学、感染症学、腫瘍学、神経科学をはじめとした幅広い分野で利用されています。
特に近年では、3D電子顕微鏡技術による細胞内構造の立体再構築が進展し、生命現象の理解と創薬研究に大きく貢献しています。



透過電子顕微鏡


日立:H-7600
参照URL:https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/9912/1228a.html

運用・管理担当者:電子顕微鏡室 高木 孝士 教授

HITACHI H-7600は、120 kV電子銃を備えた透過型電子顕微鏡で、生物試料や材料試料に対応し、細胞超微構造、ウイルス、細胞内輸送構造などのサブナノ〜ナノスケール観察に適しています。安定した電子光学性能と多様な観察モードにより、病理学、腫瘍生物学、感染症研究など医学研究分野で信頼性の高い形態解析プラットフォームを提供します。
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低真空形走査電子顕微鏡 HITACHI FlexSEM 1000

参照URL:https://www.hitachi-hightech.com/jp/ja/sinews/new_products/5228/

運用・管理担当者:電子顕微鏡室 高木 孝士 教授

HITACHI FlexSEM 1000は、低真空観察に対応した走査電子顕微鏡で、非導電性試料を金属コート処理なしで観察可能な省スペース型SEMです。高分解能と高コントラストの画像取得ができ、生物試料、組織切片、細胞外マトリクス、材料表面、ナノ粒子など多様な試料に対応し、元素分析(EDS)との組み合わせによる構造・組成解析が可能です。操作性に優れ、試料準備の負担を軽減しながら、操作性に優れたインターフェースにより、初心者から熟練者まで効率的な観察が行えます。
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共焦点レーザー顕微鏡NIKON A1

参照URL:https://www.jp.nikon.com/company/news/2008/0130_a1_01.html


運用・管理担当者:電子顕微鏡室 家口 勝昭 講師

NIKON A1共焦点レーザー顕微鏡は、高感度検出器と高速スキャン機構を備えた高性能イメージングシステムで、細胞や組織内部の蛍光シグナルを高解像度かつ三次元的に観察できます。複数蛍光分子の同時観察、タイムラプス撮影、Zスタック取得に対応し、生細胞イメージングや細胞内動態解析、組織構造解析など生命科学・医学研究に広く活用されています。
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NanoZoomer
浜松ホトニクス


超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡
HITACHI SU8600

参照URL:https://www.hitachi-hightech.com/jp/ja/products/microscopes/sem-tem-stem/fe-sem/su8600.html

運用・管理担当者:電子顕微鏡室 高木 孝士 教授

SU8600は、超高分解能観察を可能にする電界放出型走査電子顕微鏡で、低加速電圧下でも高コントラスト画像を取得できます。ナノ粒子、細胞表面微細構造、ウイルス、組織の微細形態など多様な試料に対応し、EDSやBSE観察との組み合わせで、構造・組成解析を同時に行うことが可能です。生物医学研究から材料科学まで、先端的解析プラットフォームとして信頼性の高いデータを提供します。
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予約は<こちら>から。
※学内情報共有基盤へ移動します。




電子顕微鏡室利用案内

電子顕微鏡室使用者登録について

研究で電子顕微鏡室を利用される教職員、大学院生、研究生等は電子顕微鏡運営委員会に申請、登録をします。(電子顕微鏡室使用規約第1条参照)
使用者の資格は、透過、走査電子顕微鏡、共焦点レーザー顕微鏡およびその他の装置の中の一つを利用するのであれば使用者登録できます。
電子顕微鏡室利用は登録制(3年更新)になっています。
使用規則にある使用者の資格を満たす者が利用できます。

電子顕微鏡室の講習について

透過電子顕微鏡、走査電子顕微鏡、共焦点レーザー顕微鏡、バーチャル顕微鏡システムの使用者は、電子顕微鏡室運営委員会が承認した昭和大学電子顕
微鏡室が主催する講習を受けてください。講習後、使用が可能になります。
内容は、透過電子顕微鏡、走査電子顕微鏡、共焦点レーザー顕微鏡、バーチャル顕微鏡システムの操作方法に関する基礎的なものになります。
上記機器の使用者は講習会を登録期間中に必ず1回以上受講してください。
その他の装置は、利用機器の説明を受ければ使用できます。

機器の使用予約について

電子顕微鏡室を使用するには利用者間でのトラブル防止のためにも予約が必要です。
学内情報共有基盤からログインして、施設予約内の電子顕微鏡室機器予約で仮予約をおこなってください。
予約し承認をうけて利用してください。(予約承認制)
使用日に空きがある場合は、予約は可能です。節度をもって予約してください。
管理者業務時間(9:00~17:00)外での予約には認証に時間を要する場合があります。早めに予約をおこなってください。

機器の利用について

各付属装置の操作は、マニュアルの手順に従って使用してください。
使用後は必ず備え付けの使用ノートに記入してください。

使用機器のPCデータについて

使用機器PCに保存したデータは機器使用終了時に、使用機器PCよりデータ保存用PCへデータの転送をした後、各自ウイルスチェック済みの保存用媒体に
ダウンロードしてください。使用機器に残されたデータは定期的に消去されます。
電子顕微鏡室では、保存データの責任は負いかねます。

試料作製室の利用について

使用者登録者で、予約後に承認された方が利用できます。
感染症予防等で、人数制限がかかることがあります。必ず予約して承認を受けてください。
入室の際にはマスクの着用、手指の消毒、入り口で検温をしてください。
特にウラン、鉛、グルタール等の取扱いについては電子顕微鏡室の使用規則があります。
初めて使用される方は必ず管理者から使用方法の説明を受けてください。
他の人の迷惑にならないよう、使用後は丁寧に後片付けをしてください。

使用者登録申請について

使用者登録申請書は一人一枚です。
使用者登録申請書をダウンロードしてください。主任教授氏名欄には、署名か捺印が必要です。
使用者申請欄に、必要事項を入力して提出してください。
提出先:1号館1階総務課の電子顕微鏡室ポスト、1号館1階134号室電子顕微鏡室のいずれか。
使用者登録申請をされた方には、電子顕微鏡室より本登録の案内を、申請されたメールアドレス宛に送信いたします。
申請に使用するメールアドレスは、大学発行のアドレスに限ります。
現在登録していただいた場合、2027年3月末まで有効です。

使用者登録申請書ダウンロード

電子顕微鏡室使用規則

第1条 使用者

1)電子顕微鏡室使用者の資格
電子顕微鏡室を使用する教職員、大学院生及び研究生等は所属の主任教授を通し電子顕微鏡室運営員会に申請・登録した者でなければならない。
登録期間は3年毎とし、3年目の4月にすべての登録者を更新するものとする。
登録期間中での新規登録は、其の期間終了時(2024年3月末)までとする。

2)電子顕微鏡室機器使用者
電子顕微鏡室に設置してあるそれぞれの機器を使用するには、その機器の電子顕微鏡室が主催する講習を受けた者とする。(※それ以外の講習等での使用は不可)
電子顕微鏡室運営委員会が承認した電子顕微鏡室が主催する講習会を受けた者で、次に示す透過電顕、走査電顕、共焦点レーザー顕微鏡、バーチャル顕微鏡システムの使用者は、登録期間中において講習を1回以上受けることとする。
その他の機器は、使用する機器の説明を受けると満たされることとする。

3)その他
登録期間内であっても電子顕微鏡室運営委員会が利用者として不適切と判断した場合は登録を取り消すこととする。
※登録者が非登録者を電子顕微鏡室に入室させる際には、事前に管理者に届け出ることとする。

第2条 使用時間

電子顕微鏡室内に設置されている機器の使用には、管理者の許可を得たうえで、終日使用することができるものとする。
ただしこれらの機器を使用するには、必ず学内情報共有基盤の施設予約内電子顕微鏡室機器予約で予約し認証を必要とする。
(予約は第1条資格を有する登録者に限る)

第3条 電子顕微鏡室機器等の保守および管理

電子顕微鏡室内に設置されている機器の保守管理は、管理者に委任する。第1条の使用者が使用中に異常が生じた場合には、直ちに管理者に届け、その指示に従うものとする。

第4条 電子顕微鏡室機器等の始動および停止

電子顕微鏡室内に設置されている機器は、これを使用する者が始動および停止をおこなうものとする。
使用機器PCに保存したデータは機器使用終了後に、使用機器PCよりデータ保存用PCへ転送し、各自ウイルスチェック済みの保存用媒体にダウンロードする。
電子顕微鏡室では、保存データの責任は負わないことする。

第5条 電子顕微鏡室の作業

電子顕微鏡室での作業は、すべて所定の場所でおこなうこととする。
また作業に要する器具および試薬等は、共通のもの以外は使用者が用意し作業終了後は持ち帰るものとする。
デシケーター、冷蔵庫等に保管されている個人の試料等はその研究が終わり次第持ち帰るものとする。
使用者間でのトラブル防止のため、デシケーター内、冷蔵庫内は定期的に管理者が整理(廃棄)することとする。
電子顕微鏡室では以上について責任は負わないこととする

第6条 電子顕微鏡室にある法規による試薬

電子顕微鏡室のウラン、鉛、グルタールについては、勝手に持ち出すこと、廃液として流し台等への廃棄することはできない。
またこれらの試薬は環境へ悪影響をおよぼすため、必ず管理者から使用方法の説明を受けるものとする。

第7条 電子顕微鏡試料作製試薬および消耗品

使用者共通の試薬および消耗品は、管理者の許可を得て使用するものとする。

第8条 電子顕微鏡室内の飲食、その他

一部の許可されたところ以外での飲食や、他の使用者へ迷惑をおよぼすようなことは禁止する。また飲食物の容器等は、各自持ち帰るものとする。
他の使用者の迷惑を及ぼすような行為言動は禁止する。

附則

1. この電子顕微鏡室使用規則は、2021年度4月1日から施行する。
2. この規則に違反した者は、使用者の登録を取り消す場合がある。
3. この規則は、常に電子顕微鏡室の使用状況を踏まえ、電子顕微鏡室運営委員会の議によって変更される。

電子顕微鏡室管理責任者

髙木 孝士
Mail:takaki@med.showa-u.ac.jp

お問い合わせ先
昭和大学 電子顕微鏡室
〒142-8555 東京都品川区旗の台1-5-8 1号館1階134
TEL:03-3784-8056/FAX:03-3784-8057
Mail:em-lab@med.showa-u.ac.jp
担当 遠藤(えんどう)