生化学講座

 講座員   講座紹介   研究内容

講座員

常勤職員

役職氏名name
教授前濱 朝彦Maehama Tomohiko
准教授金山 朱里Kaneyama Shuri
准教授宮崎 拓郎Miyazaki Takuro
講師森戸 大介Morito Daisuke
講師原口 省吾Haraguchi Shogo
助教宮内 彩Miyauchi Aya
助教折井 みなみOrii Minami
ポストドクター税田 英一郎Saita Ei-ichiro
ポストドクター田辺 桃子Tanabe Momoko
研究補助員江藤 澄恵Eto Sumie
研究補助員會退 詩央莉Ainuki Shiori

講座紹介

生化学講座では様々な疾患の原因となる分子をつきとめ、疾患のメカニズム解明や治療法の開発を行っています。私達が現在着目している疾患には、がん、リボソーム病、肥満症、肝不全、動脈硬化症に代表される生活習慣病、もやもや病、加齢性皮膚疾患、うつ病などがあります。モデル動物を使ったこれら疾患の原因究明や治療薬の開発、生化学、分子生物学、細胞生物学を利用した研究手法に興味がある方は是非ご連絡ください。

研究内容

リボソーム異常によるp53活性化のメカニズム解明と病態モデルの開発
p53はヒトがんで最も変異が見つかる頻度が高いがん抑制遺伝子です。近年ではリボソームの異常によるp53活性化経路が新たに発見され、その分子メカニズムの解明が待たれています。私達はPICT1と呼ばれる分子がこのp53活性化経路で中心的な役割を担うことを見出し、現在ではその分子メカニズム解明を進めると共に、リボソーム異常を原因とする疾患であるリボソーム病の病態解明を進めています。
 
がん抑制遺伝子PTENの制御メカニズム解明と抗がん薬開発
PTENは神経膠腫や子宮内膜がんで特に高頻度で変異が見つかるがん抑制遺伝子です。私達は次世代シークエンスを利用した全ゲノムスクリーニングからPTENの制御に関わる分子群を新たに見出し、その分子メカニズムの解明とそれらを標的とした抗がん薬開発を進めています。
 
選択的スプライシングを基点とした生活習慣病発症機構の解明
これまでスプラシング因子の機能異常は、主に希少な遺伝性疾患や発がんの原因になると考えられてきました。近年我々は、動脈硬化病変のマクロファージにおいて、スプライシング因子の一つであるCWC22が制御不全に陥り、同疾患の発症原因になり得ることを解明しました。現在同様の現象が他の生活習慣病でも検出されるか、独自の遺伝子改変マウスの樹立やマルチオミクス解析を通して検討を進めています。
 
細胞内タンパク質プロセシング経路を標的とした生活習慣病の治療戦略
細胞内のタンパク質分解酵素の一部は、タンパク質のプロセシングを通して、標的分子を構造的・機能的に修飾することが知られています。本研究では、タンパク質限定分解酵素の一種であるcalpainファミリーについて、動脈硬化症や網膜症に代表される血管系疾患、ならびに脂肪肝や肥満症などの代謝性代謝において包括的な解析をおこない、ユニークな治療応用の確立を目指します。
 
もやもや病の原因・メカニズム解明と治療法開発
もやもや病は日本人に比較的多い稀な脳血管疾患です。脳の血管が狭くなることで脳血流が低下し、脳虚血、脳梗塞、脳出血などにつながります。長い間、原因不明とされてきましたが、遺伝解析により責任遺伝子ミステリン(別名RNF213)が特定されました。私たちはミステリンの分子クローニング(遺伝子を物質として取り出すこと)に世界で初めて成功し、ミステリンがもやもや病を引き起こす仕組みの解明に取り組んでいます。
 
皮膚局所内分泌系の理解による加齢性皮膚疾患の治療法開発
皮膚機能は性腺・副腎由来のホルモンと皮膚局所で合成されたホルモン、双方の協調的な働きにより制御されています。しかし、加齢に伴う性腺機能の低下は皮膚局所内分泌系の機能を変容させ、様々な加齢性・難治性の皮膚疾患の発症に関わります。私達は新規ヒト皮膚ホルモンの発見や皮膚幹細胞の機能制御に関わる新たな分子の発見に基づき、加齢性皮膚疾患の病態解明・治療法開発を進めています。
 
神経ステロイド・アロプレグナノロンの作用機序解明によるうつ病の病態解明
脳内で合成されるステロイドは神経ステロイドと呼ばれ、他臓器で合成されるステロイドと比べると水酸化や硫酸化がすすんだ特徴的な構造を持ちます。最近、神経ステロイドのひとつであるアロプレグナノロンが産後うつ病の治療に有効であることが明らかになりましたが、その作用機序は不明です。私達はアロプレグナノロンの作用機序を明らかにすることで、産後うつ病をはじめとしたうつ病の病態解明を進めています。


Topに戻る