医学部概要

学部長あいさつ

医学部長 小風 暁昭和大学 医学部長 小風 暁

本学の前身である昭和医学専門学校の開学とともに歩みを始めた医学部は昭和、平成にわたり、多くの医師を社会に送り出して参りました。令和となったこれからも、学是である『至誠一貫』を体現できる医師を一人でも多く養成していきたいと思います。
本学部の学生は卒業時に、「プロフェッショナリズム」、「コミュニケーション能力」、「患者中心のチーム医療」、「専門的実践能力」、「社会的貢献」、「自己研鑽」、「アイデンティティー」の7つの基本的能力を身につけていることが求められます。このことは7つの基本的能力を身につけた学生に学士(医学)の学位を授与し、卒業を認定するということを意味しています。

『至誠一貫』の精神に基づき、人間性豊かな患者中心の医療を実践できる医師になるためには、「プロフェッショナリズム」の涵養が極めて重要であると考えます。このため「プロフェッショナリズム」教育を6年間のカリキュラムを貫く支柱の一つとして位置づけています。
チーム医療教育の充実は医療系総合大学である本学の特色の一つであります。4学部の教員自身も連携・協働して実習を担当し、「患者中心のチーム医療」を担う能力の育成に取り組んでいます。

診療参加型臨床実習を行う7つの本学附属病院は合せて3,000床以上の病床を有するとともに、専門性の高い教員が数多く配属されており、「専門的実践能力」の養成に最適の場であると考えています。また、地域医療実習において地域医療を実際に体験することで「社会的貢献」の精神の養成に努めています。
医学・医療の進歩は日進月歩であり、講義・実習で修得できる知識・技術には限界があります。興味の幅を広げ、深い知識を獲得しようとする「自己研鑽」の姿勢が不可欠です。カリキュラムも能動的学修、すなわちアクティブラーニングを前提に編成されています。学生時代に生涯にわたる「自己研鑽」の姿勢を身につけてもらいたいと思います。

全寮制の下、歯学部、薬学部、保健医療学部の学生と同室で過ごす富士吉田キャンパスでの1年間は、「コミュニケーション能力」を向上させ、「患者中心のチーム医療」の担い手としての素地を養うことができます。また、寮生活のみならず、クラブ活動や学園祭など本学での学生生活のすべてを通して、「アイデンティティー」が形成されると考えます。
上記の7つの基本的能力に加えて「国際性」が養われるよう、海外の大学や医療機関で研修できる機会を設けていますので、積極的に参加することを希望します。
本学を志し、本学で医学を学んだ皆さんが、多様なニーズに対応できる良き医療人として羽ばたけるよう全力でサポートしたいと思います。

学部の特徴・理念

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医学部 教育目標
「至誠一貫」の精神のもと、真心と情熱を持って医学・医療の発展と国民の健康増進と福祉に寄与する人材を育成する。

  1. 質の高い患者本位のチーム医療を実践できる知識、技能および態度や習慣を身につける。
  2. 問題を的確に捉えて、主体的に対応し、解決する能力を身につける。
  3. 自己の知識、技能および態度や習慣を客観的に評価し、日々研鑽する能力を身につける。
  4. 共学する歯学・薬学・保健医療学部生との交流などを通じて、広い教養と豊かな人間性を身につける。
  5. 医学・医療の国際化に対応できる能力を身につける。
  6. 研究分野の発展に寄与できる創造性を身につける。
医学部 教育研究上の目的
医学部は、昭和大学の理念である「至誠一貫」の精神のもと、医学・医療の発展と国民の健康増進と福祉に真心を持って寄与する医療人の育成を目的とする。そのために以下の教育研究を展開する。

  1. 人間性豊かな患者中心の医療を実践する教育と研究の推進
  2. 優れた専門的能力の育成
  3. 学部連携チーム医療教育の推進
  4. 医療にかかわる問題の発見・解決能力の醸成
医学部 アドミッション・ポリシー
昭和大学医学部は「至誠一貫」の精神のもと、医学を通して医療の発展と国民の健康増進と福祉に真心をもって寄与する優れた人材を育成することを目的としています。
昭和大学医学部のカリキュラムを修得し、卒業時に求められる能力を達成できる学生として、日々の学修と多様な経験の中から以下の能力を身に付けている人を求めます。

  1. 医師となる明確な目的意識と情熱を有する人
  2. ディプロマポリシーを教育目標とする本学に対する明確な志望動機を有する人
  3. 中等教育の学業において、数学や理科(物理、化学、生物)などの自然科学と英語の基礎知識を持ち、国語、社会も幅広く履修した人
  4. 他者を理解し、思いやりの心を持てる人
  5. 人とかかわることに関心を持ち、基本的なコミュニケーション能力を有する人
  6. 知的好奇心にあふれ、新しい分野に積極的に挑戦できる人
  7. 地域での医療や国際的な医療活動に興味を持つ人
  8. 1年次の全寮制共同生活・学修に積極的に取り組める人
医学部 カリキュラム・ポリシー
ディプロマ・ポリシーを達成するため、体系的で、段階的・横断的なカリキュラムを全学年にわたって構築しています。
臨床実習は本学附属病院とともに、学外医療施設でも実施します。
カリキュラム(教育課程) 策定方針を以下に列挙します。

  1. プロフェッショナリズム
    医師としての責任感、倫理観、ヒューマニズムを醸成するための授業科目(医療現場での体験実習を含む)を1年次から各学年で開講する。医療安全に関わる授業科目は2年次から、法規・規範を理解するための授業科目は3年次に開講する。 授業で培った責任感と倫理観をもって人間性豊かな医療を実践する態度を身につけるため、4年次後期から医療現場で診療参加型臨床実習を行う。
    知識に関する評価は筆記・口頭試験、態度を加えた評価はポートフォリオ、レポート、ルーブリック等を用い、成長過程も合わせて評価する。

  2. コミュニケーション能力
    1年次は寮生活、初年次体験実習(在宅・福祉施設訪問等を含む)、学部連携科目などを通して多様な背景を持つ人々と良好な人間関係を構築する。2年次からは、患者・家族、 医療スタッフなどと適切に対応し、判りやすい言葉と適切な態度で情報の収集・提供する能力を修得するために、コミュニケーシ ョンに関わる演習、PBLチュートリアルなどの参加型学修を行う。3年次後期からは、模擬患者とのロールプレイ実習を行なう。4年次後期から6年次前期まで、附属病院の病棟や外来で患者や家族との面談および他学部学生、多職種との連携を実践する多様な臨床実習を行う。
    これらの評価は、レポート、ポートフォリオ、ルーブリック等を用い、成長過程も合わせて評価する。

  3. 患者中心のチーム医療
    体系的な学部連携カリキュラムを全学年で構築する。1年次はチーム医療の基本を理解し、学生間の連携・協力の基盤を身に付けるために、寮生活のもと、多様な学部連携科目を開講する。 2~4年次は、多職種間の相互理解と連携・協力をもとに、チーム医療を実施するシミュレーションとして、段階的に構成された学部連携PBLチュートリアルを各学年で開講する。4年次末~6年次には、患者中心のチーム医療を、医療現場で実践する能力を身に付けるため、附属病院・ 地域医療施設での臨床実習を行う。
    チーム医療に求められる知識、技能、態度の評価は ポートフォリオ、レポート、ルーブリック等を用い、成長の過程も合わせて評価する。

  4. 専門的実践能力
    基礎医学(体の構造や機能、疾患の要因などの学修)は、1年後期から4年までの講義と実習で学修する。臨床医学(疾患の診断と治療)の基本的知識は、2年後期から4年前期まで、体系的に講義科目で学修する。また、4年後期~6年次には、臨床実習と並行し、総合的な医療知識を講義科目でも学修する。臨床医療に必要な基本的技能は、3年後期および4年前期に、スキルスラボや附属病院などで、シミュレータを用いるなど実践的な環境で学修する。3年次の「臨床医学演習」では、グループ討議によるPBLチュートリアルで、基本的な疾患の臨床推論と検査・治療計画の立案のプロセスを学修する。臨床実習は、4年後期には内科(9週)、外科(6週)、小児科(2週)、産婦人科(2週)の計19週、5年次にはそれ以外の12診療科(各2週)で計24週、大学附属の7病院をローテーションして、ベッドサイドで診療チームの一員として参加して学修する。5年次12月から6年次6月まで、さらに臨床能力を深めるため選択的診療参加型臨床実習を4週間ずつ7期にわたり実施する。なお、本実習では海外を含む学外医療機関を選択できる。
    これらの評価には、筆記試験、口頭試験、実習での態度、ポートフォリオ、レポート、ルーブリック等を用い、成長の過程も合わせて評価する。なお、知識レベル については2~4学年の定期試験、4学年の共用試験CBT、4~6学年の総合試験、および卒業試験により総括的評価を行う。医師としての基本的技能・態度は4年次の共用試験OSCE、6年次の臨床実習終了時OSCEで評価する。

  5. 社会的貢献
    社会医学として、衛生、公衆衛生については、2年後期、3年前期に、法医学については3年前期、4年前期に、それぞれの講義と実習で学修する。地域医療実習は、1年次の初年次体験実習、3年次の地域医療実習として地域の医療機関での見学実習を行う。5年次には3年次と同じ地域医療機関で改めて実習を行ない成長過程を確認する機会とする。6年次には在宅医療を学修する学部連携地域医療実習を選択できる。
    これらの評価には、筆記試験、口頭 試験、実習での態度、ポートフォリオ、レポート、ルーブリック等を用い、成長の過程も合わせて評価する。なお、知識レベルについては各学年の定期試験、総合試験、卒業試験により総括的評価を行う。

  6. 自己研鑽
    PBLチュートリアル、基礎及び臨床実習で、論理的、批判的に問題を解決する能力を身につけるとともに、省察と適切なフィードバックによって生涯にわたる自己研鑽の土台を作る。また、3・4年次の医学英語で英文論文から最新の知識を得る能力を修得する。国際的視野を身に付けるため、全学年で海外の連携大学や医療機関に一定期間、語学研修と臨床実習を選択することができる。希望者は学部学生のうちから大学院のカリキュラムを選択し、高度な医学知識、研究技法などを学修することができる。
    これらの評価には、実地試験、レポート、ポートフォリオ、ルーブリック等を用い、成長の過程も合わせて評価する。

  7. アイデンティティー
    全学年にわたって実施する4学部連携教育やアイデンティティー教育により、本学の伝統や特長を認識し、昭和大学卒業生としてのプライドを持って、医療に貢献する医師を養成する。
    評価は口頭での確認やポートフォリオ等を用い、成長の過程も合わせて評価する。
医学部 ディプロマ・ポリシー
「至誠一貫」の精神のもと、医学・医療の発展と国民の健康増進と福祉に真心を持って寄与する人材を育成することを目的としています。
この目的を達成するためのカリキュラムを履修し、定められた修業年限の中で以下に関する基本的能力を身につけた者に学士(医学)の学位を授与します。

  1. プロフェッショナリズム
    • 人間性豊かな患者中心の医療を実践する責任感と倫理観を有する。
    • 患者ならびに患者家族に対して、真心・誠意を持って接する。
    • 医療を実践するための法律やルールを遵守し、医療安全に配慮する。

  2. コミュニケーション能力
    • 相手を思いやる真心を持ち、広く良好な人間関係を構築することができる。
    • 自分の考えをわかりやすく言語や態度で正確に伝えることができる。
    • 患者や家族、医療関係者などとの間で情報の収集と提供を適切に行うことができる。

  3. 患者中心のチーム医療
    • 医療をともに担う多職種の職能を理解・尊重して、良好な人間関係を構築し、患者に関わる情報を共有できる。
    • 多職種と連携・協力しながら、患者中心の医療を実践できる。

  4. 専門的実践能力
    • 基礎医学・臨床医学の幅広い知識と技能を有し、適切な医療面接、基本的診察技法、臨床推論、検査・治療計画の立案などの科学的根拠に基づいた医療を実践できる。

  5. 社会的貢献
    • 社会医学の幅広い知識を有し、公共の福祉に寄与できる。
    • 地域医療に参加し、地域住民の健康回復・維持・向上に貢献できる。

  6. 自己研鑽
    • 論理的、批判的に問題を解決する能力を身につけるとともに、国際的視野を持って最新の知識や技能を生涯にわたって獲得する意欲と態度を有する。
    • 医療における自らの行動を常に省察して、自らの向上に努める。

  7. アイデンティティー
    • 昭和大学の伝統を重んじ、その名誉を高めるために全力を尽くす。