助産学専攻科概要

助産学専攻科長あいさつ

助産学専攻科長 下平 和久

助産学専攻科長 下平 和久

昭和大学助産学専攻科に興味を持ち、この文章に目を止めていただき有難うございます。

現代の助産師は、妊娠、出産のスペシャリストであるのは当然として、出生前、幼児期、思春期、性成熟期、更年期、老年期と言う、女性のライフステージ全体に積極的に関与し、さらに妊娠・出産を通して次世代の健康まで考える、いわば女性の健康のトータルアドヴァイザーです。

本専攻科では、思春期の性教育に実地に参加したり、更年期の心理テストを自分で行ったりして、女性の健康について様々な角度から学ぶカリキュラムが整っています。

もちろん、助産実習も他に類を見ない充実したものです。本専攻科は、本学附属の4つの大学病院で実習を行います。これらの病院はいずれも年間800件~1,200件の分娩を取り扱い、優れた周産期の実績を上げています。正常分娩の数も多く、毎年多くの妊婦さんに、専攻科生の実習に快くご協力いただいています。

昭和大学病院は、MFICU9床、NICU15床を中核とした総合周産期母子医療センターとしての設備を持つだけでなく、救命救急科と連携した日本母体救命システム普及協議会(J-CIMELS)の発信地でもあります。さらに、「母体救命対応総合周産期母子医療センター」(いわゆる「スーパー総合周産期センター」)として、合併症妊婦救急に全科横断で対応しており、日本における産科救急の一中心地と言って過言ではないと思います。また、NIPT(無侵襲的出生前遺伝学的検査)や超音波胎児ドックに代表される出生前診断においても日本の最先端を走っております。小児循環器・成人先天性心疾患センターと連携して、出生前診断された児の心疾患治療にも対応しています。

昭和大学横浜市北部病院は港北ニュータウンの中心にあり、地域周産期母子医療センターとして、子どもセンター、NICUと密接な関係を保って高度な周産期医療を行っています。さらに、マタニティハウスを擁してアメニティ重視の分娩を積極的に行い、さらには助産師主導の妊娠分娩管理にも取り組んでいます。NIPTや超音波胎児ドックについても、昭和大学病院とともに主導的な役割を担っています。

昭和大学藤が丘病院は、田園都市線沿線の中核病院であり、地域周産期母子医療センターとして活動しています。病棟は産科と婦人科の混合病棟で、妊婦だけでなく悪性腫瘍等の患者も積極的に受け入れ、総合的な看護能力を持った医療スタッフの教育に力を注いでいます。また、口唇口蓋裂センターと協力して、出生前診断された口唇口蓋裂の治療も行っています。

昭和大学江東豊洲病院は、2014年3月に開院したばかりの若い病院ですが、「女性とこどもに優しい病院」がキャッチフレーズで、ウォーターフロントに面し、銀座、お台場などの都心に隣接した病院です。分娩は全室LDRで、NICUを有し、新生児・未熟児医療に対応できる病院として、湾岸地区の周産期の中核となりつつあります。

このような4つの特色ある病院で、本学の特徴である「臨床教員」の指導の下、充実した臨床実習が行われます。「臨床教員」は、各病院の病棟スタッフであるとともに、助産専攻科の教員であり、専攻科、保健医療学部の専任教員と常に綿密な連絡を取り合い、専攻科での座学も分担して専攻科生の教育に万全の態勢で臨みます。

また、各病院の医師はすべて昭和大学産婦人科学講座の医局員で、助産スタッフと連携して専攻科生の実習のサポートにあたります。専攻科生は、分娩ごとに、助産スタッフのみならず、医師からもフィードバックを受けながら、充実した実習を行うことができます。このような、教育スタッフ、助産スタッフ、医師の連携の良さは、本専攻科のみならず、本学全体が誇るべきものであり、「至誠一貫」をモットーとする「医系総合大学」である昭和大学の特徴だと考えております。

このような恵まれた教育環境ではありますが、1年間という短期間で、助産実践能力を身につけ、自律した助産師になるためには並々ならぬ努力が必要です。強い意欲と熱い情熱をもった方の入学を期待致します。

このホームページを訪れた方は、オープンキャンパスなどで、是非とも昭和大学助産専攻科をご訪問ください。一緒にお話しすることで、皆様の輝かしいキャリア形成のヒントが得られるかもしれません。教員、学生、卒業生ともども、お待ちしております。

専攻科生・教員メッセージ

後藤さん 写真

専攻科生メッセージ

私は他大学看護学部を卒業して、本学に入学しました。助産学専攻科での日々は、驚くほどあっという間に過ぎていきますが、1日1日が濃く、仲間とともに切磋琢磨し、成長を日々実感できる素晴らしい毎日です。助産学生として成長することができる環境が整っている本学で、助産師としての一歩を踏み出し、これから出会うお母さんと赤ちゃん、その家族にとって、妊娠期から産褥期、育児期がいつまでもかけがえのない素敵な経験となるよう、自身の助産観を追求し、学習に励んでいきたいと思います。
                      助産学専攻科12期生

十時さん 写真

専攻科生メッセージ

私は保健医療学部を卒業後、助産学専攻科に入学しました。助産学専攻科では朝から晩まで毎日演習や授業があり大変ですがそれ以上に自分の成長を感じることができます。また、辛い日でも一緒に頑張ることができる大切な仲間に出会うことができました。少人数であることから一人一人に合わせた指導で自分の長所や課題に気がつくことができます。また、グループワークを通して視野を広げることで産婦さんに関わる上で必要な知識と技術を身につけています。対象者様にとって、お産が一生心に残る良い思い出となるよう日々勉学に励んでいます。
                      助産学専攻科12期生

助産学専攻科上田先生

教員メッセージ

専攻科教務主任 上田 邦枝教授

平成24年より昭和大学助産学専攻科が開設されました。産科医・小児科医が不足している現在、助産師は周産期医療を支える重要な存在です。さらに、医師の補助ではなく、助産師の自立性を高める大きなチャンスです。臨床現場に即した、助産診断能力と助産技術、そして女性と家族を対象とする広い視野と人間性を兼ね備えた助産実践能力を養い、今後の周産期医療の要となる人材の育成をしたいと考えています。
助産基礎教育における助産師のアイデンティティの形成にも力を入れており、学生と語らい、学生自らが助産師となることの喜びを表現できる、そんな教育を心がけています。みなさんの素晴らしい発想力や創造性を引き出せるよう全力でサポート致します。
限られた時間を有効につかい、共に充実した日々を送りましょう。 

臨床教員 佐藤 陽子
教員メッセージ

臨床教員 佐藤 陽子

昭和大学助産学専攻科には、4つの附属病院に7名の臨床教員が配置されていて、講義および実習を担当しています。そのため基礎的な助産診断能力や助産技術という助産基礎教育だけでなく、助産師としてのキャリアを考慮した卒後教育まで一貫して関わっています。
実習期間中は、臨床教員の主たる勤務地である実習施設(附属病院)において、実習指導者のみならず、病棟全体で学生を迎え入れ、臨床教員が学生の側で常にサポートをしています。臨床教員の看護実践を間近で見て学ぶことも可能です。充実した実習施設で情熱を持って働くわたしたちとともに助産師を目指し学んでみませんか?

助産学専攻科の理念

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助産学専攻科 教育目的
本学の教育理念である「至誠一貫」を基に、女性の全生涯を対象に、家族・乳幼児・地域社会も視野に入れ、女性の主体性を尊重したウィメンズヘルスを支援できる豊かな人格と教養を兼ね備えた人物を育成する。さらに、安全で質の高い助産ケアを提供し、医療・保健・看護・福祉の向上に寄与し、国内外に発信できる助産師を育成する。
助産学専攻科 教育目標
  1. 「至誠一貫」の理念を基に、対象や環境への温かい心と誠意を持ち、母子および家族や地域と、良好な信頼関係を基盤として、助産師としての機能を発揮することができる。
  2. 女性の生涯を通じた性と生殖の健康を支援する上で、助産師として多様な価値観を尊重できる能力を養い、ライフステージ各期の健康問題に対応することができる。
  3. ウィメンズヘルスにおける科学的根拠に基づく科学的思考により、適切な判断と実践をすることができる。
  4. 地域での母子保健のニーズを的確に捉え、医療・保健・看護・福祉のチーム医療に貢献できる姿勢と能力を身につけることができる。
  5. 日常生活を送る対象や乳幼児、家族を身体的・精神的・社会的に判断し、家族としての機能が十分に発揮できるような、コンサルテーション能力や技能を学び、教育や支援ができる。
  6. 自学自習を基に、医療・科学の進歩に対応できる高度で最先端の能力と専門的助産実践能力(知識・技術・人間性)を身につけることができる。
  7. 国際化する社会において、さまざまな文化を積極的に受け入れる柔軟性を持ち、助産師の専門性を追求しながら、国際的視点を身につけることができる。
  8. 助産師としてのアイデンティティを追求し、自律した専門職業人として、未来へ向けての助産学の発展をめざすと共に、実践能力の維持・向上のために自己啓発することができる。
  9. 研究分野の発展に寄与できる創造性を身につけることができる。
昭和大学 アドミッションポリシー
  1. 常に真心を持って人に尽くす意欲と情熱のある人
  2. チーム医療を担うための協調性と柔軟性のある人
  3. 医療や健康に関わる科学に強い興味を持つ人
  4. 自ら問題を発見し解決すべき積極性のある人
  5. 医療を通じた国際社会への貢献に関心のある人
  6. 1年次全寮制共同生活・学習に積極的に取り組める人
助産学専攻科 アドミッションポリシー(入学者の受入方針)
  1. 助産師になることを強く希望する人
  2. 日々進歩する医学、生命科学などの医療や健康に関わる科学を理解・適用するために必要な、科学的思考力の基本となる理系科目の基礎学力を有する人
  3. 医療を通じた国際貢献についても関心があり、外国語の基礎学力を有し、学習を続ける意欲のある人
  4. すべての学習の基本となる記述力、読解力などの文章能力を備えた人
  5. 助産学は“人間”を対象とした学問分野であり、出生前診断や生殖医療にも関わるため、豊かな人間性と倫理観をもっている人
  6. 人と関わることに関心を持ち、他者の意見を傾聴し、その気持ちを理解できるように努めることができる人
  7. 自己の意見を表現できる能力を持つために、課外活動、ボランティア活動、各種委員会等の活動を積極的に行い、コミュニケーション能力の基礎を学んできた人
  8. 社会に対し積極的に関わり、専門職としての役割を果たし、地域医療に貢献する意欲のある人
  9. 自己の心身の健康に留意し行動できる力を持っている人
  10. チーム医療への理解を深め、実践していく意欲のある人
助産学専攻科 カリキュラムポリシー(教育方針および特徴)
  1. 医学・歯学・薬学・保健医療学の医系の総合的な視点でウィメンズヘルスに役立つ支援内容が提供できる。
  2. 科学的根拠に基づいた助産診断・助産技術を提供できるよう基礎的診断能力の向上に努める。
  3. 女性の人権を基盤としたウィメンズヘルスを推進できる健康教育の知識と技術を提供するため、大学病院の助産師外来や院内助産所を活用する。
  4. 思春期から更年期・老年期など女性の生涯にわたる健康課題に対応できる視野を身につけるために、大学病院の外来や地域での活動を実践し、対象の個別性にあった保健指導・健康相談を学ぶ機会を提供する。
  5. 学生の主体性を重んじ、学習課題に取り組む授業形態を導入し、学生のアイデンティティを高めている。
  6. 医療・科学の進歩に対応できる施設で臨地実習できる等、実習環境や指導体制が確保されている。
  7. チーム医療を基盤として、他職種との相互理解と協働を推進する教育プログラムになっている。
  8. 研究分野への興味を深め、今後の実践研究に活用できるプロセスを学ぶ
助産学専攻科 ディプロマポリシー(修了証授与の方針)
昭和大学助産学専攻科では、建学の精神である「至誠一貫」の精神に基づき、対象への真心と誠実性を持ち、生命および女性の主体性を尊ぶ教育理念を根幹においている。
この精神に則り、助産学専攻科では以下のような能力を身に付け、かつ所定の単位を修得した学生には、修了が認定される(助産師国家試験受験資格を与える)。
  1. 所定の単位数を習得し、主体的な学習習慣を身に付けた学生。
  2. 助産の専門的な助産実践能力と共に、助産師としての基礎的能力を身につけた学生。
  3. 豊かな人間性と祟高な倫理観を培い、助産師としての役割と責務、また思いやりの心を持つ豊かな人間性を身に付けた学生。
  4. 高度化する周産期医療と共に、地域社会の母子保健に柔軟性をもって寄与する能力を身に付けた学生。
  5. 多職種と連携する知識と行動力を持ち合わせ、発展させていく能力がある学生。
  6. 知的好奇心を持ち、生涯にわたって助産師のアイデンティティを追求し、自己研鑚できる学生