社会健康薬学講座 薬剤疫学部門

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講座・部門紹介

研究室紹介

写真薬剤疫学部門 教授 
今井志乃ぶ
薬剤疫学とは、「人の集団における医薬品の使用とその効果や影響を研究する学問」と定義されます。臨床薬学の様に、患者個々に最適な薬物治療を推進することに対し、大きな集団での評価を行う点が特徴です。集団から、薬物治療の有効性、安全性、経済性に関わる情報を社会へ還元するために、疫学的な手法で研究を行います。
特に、近年利活用が盛んになってきた医療系ビッグデータにおいては、診療や診療報酬請求を一次の目的として作られたデータであり、情報は多岐にわたります。検査や診断、ケアやリハビリ、アドヒアランス、合併症、近隣医療機関との連携など数えきれない要因が、薬物治療の有効性と安全性に影響しています。我々の研究室では、このようなデータを利活用して研究を行っています。

教育の目標

- 薬物治療の変化を数値でとらえられる薬剤師・研究者の養成
- 社会のニーズと情報の変化を捉えられる薬剤師・研究者の養成
- 薬物治療に関する科学的根拠を創出できる薬剤師・研究者の養成
- 多様な社会の要請に従って医療系ビッグデータを適切な手法で評価できる薬剤師・研究者の養成

薬学部の学生さんへ

薬剤疫学部門では、3年生までに身に着けた知識で、臨床の疑問を研究計画に落とし込むことからスタートします。パソコンや統計ソフトの使い方を丁寧に指導します。臨床に出てからも、もちろん研究者になってからも有用な研究心を養います。

大学院を希望する方へ

薬剤疫学部門では、薬剤師、医師、看護師、PT、診療情報管理士など医療に従事する方々と共同で研究を行っています。東京医科歯科大学や、国立病院機構本部などの医療系ビッグデータを解析し、研究を進めていきます。研究計画の立案、各種統計ソフトの使用、論文作成までサポートしていきます。

沿革

2022年8月 社会健康薬学講座に薬剤疫学部門新設

研究テーマ

- 医療系ビッグデータを利活用した薬剤疫学研究
- - 抗悪性腫瘍薬の有害事象要因の検証
- - 抗凝固療法による有害事象要因の検証
- - 医薬品の使用実態への安全性情報の影響

- 医療系ビッグデータを利活用した臨床疫学研究
- - 高齢者のADL低下の要因の予測
- - Covid-19の感染患者の増加が救急医療に与える影響の検証

- 医療系ビッグデータを利活用した医療経済研究
- - 抗菌薬の耐性に関する経済への影響
※詳細は、研究業績参照

講座員

教員(専任)

役職 氏名 name
教授 今井 志乃ぶ Shinobu Imai
講師池谷 怜Ryo Iketani
助教谷 拓朗Takuaki Tani

研究業績

今井教授
Research Mapをご覧ください。

池谷講師
Research Mapをご覧ください。

谷助教
Research Mapをご覧ください。




2024年業績

原著論文・総説



学会発表


2023年業績

学会発表

・急性期脳梗塞患者におけるパレプラス®とビーフリード®の カテーテル関連血流感染発症率の比較
 濱田 美由, 谷 拓朗, 今井 志乃ぶ  日本社会薬学会41年会2023年9月9日

・乳癌患者に対する抗HER2薬トラスツズマブのバイオシミラー導入が 医療資源に与える影響について
 宮本 このみ, 谷 拓朗, 今井 志乃ぶ 日本社会薬学会41年会2023年9月9日



研究の公示

薬剤疫学部門が代表の研究
-処方カスケードによる医療費増大の可視化 -カルシウム拮抗薬とループ利尿剤を例に-(名城大学、熊本大学)

他の大学等と共同で行っている研究

-診断群分類の精緻化とそれを用いた医療評価の方法論開発に関する研究(東京医科歯科大学)

- DPCデータ認知症日常生活自立度とDASC21のバリデーション研究(東京健康長寿医療センター)

-日本のCOVID-19入院患者における臨床および医療経済的アウトカムの地域比較と医薬品適正使用の評価(東京薬科大学、国立病院機構本部)

研究計画書
お知らせ

-バンコマイシンとピペラシリン・タゾバクタム配合剤の併用による急性腎障害とそのリス ク因子・リスク回避方法に関する検討(国立病院機構本部、筑波大学)

-肝硬変患者のQOLの向上及び予後改善に資する研究(長崎医療センター、国立病院機構本部)

-静脈血栓塞栓症(VTE)患者の DOAC 延長治療による VTE 再発率の比較に関するレトロスペクティブコ ホート研究(東京薬科大学)

-脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血患者における、ファスジル塩酸塩水和物及びオザグレ ルナトリムの併用投与における有効性及び安全性の検討(東京薬科大学、東京医科歯科大学)

-急性期関節リウマチにおけるメトトレキサートと漢方薬併用の有効性および安全性の検討(東京薬科大学、国立病院機構本部)

-診断群分類の精緻化とそれを用いた医療評価の方法論開発に関する研究(東京医科歯科大学)

-医療需要や医師の働き方等の変化を踏まえた病院薬剤師の需要把握のための研究(帝京大学、東京医科歯科大学、国立保健医療科学院)