歯学部4年生 全身の医療面接実習をオンラインで行いました

歯学教育学講座

 歯学部におけるコミュニケーション教育は、口腔解剖学の野中直子准教授と地域連携歯科学のマイヤース三恵准教授を中心に、MIC(マイインフォームドコンセント)代表の佐伯晴子様をはじめとする模擬患者さんのご協力を得て、D2歯科医療コミュニケーション入門、D3 医療面接の基礎、D4基礎疾患を有する模擬患者との医療面接実習と、内容を徐々に臨床に近づけて段階的に実施しています。特にD4の医療面接実習は、「ヒトの病気」で学んだ基礎疾患の知識を歯科診療にどのように活かすかを考える授業でもあります。例年1グループ10名の学生がPBL室を利用して、他の学生が見ている前で、「高血圧」「不整脈」「狭心症」「糖尿病」「喘息」を有する模擬患者さんと1名ずつ9分間の医療面接を行う実習を行っています。個々の学生の実習の様子はビデオカメラで撮影録画して、電子ポートフォリオを介して配信して、自らの医療面接を映像で確認しながら振り返りを行っています。
今年度は学生のPBL室利用が禁止されている状況下で、Meetを活用してオンラインで医療面接実習を実施しました。オンライン実習の評価と指導は各教室から派遣された先生方に担当していただきました。学生は白衣を着て身だしなみを整えて自宅から参加し、模擬患者と教員はPBL室から参加して実習を行いました。歯科病院フォト係の岩野謙一郎さんには、オンラインでの音声や映像に関連して貴重なアドバイスをいただき、Meetで録画もしていただきました。本実習についてはこれから検証をしますが、一定の成果が得られたのではないかと思います。しかし、画面上の模擬患者に共感的態度が取りにくい、自宅で緊張感を持ちにくいため他の学生の医療面接を見学している学生の態度が悪い、などの問題点も明らかになりました。今後は社会情勢に応じて、対面実習とオンライン実習の利点を活かした実習形態なども柔軟に考えていきたいと思います。
D4全身の医療面接