奥茂敬恭助教が第33回日本疼痛漢方研究会学術集会で優秀賞を受賞

受賞・表彰#医学部

​奥茂敬恭助教(医学部生理学講座生体制御学部門)が第33回日本疼痛漢方研究会学術集会で優秀賞を受賞しました。日本疼痛漢方研究会は1988年8月に開催された「第1回痛みと漢方シンポジウム」に端を発し、痛みに関する漢方薬を用いた研究を通して、漢方薬治療の普及拡大を図り、医学と医療の発展に寄与することを目的としています。今回は東京コンファレンスセンター・品川およびWEBでのハイブリット開催となりました。このたび、「変形性膝関節症に対する防已黄耆湯の作用機序〜モデルラットを用いた基礎研究〜」という演題で奥茂助教は優秀賞を受賞しました。


奥茂敬恭助教のコメント

昨今、運動器の変性疾患は慢性疼痛疾患として分類されるようになり、臨床現場ではその治療に難渋する例が少なくありません。これまで膝関節外科医として患者さんの診療に携わってきましたが、「膝関節の外傷歴がある人は、その時に適切な治療を受けても、変形性膝関節症を発症し、手術療法が必要なまでに進行するリスクが高い」という事実に直面し、何とかしてその進行を抑制する治療法を提供したいという思いから、本研究をスタート致しました。
当教室の特徴の一つである東洋医学研究からヒントを得て、多くの方々のご理解・サポートにより、これまでの成果を報告する機会を頂けました。
東洋医学の歴史は長く、それは学問として実学そのものであります。今回、外傷後変形性膝関節症に対する疾患修飾薬として、漢方薬の可能性・有用性が拓けたような結果を得ることができて、私自身も驚いております。
今後も慎重に作用機序の解明に努め、将来的に多くの患者さんに還元されることを願っています。
image(左)砂川 正隆 教授、(中央)奥茂 敬恭 助教、(右)塚田 愛 講師