小原信講師が第6回日本老年医学会 老化および老年医学研究助成の対象者として選出

受賞・表彰#医学部

小原 信講師(医学部内科学講座糖尿病・代謝・内分泌内科部門)が、第6回日本老年医学会 老化および老年医学研究助成の対象として選ばれ、同学会から表彰されました。
この研究助成は、老年医学における基礎的、臨床的研究において、新知見の得られる可能性を持つ革新的な研究プロジェクトの発展促進を図ることを目的としています。
今回は、小原講師の研究「終末糖化産物を標的としたフレイルに対する包括的な治療手段の開発」を含め、3件が助成の対象として選ばれました。

小原信講師のコメント

このたび、第6回日本老年医学会 老化および老年医学研究助成の対象として表彰を受け、大変光栄に存じます。日本においては、1970年に「高齢化社会」に突入しました。その後も高齢化率は急激に上昇し、1994年に高齢社会、2007年に超高齢社会へと突入しました。今後も高齢者率は高くなると予測されており、2025年には約30%、2060年には約40%に達すると見られています。未曾有の高齢化社会を迎えつつある我が国において、健康長寿の足かせとなっているフレイルや寝たきり状態には、老年病である認知症、骨粗鬆症、サルコペニアなどが複合的に関与しております。また、これらのリスクとして生活・食習慣の欧米化やそれに伴う糖尿病や肥満、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病の蔓延が示唆されています。
今回我々は加齢、糖尿病、食・生活習慣の歪みによって促進的に形成・蓄積される終末糖化産物AGEsに着目し、老年病モデルマウスに対し、AGEsとその受容体RAGE(receptor for AGEs)を阻害するアプタマーを投与することによって、認知機能、骨密度、骨格筋量の低下や骨質の劣化が抑制し、高齢者のフレイルや寝たきり状態への進行を防ぐ新しい治療手段となりうるかどうかを明らかにすることを目的とする研究を行いました。そして、この研究に対して、日本老年医学会より研究助成を頂きました。2023年日本老年医学会学術集会にて発表、およびその年末までに成果報告提出予定です。
普段から研究を支えて下さる山岸昌一教授および森雄作准教授に心より御礼申し上げます。今後より一層、高齢者の患者さんの力になるべく臨床及び研究に邁進する所存です。


unnamed.jpg(Ohara)_補正済み小原信 講師