歯学部6年高橋夏大さんが重力と硬組織形成の関係を解明し、原著論文(英文)を発表

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高橋夏大さん(歯学部6年)の英語原著論文「Investigation of osteogenesis changes in medaka larvae reared in normal gravity, simulated-microgravity and hypergravity environments(通常の重力、模擬微小重力、過重力環境下で飼育したメダカ稚魚における骨形成変化の解析)」が日本宇宙生物科学会発行の国際誌『Biological Sciences in Space』に掲載されました。
 
高橋さんは歯学研究科のマルチ・ドクター・プログラムを履修し、歯学部歯科薬理学講座・薬理科学研究センターの茶谷昌宏講師〔専門:宇宙医学〕の指導のもとで約2年半に渡って研究を進め、第一著者として本論文を発表しました。(公開日:2021年9月1日、 BSS Vol. 35 pp. 24-31)

本論文は、骨や歯などの硬組織形成において重力が担う役割の解明を目的として、遺伝子組換えメダカを様々な大きさの重力下で飼育し、硬組織形成やそれに関与する細胞に生じた変化を解析したものです。この研究ではJAXAが開発した生体用遠心装置や微小重力装置を使用しました。研究成果は、硬組織形成メカニズムの理解を深めるとともに、骨への力学的負荷の減少に伴う骨密度の低下(骨粗鬆症など)の原因究明に役立つことが期待されます。

高橋夏大さんのコメント

このたび、自身の研究成果を英語の論文として発表できたことは、人生の中で最も嬉しい経験となりました。歯学部2年次の実習「研究入門」で基礎研究の面白さを知り、4年次
からMulti Doctorプログラム を履修して、本格的な研究が始まりました。歯学部の授業
や試験との両立はとても大変でしたが、メダカの稚魚を見ると手を抜くことはできず、休日も含めてほぼ毎日研究室に通いました。
まだ2年半という短い期間しか研究していませんが、歯科を含む生命科学に対する視野が大きく広がり、将来の進路を考える良い機会にもなりました。
これも歯科薬理学講座の高見正道教授や、実験と論文執筆を直接ご指導くださった茶谷昌宏講師のおかげです。そして貴重なご助言や激励をくださった歯科薬理学講座および薬理科学研究センターの皆様に心より感謝申し上げます。


高橋 茶谷 写真写真)左:高橋夏大さん 右:茶谷昌宏講師

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Biological Sciences in Space