澁谷勲兼任講師と高見正道教授が骨巨細胞腫の発生メカニズムを解明し、学会賞を受賞

受賞・表彰#歯学部

澁谷勲兼任講師(歯学部口腔生化学講座・帝京大学医学部准教授)と高見正道教授(歯学部歯科薬理学講座・薬理科学研究センター)が第29回硬組織再生生物学会学術大会・総会(2021年8月28日・Web開催)において、同学会では最高位の学会賞を受賞しました。澁谷兼任講師と高見教授は、10年以上にわたって骨巨細胞腫の発生メカニズムを研究し、その成果が高く評価され同賞に選定されました。

澁谷兼任講師・高見教授のコメント

骨巨細胞腫は、骨を吸収する破骨細胞と同じ性質をもつ多核巨細胞が腫瘍内部に多数発生し骨を破壊する疾患で、進行すると病的骨折や関節機能障害をきたします。
私たちは患者さんから摘出した腫瘍組織を用いて、腫瘍細胞に生じるヒストン遺伝子の変異をはじめ、多核巨細胞になる前の前駆細胞の性質やその腫瘍内局在、多核巨細胞形成誘導分子の発現分布などについて解析を進めてきました。
研究成果を論文(J Hard Tissue Biol, 29 (3) pp137-146, 2020)に発表してすぐ、海外の研究者から研究内容を賞賛するメールが届いたり、学会から今回の受賞の連絡が来たりと、思いも寄らない反響に驚いています。
骨巨細胞腫の薬物治療にはデノスマブという分子標的薬が有効ですが、再発しやすいこの疾患の根本的な解決には至っておらず、基礎と臨床の両面からさらに研究を進めていく必要があると考えています。

IMG_5082左:澁谷勲兼任講師、右:高見正道教授