須田 立雄 名誉教授が令和3年度文化功労者顕彰を受賞
受賞・表彰#歯学部
須田名誉教授は、基礎歯学・生化学の分野において、我が国の骨代謝研究を黎明期から支え、ビタミンDの代謝調節やその臨床応用等に取り組み、強力な生理作用を持つ活性型ビタミンDを構造決定し、骨粗鬆症の基本的な治療薬となる合成誘導体を考案しました。また、破骨細胞誘導因子ODF/RANKLを発見するなどの顕著な業績を上げ、斯学の発展に多大な貢献をした功績が評価され、このたびの受賞となりました。
須田名誉教授は骨代謝研究を対象に、生体のカルシウム代謝を調節する最も基本的な因子である『ビタミンD』に着目して研究を進め、強力な生理作用を持つビタミンD代謝産物である活性型ビタミンD(1α,25-ジヒドロキシビタミンD3)の単離と同定に成功しました。次いで、ビタミンDの代謝調節、作用のしくみ、その臨床応用に取り組み、須田名誉教授の考案した活性型ビタミンの合成誘導体(1α-ヒドロキシビタミンD3)は、高齢化社会への移行に伴い我が国でも激増している骨粗鬆症患者の基本的な治療薬となりました。さらに、須田名誉教授は活性型ビタミンDが破骨細胞誘導因子(ODF/RANKL)を誘導すること発見し、破骨細胞形成の分子メカニズムを解明しました。
なお、前記の主要な研究業績である活性型ビタミンDの合成誘導体(アルファカルシドール、商品名 アルファロール)の創薬(1981)、宇宙飛行士 毛利衛さんと行った宇宙実験(1992)、破骨細胞誘導因子(ODF/RANKL)の分子クローニング(1998)は全て昭和大学在任中に行った実験成果です。
【須田名誉教授の略歴】
昭和31年3月 東京大学教養学部教養学科終了昭和35年3月 東京医科歯科大学歯学部卒業
同 39年3月 東京医科歯科大学大学院歯学研究科博士課程修了
同 39年3月 歯学博士(東京医科歯科大学)
同 39年4月 東京医科歯科大学歯学部助手
同 43年2月 東京医科歯科大学講師
同 46年5月 東京医科歯科大学助教授
同 52年8月 昭和大学歯学部教授(平成12年3月まで)
平成9年4月 昭和大学歯学部長(同11年3月まで)
同 9年4月 昭和大学理事(同11年3月まで)
同 12年4月 昭和大学名誉教授
同 13年4月 埼玉医科大学教授(同18年3月まで)
同 13年4月 埼玉医科大学ゲノム医学研究センター副所長(同18年3月まで)
同 15年3月 パリ大学より名誉博士号を受ける(フランス)
同 17年4月 埼玉医科大学客員研究員(令和2年3月まで)
同 19年12月 日本学士院会員
須田名誉教授のコメント
この度は、文科省から文化功労者選出の通知を受けて大変驚いております。私は1977年から2000年までの23年間、昭和大学でお世話になりました。
今回の文化功労者選出の理由となった私の研究業績、活性型ビタミンDの合成誘導体(アルファカルシドール、商品名 アルファロール)の創薬(1981)、毛利衛さんと行った宇宙実験(1992)、破骨細胞誘導因子(ODF/RANKL)の発見(1998) はすべて私が昭和大学在任中に行った実験成果です。
昭和大学在任中お世話になった共同研究者の皆様方、小口勝司理事長をはじめとする昭和大学の皆様に厚く御礼を申し上げます。今回の私の文化功労者選出がこれから医学・歯学・薬学・保健医療学の道を目指す若人の励みになればこれに勝る幸せはございません。
今回の文化功労者選出の理由となった私の研究業績、活性型ビタミンDの合成誘導体(アルファカルシドール、商品名 アルファロール)の創薬(1981)、毛利衛さんと行った宇宙実験(1992)、破骨細胞誘導因子(ODF/RANKL)の発見(1998) はすべて私が昭和大学在任中に行った実験成果です。
昭和大学在任中お世話になった共同研究者の皆様方、小口勝司理事長をはじめとする昭和大学の皆様に厚く御礼を申し上げます。今回の私の文化功労者選出がこれから医学・歯学・薬学・保健医療学の道を目指す若人の励みになればこれに勝る幸せはございません。
