冨岡幸大助教が第16回肝臓内視鏡外科研究会で優秀演題賞を受賞

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冨岡幸大助教(医学部外科学講座消化器一般外科学部門)が第16回肝臓内視鏡外科研究会(2022年11月23日:福岡国際会議場)において「手術支援人工知能システムを用いた腹腔鏡下肝切除術の実際とその展望」について発表し、全130演題の中から2演題選出された優秀演題賞を受賞しました。
冨岡助教は、腹腔鏡下肝切除術の肝臓離断中に出現する脈管を認識し着色表示するAIシステム構築を行い、その現状と展望について報告しました。

冨岡幸大助教コメント

肝切除において肝臓離断中に突如出現する静脈やグリソン鞘を正確に認識し、損傷することなく適切に処理する事が重要です。近年発展を遂げている腹腔鏡下肝切除術では開腹手術と比較し触覚が欠如するため、術者の脈管構造物の視認不足や認識不足が原因となり、重篤な出血や胆汁漏の原因となる脈管損傷を誘引することがあります。
今回、その格差是正を目的した肝臓離断中の脈管構造を認識する視覚支援人工知能(AI)システムの開発・構築を行い報告いたしました(共同開発社:アナウト株式会社)。手術視覚支援AIは近年注目されていますが、肝臓領域におけるAI構築は当講座青木武士教授の発案による世界初のプロジェクトであり、青木教授、田代良彦講師とともに注力しております。現状は、離断中に出現した脈管をAIが認識しモニターに色付け表示し、術者の認識を補助する段階です。今後は合併症減少へ寄与するために脈管認識精度を高めるとともに、構造物出現予測機能の構築や、ICG蛍光イメージングや非可視光技術、3-Dイメージ、ロボットなどのテクノロジーとの融合により、臓器別に色分け表示するColor-coded surgeryの実現へ向け開発を継続いたします。
最後に、本研究を牽引してくださる青木教授、田代講師をはじめ、消化器・一般外科、消化器内科の先生方、手術や術後に関わる麻酔科の先生方、手術室および病棟スタッフの方々、アナウト株式会社のみなさまに感謝申し上げます。
冨岡助教左から田代良彦講師、青木武士教授、冨岡幸大助教
冨岡助教2授賞式の様子