薬学研究科の丸山真一さんが日本薬学会第143年会で学生優秀発表賞を受賞、同研究論文が学術雑誌の表紙に選定

受賞・表彰#薬学研究科

薬学研究科4年の丸山真一さん(生体分析化学専攻、済生会横浜市東部病院薬剤部)が、日本薬学会第143年会(3月25日~28日:北海道大学)において、『HPLC-UVを用いた血漿中カボザンチニブの定量法の開発』というテーマで発表し、学生優秀発表賞(ポスター発表の部)を受賞しました。
また、同研究論文が、『Biomedical Chromatography』2023年37巻5号の「Featured Cover」に選ばれ、研究の概要を示すイラストが同号の表紙を飾りました。 

丸山真一さんのコメント

この度は、日本薬学会第143年会において学生優秀発表賞(ポスター発表の部)という素晴らしい賞をいただき、また、本研究論文が、『Biomedical Chromatography』2023年37巻5号の表紙に選出され、大変光栄に存じます。
経口分子標的薬であるカボザンチニブは、腎細胞癌に対する有効な治療薬として臨床で使用されていますが、副作用が多く、患者さんが服用を継続するためには、副作用のコントロールが非常に重要となります。経口分子標的薬の中には、スニチニブのように血中濃度と治療効果や副作用の相関が明らかになり、TDM(薬物血中濃度モニタリング)検査が診療報酬の対象になっている薬物もありますが、現時点でカボザンチニブはデータが十分に集まっていません。
本研究では、高速液体クロマトグラフ(HPLC-UV)法を用いた血漿カボザンチニブの測定法を開発し、開発した測定法がカボザンチニブ服用中の腎細胞癌患者の血中濃度測定に応用できることを明らかにしました。
今後は、カボザンチニブの血中濃度と治療効果および副作用の関係性を明らかにすることで、最大限の治療効果を保ちつつ、重篤な副作用を回避できるような投与設計法を確立したいと思います。
本研究の遂行にあたり、日頃よりご指導ご鞭撻を賜りました加藤大教授をはじめ、生体分析化学部門の先生方にこの場をお借りして御礼申し上げます。

 
丸山真一さん、加藤教授_968×800(左から)丸山真一さん(薬学研究科4年)、加藤大教授(薬学部基礎薬学講座生体分析化学部門)
表紙表紙を飾った『Biomedical Chromatography』2023年37巻5号