平塚克洋講師が日本看護研究学会2022年度奨励賞を受賞

受賞・表彰#保健医療学部

平塚克洋講師(保健医療学部看護学科)の原著論文が一般社団法人 日本看護研究学会 2022年度奨励賞を受賞しました。同賞は、『日本看護研究学会雑誌』に発表された論文の中で、独自性があり、将来に発展が期待される論文に対して授与されるものです。
[論文情報]
・掲載誌:日本看護研究学会雑誌,44(1),73-85, 2021.
・論文名:自己肝にて生存する思春期・青年期胆道閉鎖症患者が自ら療養生活を整えていくプロセス
・著者:平塚克洋
・DOI: https://doi.org/10.15065/jjsnr.20200805098
 

平塚克洋講師のコメント

今回の受賞に際し、ご指導ご協力を賜りました皆様に厚く御礼申し上げます。
この論文では、これまでの研究では病気や治療の曖昧さや生体肝移植の可能性に翻弄されると考えられてきた、自己肝にて生存する思春期・青年期胆道閉鎖症患者が能動的に自らの療養生活を整えていくプロセスを報告しました。研究参加者の方々は、生後間もなく胆道閉鎖症に罹患し、思春期・青年期に至ってもなお、「いつ肝移植が必要になるか分からない」「いつか親から肝臓(の一部)をもらうのかも」という経験をしており、自分の生活や将来に向き合う難しさを抱えています。一方、看護師や移植コーディネーター等の専門職者も、生体肝移植に関わる倫理的問題から介入に躊躇していると言われてきました。論文の成果として、患者の自己変換・自己成長のための能動的プロセスを見出し、ケアに関するガイドラインや教育コンテンツの作成等の今後の展望を示唆できたことが、今回の受賞に繋がったと考えています。
今後も、疾患を持ちながら生活を続ける小児・思春期患者さんとご家族の支援を具現化できる研究成果の発信に尽力していく所存です。

001平塚克洋講師