百賢二准教授が杉山記念財団より第6回SMF論文奨励賞を受賞

受賞・表彰#薬学部

百賢二准教授(薬学部病院薬剤学講座臨床研究部門)が公益財団法人杉山記念財団の第6回SMF論文表彰制度で奨励賞を受賞しました。
百准教授は2023年11月から開始となった緊急避妊薬の試験販売に先駆け、全国の18歳~45歳の女性約4,631名に対して、性に関連する知識について調査を行い、性教育の重要性について改めて強調した点が高く評価され、同賞に選定されました。
 
<論文情報>
論文名: Descriptive Study on a Nationwide Exploratory Questionnaire Survey of Emergency Contraceptive Pills and Their Sexual History and Knowledge in Japan.
掲載誌: Biol Pharm Bull. 2023;46(9):1296-1303
著者: Momo K, Maeda E, Hattori H, Isozaki H, Takita H, Morohoshi H, Ryu K, Hida N, Sambe T, Shirato N.
DOI:10.1248/bpb.b23-00268

百賢二准教授のコメント

この度は、このような賞を頂戴し、誠に光栄に思います。
緊急避妊薬の市販化は、2020年頃より議論が始まり、2022年末に実施されたパブリッシュコメントにおいて多くの国民から市販化に賛同する旨の回答が得られました。アカデミアの立場としては、市販化の是非に関わらず、性教育の重要性や緊急避妊薬の具体的な情報について早急に社会に還元する必要がありました。
本研究は、三邉武彦教授(統括研究推進センター)、白土なほ子准教授(医学部産婦人科学講座)、龍家圭准教授(臨床薬理研究所)らからの大いなるバックアップの元、急ピッチで全国調査を行い、学術論文としてまとめたものです。実際に18歳から45歳の女性において、半数程度が性に関する知識が十分でないこと、また緊急避妊薬の使用が想起されるシーンを経験した女性の4割がそのまま様子を見ていたということも明らかとなりました。
現在はこれらの情報に基づき、富士吉田キャンパスにおいて1年生向けの性教育の講義を本学臨床薬剤師と白土准教授を講師として毎年4月に行っております。
本研究の遂行にあたり、共同研究者である病院薬剤学講座病院薬剤学部門の磯﨑遥助教、大島有貴助教、楠裕美子助教、田川菜緒助教、服部はるか助教、守屋賀奈絵助教、前田絵里加特別研究生をはじめとした、多くの先生方のご協力に心より感謝申し上げます。今後も本研究成果をさらに発展させ、臨床家にとって有用な情報を構築していきたいと思います。

サムネ前段左より、三邉武彦教授(統括研究推進センター)、百賢二准教授(薬学部病院薬剤学講座病院薬剤学部門)、白土なほ子准教授(医学部産婦人科学講座)、肥田典子教授(薬学部臨床薬学講座臨床研究開発学部門)
後段左より、諸星北人講師(衛生学公衆衛生学講座衛生学公衆衛生学部門)、龍家圭准教授(臨床薬理研究所)、瀧田寛子講師(医学部産婦人科学講座)