令和7年度 昭和医科大学入学式を挙行しました
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医学部131名、歯学部107名(うち編入生7名)、薬学部209名、保健医療学部167名(看護学科111名(うち編入生5名)・リハビリテーション学科理学療法学専攻44名・リハビリテーション学科作業療法学専攻12名)の合計614名が医療人としての第一歩を踏み出しました。
昭和医科大学管弦楽団による演奏で開式し、久光正学長の告辞(別掲)に続き、小口勝司理事長は祝辞で「本学で自らの可能性を存分に広げ、成長していただきたいと願っております。
本学は、1928年に学祖上條秀介博士が掲げた『社会に貢献する優れた医療人を育成する』という建学の理念のもと創設されました。そして1964年には、上條一也先生の提案による『医系総合大学』を目指し、その方針を貫き97年の歴史を歩んで参りました。
現在、本学には皆さんの成長を支援するための充実した制度があります。全寮制教育制度により、医療人として必要なコミュニケーションスキルを身につけること、そして、4学部合同でチーム医療を学ぶことで、実践的な協働の経験を積んでもらうこと、少人数制の臨床実習を通じて、実務的なスキルを磨くことなどです。さらには、指導担任制度や奨学金制度など、多岐にわたる学生支援の取り組みによって、皆さんの学びを支えます。これらの制度を活用し、ぜひ医療人としての基礎を築いてください。そして卒業の日には、社会に貢献する医療人として大きく成長した姿を見せていただけることを心から期待しております。」と述べました。
続いて、昭和医科大学宣言を新入生代表の青木萌音さん(医学部医学科)の発声に合わせ、新入生および昭和医科大学関係者一同で唱和し、グリークラブ・OBOG有志一同で校歌を斉唱しました。
その後、新入生歓迎プログラムでは、在学生代表の2名が今後の寮生活やクラブ活動などについてユーモアを交えて歓迎の辞を語り、Medical All Stars Jazz Orchestraの歓迎の演奏、応援指導部の新入生へのエールで和やかな雰囲気となりました。
そして、今年度は特別講演として学校法人昭和医科大学の内田樹理事による「医療人として生きる」をテーマに講演が行われました。
入学式閉式後には、4月から始まるドラマ『天久鷹央(あめく・たかお)の推理カルテ』(テレビ朝日系/毎週火曜21時)で医師役に挑戦する主演の橋本環奈さんがサプライズ登場し、医学の道を志す新入生たちを祝福しました。
その後、新入生はバスに乗車して一路富士吉田キャンパスへ向かいました。














【久光 正 学長 告辞】
昭和医科大学に入学された皆さん、また、ご家族の皆さん、ご入学おめでとうございます。私は昭和医科大学学長を拝命しております久光正です。皆さんに学長としてお祝いの気持ちと充実した学生生活を送るための考え方についてお伝えしたいと思います。本学の建学の精神は「至誠一貫」であります。社会に貢献する優れた医療人を育成する。この精神を建学以来持ち続け、多くの医療人を社会に輩出してきました。この度、入学された皆さんもまた、医学、歯学、薬学、保健医療学を修め、優れた医療人になるべく学修を積み重ねることになります。
では優れた医療人とはどのような人をいうのでしょうか?
私は、深い知識、優れた技術、適切な態度(心構え)を備え、かつ、医学医療の進歩を捉え続ける意気込みと実行力を持つ人であると考えます。
人体の構造と機能、疾病や損傷、またその治療法などを知っている。これは知識です。検査や治療手技を正確・迅速かつ効果的に行うことができる。これは技術です。患者さんは物ではなく、心をもった人です。赤ちゃんから老人まで、対象年齢は広く、家庭環境もさまざまです。これら多様な患者さんの気持ち・考えを正しくくみ取り、適切な言葉や立ち居振る舞いで、まごころをもって接する。これは態度(心構え)にあたります。
今日から毎日少しずつ、優れた医療人になるために、「頭を鍛え」「技を磨き」「心を養う」のです。毎日の学修により皆さんは日々、変化していきます。昨日の自分と今日の自分は異なります。また、明日の自分は今日の自分より学修者として、また人間として大きくなっています。4年後、6年後には今の自分とは比べられないほどの変化・成長をします。ただしこの変化には本人が成長しようという意気込みと実行力が必須であります。別の言い方をすれば、やる気がなければ何も変わらない。やる気があれば変われるということであります。しかし変わってはいけないことがあります。医療に従事するものとして生涯にわたって変わってはいけない心、それが「医の心」です。ウィリアム・オスラー博士は「医の心」を3つに解きほぐして教えてくれました。その第1は、患者さんの悩み、苦しみ、痛み に共感する心、「sympathy」です。第2は 患者さんになぐさめの手、いたわりの手を自然 に差しのべることができる心、「compassion」です。そして第3は、患者さんのためにつくす心、「service」です。 sympathy、compassion、service、この3つをあわせ備えたのが「医の心」です。皆さんには入学式の今日、あらためて将来の自分の目標、どのような医療人になろうとしているのかを確認していただきたいと思います。その目標にはきっと今、お話しした「医の心」を備えた医療人になるという目標が含まれると信じています。
昭和医科大学は昭和3年に学祖、上條秀介博士により設立された昭和医学専門学校を基盤として発展してきました。昭和6年には附属産婆看護婦講習所を設置し、看護師教育が開始されました。昭和27年には6年制の昭和医科大学となりました。昭和39年、薬学部創設に伴い、昭和大学に名称を変更しました。昭和40年には山梨県富士吉田市に富士吉田校舎を開校し、全寮制教育が開始されました。昭和52年には歯学部が創設され、北千束の地に附属歯科病院を開院しました。平成9年に保健医療学部の前身である昭和大学医療短期大学が開校し、平成14年に保健医療学部が開設されました。これら学部の増設と共に附属病院、研究所などの医療施設が次々に開設・設置され現在の4学部、4大学院、8病院、11研究所、3研究センターに発展しました。それぞれの学部や施設では優れた医療人を育成し、社会に送り出すため熱意のこもった教育が展開されています。そして各部署を貫く共通の想いが「至誠一貫」という精神です。本学はこの精神を体現できる医療人を育成するということを使命とする医療系総合大学であります。本年4月1日には本学が常に医療系人材を育成する大学であることを広く社会に認知されるよう法人名、大学名を昭和医科大学に改称いたしました。昭和3年からの約100年間に医学医療はめざましい発展を遂げ、本学はこの変化に遅れることなく、常に前進してきました。そして建学の精神である「至誠一貫」の想いが揺らぐことはありませんでした。
改めて新入生の皆さんに伝えます。昭和医科大学のこれからを作るのは皆さんです。社会の変化、医学医療の進歩に遅れることなく自らを変化させ、さらに医学・医療をリードする先駆的力量を発揮する力強さをもち続けてください。一方でsympathy、compassion、serviceを合わせ備えた「医の心」、「至誠一貫の精神」を心の支柱にしてください。私は皆さんのご活躍を心から期待し、応援いたします。これからの昭和医科大学を作る新入生の皆さんに次の言葉を贈り、学長告辞といたします。
「変わる強さ、変わらぬ想い」
皆さん、ご入学おめでとうございます。
令和7年4月9日
昭和医科大学 学長
久光 正