保健医療学部4年(当時)北村愛理さんの症例報告が『Cureus』に掲載
講演・発表#保健医療学部
本症例報告「Left-Leg Apraxia and Bilateral Incoordination of the Lower Limb After Left Anterior Cerebral Artery Infarction: A Case Report」では、脳梁を含む左前大脳動脈領域の梗塞を呈した症例に対し、詳細な運動観察を通じて、「左下肢の失行」および「両下肢の協調運動障害」という特徴的な症状が確認されました。
これらの症状は、従来の失行の枠組みだけでは捉えにくい下肢特有の運動障害を示しており、脳梁損傷による両側性の運動協調障害との関連も含め、神経学的視点からの考察が加えられています。
本報告は、北村さんが学部在籍中に臨床研究に参画した成果であり、実臨床から得られた気づきを基に、稀な病態に関する理解を深める一助となる内容となっています。
論文情報
・論文名:Left-Leg Apraxia and Bilateral Incoordination of the Lower Limb After Left Anterior Cerebral Artery Infarction: A Case Report
・掲載誌:Cureus
・著者:Airi Kitamura, Hiroyuki Ohtsuka, Miku Aoyagi, Maho Noguchi, Naoyuki Motojima, Kana Sakuma, Tetsuichi Hondera, Mika Otsuki
・DOI:10.7759/cureus.82055
・URL:https://www.cureus.com/articles/331656-left-leg-apraxia-and-bilateral-incoordination-of-the-lower-limb-after-left-anterior-cerebral-artery-infarction-a-case-report#!/
【北村愛理さんのコメント】
この度、Cureusに原著論文が掲載される運びとなり、大変嬉しく思います。本研究は脳梁を含む左前大脳動脈領域梗塞後の左下肢の失行と左下肢の協調運動障害についての症例報告です。
今回の症例は実習中に担当し、難航したケースでした。しかし、実習後に改めてその疾患と向き合い理解を深めることができました。リハビリ中に感じる違和感を逃さず、追求していき、症状のロジックを明らかにしていくことがその分野のプロフェッショナルとして大切なことであり、患者さんとの信頼関係にも繋がるのだと実感しました。
本論文の作成にあたり、多大なご指導を賜りました大塚裕之講師やその他この症例報告のために多くの知見や情報を提供してくださった先生方に深く感謝申し上げます。
