薬学部6年の小貫敬太さんが日本栄養治療学会首都圏支部第16回支部学術集会で優秀賞を受賞
受賞・表彰#薬学部
日本栄養治療学会は、医師、歯科医師、薬剤師、看護師、管理栄養士などの多職種が参加し、「チーム医療としての栄養治療」「Nutrition Support Teamの議論と確立」「教育と研究の深化」など、様々な栄養治療に関する議論を行う学会です。第16回支部学術集会は「活きる環境は栄養治療の原点」をメインテーマに開催されました。
【小貫敬太さんのコメント】
このたび、日本栄養治療学会首都圏支部第16回支部学術集会において「優秀賞」を頂戴し、身に余る光栄とともに、これまで取り組んできた研究の成果を評価いただけたことに、深い感謝と大きな励みを感じております。私が発表した研究は、「プレバイオティクスと抗けいれん薬の相互作用の調査・解析」です。とろみ調整剤として広く使用されているプレバイオティクスと抗けいれん薬との相互作用について、臨床と基礎の両面から解析を行いました。プレバイオティクスは増粘剤として広く用いられ、嚥下困難な患者の服薬支援に大きく貢献している一方で、医薬品との併用によって薬剤の挙動に影響を及ぼす可能性があることも報告されています。本研究においても、プレバイオティクスとの併用により一部の抗けいれん薬において相互作用による残存率の低下が観察され、薬効の発現に影響を及ぼす可能性が示唆されました。
このように、とろみ調整剤は臨床的に有用である一方で、薬物治療の効果に予期せぬ影響を与えるリスクも抱えています。だからこそ、単なる利便性にとどまらず、その特性を科学的に解明し、適切な使用を提案していくことが重要であると考えています。本研究が、こうした多角的な視点に基づくとろみ調整剤の活用と、医療現場における安全な服薬支援の一助となれば幸いです。
研究を進めるにあたっては、思うように進まない場面も多くありましたが、そのたびに真摯に向き合い、熱意をもってご指導くださった唐沢浩二准教授(薬学部臨床薬学講座臨床栄養代謝学部門)をはじめ、講座の先生方や仲間たちの協力に支えられ、成果としてまとめることができました。今回の受賞は、私一人の力によるものではなく、多くの方々の導きとご助力の賜物であると改めて実感しております。心より感謝申し上げます。今後ともご指導・ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

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