令和7年春の叙勲で安原一名誉教授が瑞宝中綬章、矢澤直行氏が瑞宝双光章を受章

受賞・表彰

令和7年春の叙勲受章者が4月29日に発表され、安原一名誉教授が「教育研究功労」により瑞宝中綬章、矢澤直行氏が「保健衛生功労」により瑞宝双光章をそれぞれ受章しました。
瑞宝章は日本の勲章の1つで、公務等に長年にわたり従事し顕著な功績を挙げた人物に授与されるものです。
 
安原名誉教授は、昭和58年10月に医学部第二薬理学講座(現:医学部薬理学講座 臨床薬理学部門)の教授に就任し、平成19年4月から平成22年3月まで、本学医学部長ならびに理事を務めました。この間、医学部長として、教育・研究施設の拡充をはじめ、学部運営に尽力されるとともに、日本における医薬品開発の発展や国際競争力の向上に多大な貢献を行った功績が評価され、このたびの受章となりました。
 
矢澤氏は、昭和53年4月に昭和大学病院に臨床検査技師として入職後、検査技術の向上と診療体制に寄与し、高精度な検査の提供と診断の迅速化に大きく貢献しました。さらに、カイロ大学やベトナム、カザフスタンへの派遣を通じて国際的な医療支援にも貢献された功績が評価され、このたびの受章となりました。
 
安原名誉教授・矢澤氏の2名は、令和7年春の勲章・褒章伝達式(5月21日:ホテルニューオータニ東京)にて勲章と勲記を伝達された後、皇居にて天皇陛下への拝謁(はいえつ)を受けました。

安原名誉教授(800×1000)安原一名誉教授、小口勝司理事長
矢澤先生(800×1000)矢澤直行氏

【安原一名誉教授の略歴】※大学名・病院名は当時のものです。

昭和45年3月 昭和大学医学部 卒業
昭和49年3月 昭和大学大学院医学研究科 修了
昭和49年4月 昭和大学医学部第二薬理学教室 助手
昭和51年1月 昭和大学医学部第一薬理学教室 専任講師
昭和52年4月 昭和大学医学部第一薬理学教室 助教授
昭和58年10月 昭和大学医学部第二薬理学講座 教授
平成14年4月 昭和大学医学部附属看護専門学校 校長
平成19年4月 昭和大学医学部長
平成23年4月 昭和大学名誉教授(現在に至る)
 
【安原一名誉教授のコメント】
このたび教育研究功労により瑞宝中綬章の栄誉を賜り光栄に存じます。瑞宝章は、公務に長年尽力し顕著な功績を挙げた者に授与されるとのことで、身の引き締まる思いです。これまで、厚生労働省中央薬事審議会の臨時委員として7年間、抗感染症薬の承認・審査に携わりました。また第2回ICH(医薬品承認審査ハーモナイゼーション国際会議)では、薬物代謝における民族差に関する研究成果を発表し、国際的な臨床試験データの相互受け入れに寄与できたことは貴重な経験でした。さらに、AMED(日本医療研究開発機構)発足時より「医薬品等規制調和・評価研究事業」において、プログラムオフィサーおよび評価委員として関与し、医療政策の推進に貢献できたことも大きな誇りです。また大学教育においては数々の医療人の育成に携われた事も大きな喜びです。
このたびのご推薦に深く感謝申し上げ、昭和医科大学のさらなるご発展を祈念するとともに、今後も研鑽を重ねてまいります。

【矢澤直行氏の略歴】※大学名・病院名は当時のものです。

昭和53年3月 昭和大学薬学部卒業
昭和53年4月 昭和大学病院臨床検査技師
昭和61年7月 昭和大学病院臨床検査部 主任
昭和63年1月 トロント大学臨床生化学教室 留学(平成2年1月29日まで)
平成2年4月 昭和大学病院臨床検査技師 係長(技術主事)
平成12年4月 昭和大学横浜市北部病院臨床検査技師 技師長補佐(技術副主幹)
平成21年4月 昭和大学藤が丘病院中央臨床検査部 技師長(技術主幹)
平成25年10月 昭和大学大学院保健医療学研究科 准教授(平成28年3月31日まで)
平成28年4月 株式会社保健科学研究所 シニアアドバイザー
令和元年9月 株式会社ウイーズ 薬剤師
令和4年1月 昭和中央薬局 薬剤師(現在まで)
 
【矢澤直行氏のコメント】
この度は、叙勲の栄誉を賜り誠に光栄に存じます。しかしこれは私個人に与えられたものでありながら、育んでいただいた母校、恩師、上司、同僚と、周囲の方々のサポートがあってのことと思います。従って、その方々の代表としていただいたものと考えれば納得ができます。
母校昭和(医科)大学薬学部を卒業後、臨床検査技師として大学病院及び関連病院で定年退職まで勤務させて頂きました。その間、留学、新病院の開設、電子カルテの開発、臨床検査大学院の開設と多くの活動機会を頂きました。とりわけ、エジプト、ベトナム、カザフスタンでの国際医療プロジェクトに加わり現地での生活を通じて、任国の人々と問題解決に立ち向かえたことは貴重な体験でした。慣れない異国での生活に同行してくれた家族にも感謝です。
大学退職後はインドネシアで検査センターの設立に、現在はキルギス共和国の国家プロジェクトに関わっております。今回の叙勲を励みに微力ながら更にグローバルな保健医療に貢献できるよう精進を続けて参る所存です。