岡田貴裕助教が第89回日本循環器学会学術集会にてコメディカル賞(奨励賞)を受賞
受賞・表彰#薬学部
日本循環器学会学術集会は、循環器領域に関わる医師、歯科医師、薬剤師、看護師、理学療法士など多職種が参加し、「循環器医療におけるチーム医療の推進」「最新の診療ガイドラインとエビデンスの共有」「基礎・臨床研究の融合」など、循環器疾患に関連する幅広いテーマについて活発な議論が行われる学術集会です。
第89回学術集会は、「私たちは循環器が好き - We Love Cardiovascular (CV) Science -」をメインテーマに開催されました。
【岡田貴裕助教のコメント】
このたび、コメディカル賞(奨励賞)という栄誉ある賞を賜り、関係者の皆様に心より御礼申し上げます。現在、がん治療の進歩により、がん患者の生命予後は改善していますが、その一方で治療に伴う心血管合併症が新たな臨床課題として注目されています。抗がん薬に起因する心血管疾患は、致命的となる重篤な合併症であり、治療の継続性や患者の生活の質(QOL)にも深く関わる重要な問題です。
このような背景のもと、がんと循環器疾患という二大領域を統合的に扱う「腫瘍循環器学」は、近年国内外で急速に注目を集めており、学術的にも臨床的にも極めて重要な分野として発展を遂げつつあります。
本研究では、日本循環器学会が実施する「循環器疾患診療実態調査」のデータベースを活用し、悪性腫瘍を合併した静脈血栓塞栓症 (VTE)患者におけるがん種・経口抗凝固薬の使用傾向および臨床転帰の関連性について検討を行いました。その結果、化学療法歴のある悪性腫瘍合併VTE患者群は、化学療法歴のない患者群と比較して入院中30日以内の全死亡が低下することが示されました。また、悪性腫瘍合併VTE患者の直接経口抗凝固薬の使用率は年々増加傾向で2020年以降はアピキサバンの使用率が最も高いことが明らかとなりました。
本研究は、藤が丘病院 循環器内科との共同研究として実施され、江波戸美緒教授(藤が丘病院循環器内科)、礒良崇准教授(同)をはじめとする多くの先生方より多大なるご支援を賜りました。
また、日頃よりご指導をいただいております向後麻里教授(薬学部臨床薬学講座薬物治療学部門)、須永登美子兼任講師(薬学部病院薬剤学講座 )にもこの場を借りて深く御礼申し上げます。
今後も、臨床現場のニーズに即した実践的研究を継続し、がん患者の予後改善およびQOL向上に資する科学的根拠(エビデンス)の創出に努めてまいります。
左から向後麻里教授、岡田貴裕助教、須永登美子兼任講師
【関連リンク】
第89回日本循環器学会学術集会
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