奥茂敬恭講師が第53回日本関節病学会にて学術集会会長賞を受賞
受賞・表彰#医学部
日本関節病学会は、関節リウマチや変形性関節症などの関節疾患に対する基礎研究から臨床・手術治療に至るまでの幅広い領域を対象とする全国規模の専門学会であり、学術集会を通じて医療の質の向上と患者のQOL改善を目指しています。
【奥茂敬恭講師のコメント】
このたびは学術集会会長賞を賜り、誠に光栄に存じます。まずは、本研究に対し多大なご支援とご指導を賜りました、砂川正隆教授(医学部生理学講座生体制御学部門)、神﨑浩二教授(藤が丘病院整形外科)、佐藤敦講師(同)をはじめ、関係する先生方に心より御礼申し上げます。
本研究は、2015年以降に昭和医科大学藤が丘病院整形外科で施行された膝前十字靭帯再建術(ACLR)後に発症する膝蓋大腿関節症(PFOA)について、そのリスク因子を明らかにすることを目的とした後方視的観察研究です。ACLRは、膝関節の安定性の回復やスポーツ復帰を目指すうえで非常に重要な手術ですが、一部の症例においては術後にPFOAを発症し、膝前面痛や運動機能低下を引き起こすことが知られています。
本研究では、手術時の年齢の高さと、術後に生じる膝蓋骨の低位化が、PFOAの独立した予後不良因子であることが示されました。これらの知見は、膝外傷後の二次性変形性膝関節症の予防・進行抑制に向けた治療戦略の構築に資するものと考えております。
今回の受賞を励みに、今後も臨床および研究の両面から、医療の発展に貢献してまいりたいと存じます。

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第53回日本関節病学会
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