ご挨拶

showa000
昭和大学発達障害医療研究所 
私たちは、2008年に昭和大学附属烏山病院で、成人発達障害の専門外来を開きました。知的な障害は無いにもかかわらず、生得的に備わっているはずのコミュニケーション能力を欠く彼らと向き合う医療施設はほとんど皆無だったからです。その試みは全国的な注目を集め、新聞やテレビで何度も取り上げられました。相談を求めてこられる当事者や家族は累計3,000人を超え(下図)、同時に彼らと困難を共有し、社会参加のスキル向上のために開いたデイケア登録者は300名に達しています。
彼らの特性は、従来の成人を対象とする精神医学ではほとんど触れられていません。多数の症例を経験する中で、同じ悩みをもつ当事者が多いことを私たちは実感し、その臨床経験は自閉症の精神内界の理解に寄与できることを学びました。障害の本質は、他者理解に基づく共感性の欠如にありますが、そのメカニズムは不明であり、また治療法は無きに等しいと言わざるを得ません。
この国内最大の臨床集積をもとに、昭和大学の附置研究所として2014年4月に本研究所は発足しました。発達障害の診断や治療法を探るだけでなく、人間性の根源ともいえる「共感性」に迫る共同研究も志向しています。広く全国の研究者に公開することで、発達障害研究を軸とした新しい人間科学分野を創出するとともに、次世代の育成を意識した研究を行ってまいります。


昭和大学附属烏山病院発達障害専門外来受診者数推移

発達障害専門外来患者統計