議事録集


SCCC第1回ワークショップ開催報告※NotebookLMを使用して作成しました
昭和医科大学 統括がん情報センター(SCCC)第1回ワークショップ 議事録(要約版)


開催概要(確定事項)

  • 会議名:統括がん情報センター(SCCC)第1回ワークショップ
  • 日時:2025/12/24(水) 16:00–17:00
  • 狙い:昭和医科大学グループの「がん診療情報」を統合し、診療・研究・教育・発信に使える“大学資産”にする

1. 会議全体の結論

  • SCCCは、グループ病院に分散しているがん情報を統合し、単施設では得られない規模(マスエフェクト)で価値を出すことを目標とする。
  • そのために今後の焦点は、
    • 「何を集めるか」(診断・治療・予後+バイオマーカー+有害事象など)
    • 「どう集めるか」(電子カルテ・共通登録・自動化・負担軽減)
    • 「どう使うか」(研究・治験・臨床改善・説明可能な発信)
      の3点に集約できた。

2. センター長メッセージ(方向性)

  • SCCCは2025年4月発足。目的は「統合→活用→発信」
  • 昭和医科大学グループ全体で見れば、がん情報は十分に大規模であり、統合して“価値に変換”すべき資産である。
  • AIを積極的に使う方針が明確に共有された。

3.現状(達成できた事項)

3.1 収集・基盤

  • がん登録データの収集・集約を進め、5,800,000件規模の横断DBを構築済み
  • 理研(計算科学)との連携も含め、高性能計算資源を視野に解析を推進する構想が共有された。

3.2 公開・発信(実施済みの要素)

  • SCCCホームページを大学HP内に開設済み
  • 一次解析結果の一部は公開済み
  • 加えて、がん免疫/腫瘍免疫/腸内細菌などの最新知見を“わかりやすく”発信する運用が紹介された。

4. アンケート結果(現場のニーズ=システム要件)

  • 回答:31診療科・センター
  • エクスチャート運用中:0
  • 導入希望:64%(20部署)
    →「導入したいが、現状は回せない」という構造が示唆された。

4.1 何を登録したいか

  • **診断(ステージ・組織型など)/治療/予後(転帰)**が最優先。
  • 次点として、バイオマーカー/遺伝子パネル
  • さらに、**QOL・合併症・有害事象(特にirAE)**の登録ニーズが強い。

4.2今後の問題点

  • 最頻出の課題は一貫して 「入力負担(手間)」
  • したがって、SCCCが設計すべき中核要件は
    • 入力の自動化・半自動化
    • 既存システム(手術・レジメン・カンファ等)との連携
    • 重複・漏れを防ぐ仕組み
      に集約された。

5. ディスカッション

5.1 データのタイムラグ(治験・臨床試験の観点)

  • がん登録データはタイムラグがあるため、治験・臨床試験で必要な「現時点での患者像」を満たしにくい局面がある。
  • ここが次フェーズの焦点:
    • “半年遅れ”の登録データ
    • “リアルタイム性”が必要な臨床・治験用途
      をどう接続するか。

5.2 個人情報と連結

  • 匿名化しすぎると病院間で同一患者の連結ができないという本質課題が共有された。
  • そこで、**同一性を保ちながら匿名化する方法(例:ハッシュ化)**を用いる方向性が示された。
    → 統合データベースとして成立させるためのコア論点。

5.3 有害事象情報(臨床改善につながる高価値領域として)

  • 現DBには有害事象情報が少なく、今後の拡張が必要。
  • その解として、
    • 現場運用(CTC等での記録)を活かす
    • AIで電子カルテから抽出する(人手の限界を超える)
      が方向性として共有された。

5.4 AI活用の方針(医療現場において)

  • 医療現場での運用前提として、インターネット非接続のローカルAIを軸に検討する方針が示された。
    → セキュリティ・ガバナンス面の前提条件。

6. 閉会総括(小林 真一:臨床薬理研究所 所長)

  • 治験の視点から、「現在の患者状況」が迅速に把握できる仕組みの重要性が強調された。
  • 取り組みを進める鍵は、
    • 何のためにやるか(患者メリット/研究メリット)の明確化
    • 目的の具体化と発信
      によって、収集→利用→成果→利用拡大の循環を作ること。
  • 初期は重いが、仕組みができれば加速度的に回るという見立てが共有された。

7. 重要な「共有事項」

  • SCCCホームページは開設済み
  • 一次解析の一部は公開済み
  • 遺伝子パネルは“生データ”ではなく“解析結果”を収集する整理で検討

最後に

SCCCの次フェーズは、「入力負担を崩しつつ(自動化・連携)、匿名性と連結性を両立させ、治験にも使える“鮮度のある統合がん情報基盤”を作ること」を達成する

昭和医科大学 統括がん情報センター(SCCC)第1回ワークショップ 議事録(超詳細版)


1. 開催概要

  • 会議名:昭和医科大学 統括がん情報センター(Showa Medical University Cancer Comprehensive Information Center:SCCC)第1回ワークショップ
  • 日時:2025年12月24日(水)16:00–17:00
  • 形式:WEB開催(Zoom)
  • 司会進行:村上 幸三(副センター長)
  • 目的(会議中の発言趣旨を統合)
    • 昭和医科大学グループに分散するがん診療情報を統合し、学内連携・研究推進・教育・対外発信へつなげる
    • 4月のセンター発足以降の進捗(マイルストーン)を共有し、現場の課題・ニーズを把握する
    • 今後のデータ収集(電子カルテ活用、共通登録フォーマット等)に向け、実務上の要件(User Requirements)を整理する

2. 出席者(発言者)※敬称略

司会進行用紙に記載の登壇者(プログラム順):

  • 上條 由美(学長)
  • 小出 良平(総括病院担当理事)
  • 角田 卓也(センター長)
  • 久保田 祐太郎(横浜市北部病院担当委員)
  • 大熊 遼太朗(副センター長)
  • 小林 真一(臨床薬理研究所 所長

参加人数(発言からの把握):

  • 事前見込み:40名程度
  • 実参加:35名

3. 議題(プログラム)

  1. 開会のご挨拶(上條 由美 学長)
  2. ご挨拶(病院運営の視点から)(小出 良平 総括病院担当理事)
  3. 統括がん情報センター 組織概要と目標共有(角田 卓也 センター長)
  4. マイルストーン達成報告(久保田 祐太郎)
  5. アンケート結果報告(大熊 遼太朗)
  6. ディスカッション「情報収集とシステム要件の検討」
  • 電子カルテから収集すべきデータ内容
  • 現場視点での理想的システム像(User Requirements)
  1. ICT技術とAI活用による業務効率化について(村上 幸三)
  2. ディスカッション総括(治験の視点から)と閉会のご挨拶(小林 真一)

4. 議事内容(時系列・詳細)

4.1 開会のご挨拶(上條 由美 学長)

  • 第1回ワークショップを開始できることへの言及。
  • がんは日本人の主要死因であり、今後「がん医療の質向上」と「情報共有」が重要になる旨。
  • 本センターが、グループ病院の医療スタッフ・研究者(将来的には患者も含み得る)をつなぐ「場」として発展することを期待。
  • 本日はスタートとして取り組み・課題を共有する場であり、将来的には国内外へ発信し、世界へ羽ばたく最終目標を持って進めてほしい旨を述べ、参加者を激励。

4.2 ご挨拶(病院運営の視点から)(小出 良平 総括病院担当理事)

  • 第1回ワークショップ開催への祝意と期待を表明。
  • 先生方が日々行っているがん治療の「成果(情報)」を集め、大きなデータとして患者へ還元する「良いサイクル」への期待。
  • 情報が集約されることで資源の無駄を防ぎ、新しいプロダクト創出につながる可能性を示唆。
  • 先生方の成果を、より「精度の高い価値ある情報」にしていくことへの期待を述べた。

4.3 組織概要と目標共有(角田 卓也 センター長)

  • SCCCは2025年4月に発足したことを改めて共有。
  • 目的は、昭和医科大学グループのがん情報を統合し、医療情報プラットフォームとして整備して学内および世界へ発信すること。
  • グループ全体で見れば、単施設では得られない「マスエフェクト」があり、がん研究・がんセンター規模に匹敵し得る情報量を活かすべき、との問題意識を提示。
  • AI(Artificial Intelligence)を積極的に活用する方針も明確化。
  • 4月からの取り組みをガントチャート(マイルストーン)で整理しているため、達成状況は次演者(久保田)より報告する旨。

4.4 マイルストーン達成報告(久保田 祐太郎)

4.4.1 4月に設定した4項目(マイルストーン)

久保田より、委員で協議し以下4項目を設定して進めてきたと説明:

  1. がん登録データの収集・解析
  2. がん診療実績の公表
  3. 各診療科データベース作成状況のアンケート
  4. 第1回ワークショップ開催

4.4.2 1) がん登録データの収集・解析

  • 6–7月:角田センター長+各病院担当責任者が病院長を訪問し、SCCCのコンセプト説明と協力依頼。
  • 8–9月:村上副センター長が中心となり、がん登録データを収集(主に3病院分のがん登録データ)。
  • 10–11月:収集データを集約し、5,800,000件規模の横断的データベースが完成。
  • 今後:本ワークショップの議論を踏まえ、当該DBを用いた分析・活用を進める方針。
  • 11月:理化学研究所 計算科学センターの白井先生が客員教授に就任。スーパーコンピュータ「富岳」等の計算資源も視野に解析を推進する構想。

4.4.3 2) がん診療実績の公表(Web発信)

  • 構想:昭和医科大学HP内にSCCCサイトを設け、診療実績を公表する。
  • 現状:今月、大学HP内にSCCCのホームページを開設済み。
  • 追加:最新のがん情報(一例として、がん免疫・腫瘍免疫等)の公開も行う方針で、既に一部は掲載が進んでいる旨。

4.4.4 3) 各診療科DB作成状況アンケート

  • 9月:大熊がGoogleフォームでアンケート作成。
  • 10–12月:各病院のがん診療関連診療科へ配布。
  • 今月:回収し、本日結果報告を行う流れ。

4.4.5 4) ワークショップ開催

  • 委員にて準備を進め、本日開催に至った。

4.5 アンケート結果報告(大熊 遼太朗)

4.5.1 学内へのフィードバック目的

学内へ「集約・整理された情報」を返す目的として以下を提示:

  • 集約データの提供による診療科連携の強化
  • 認証データ等を用いた研究活動の活性化(特に学内臨床試験の推進支援)
  • 専門医取得・維持/施設基準維持に必要な登録・情報整理の支援
  • これらを通じた大学全体の教育の活性化

4.5.2 調査の狙い・対象・期間・回答数

  • 狙い:各附属病院・各診療科(センター含む)の、がん患者臨床データ収集状況とニーズを把握し、今後の共通がん登録(エクスチャート)フォーマット設計に反映する。
  • 期間:11–12月に実施。
  • 回答:計31診療科・センターから回答。
  • 備考:藤が丘病院は2月開始予定との言及あり。

4.5.3 現状(導入状況)と導入意向

  • エクスチャートを用いた登録システムを「現在運用」:0
  • 「運用していないが導入を希望」:約64%(20部署)
  • 「希望しない」:約35%

4.5.4 登録したいデータ項目(ニーズ)

  • 最多:診断情報(ステージ、組織型等)、治療内容、予後(転帰)
  • 次点:バイオマーカー、遺伝子パネル等の検査情報
  • その他:QOL指標(カルテに散在しやすい情報の統合ニーズ)、合併症、有害事象
    • 免疫チェックポイント阻害薬の普及に伴い、irAE(免疫関連有害事象)を整理・登録したい声。

4.5.5 導入要件・希望(自由記載の傾向)

  • 入力・整理の手間が大きいため、入力補助やマンパワー支援など「負担軽減」要望が多い。
  • 各診療科の既存システム(手術オーダー、抗がん剤レジメン等)との連携希望。
  • キャンサーボード/カンファレンス記録等との連携希望。
  • 類似症例にアクセスして症例相談できる機能があると良い、という提案。

4.5.6 課題・懸念(抑止要因)

  • 院内がん登録との整合性確保。
  • プロセスの簡略化・明確化。
  • 多診療科横断での入力における重複・漏れの防止(入力確認の仕組み)。
  • 希望しない理由:
    • 既存の部門システムで対応済み
    • リソース不足(人員・工数)
    • 当該診療科ではがん診療が少ない

4.5.7 現状の情報管理方法(概況)

  • 「確立した専用システム」を持つ部署は少数で、Excel手入力や電子カルテでの都度検索が中心、との認識。

4.5.8 SCCCに期待する支援

  • がん登録の統合、病名・治療・経過の整理(中核)。
  • 転院・在宅移行後など、院外に出た後の予後情報も可能なら拾えると良い(紹介状内容なども含む示唆)。
  • 情報集約方法への指導。
  • 各診療科に生じる義務・負担(工数)の見える化と、負担最小化。

4.6 補足:遺伝子パネル情報の取り扱い(小島 康行+村上 幸三)

4.6.1 小島(要旨)

  • 遺伝子パネル検査を実施している複数施設があり、臨床データと紐付いた遺伝子情報は今後の臨床試験等にもつながる重要情報になり得る。
  • 全ゲノムに比べれば対象遺伝子は一部だが、将来を見据え、遺伝子情報も管理できるプラットフォームを持つことは大学の強み。
  • 将来的に全ゲノムを扱う場合は、個人情報性が高い要素を含むため、管理体制は専門家の意見も踏まえて検討が必要。

4.6.2 村上(要旨)

  • 5,800,000件DBの活用は臨床研究ベースで進める方針で研究計画書を作成中。
  • 遺伝子パネルは「遺伝子生データ」を収集するのではなく、「解析結果を収集する」整理で、採血結果等と同様の位置づけで進められる可能性がある。
  • これにより収集の敷居を下げ、今後、遺伝子パネル結果も統合対象として扱いたい。

4.7 ディスカッション「情報収集とシステム要件の検討」

4.7.1 村上:現状共有(がん登録中心の収集と一次解析公開)

  • 現在の収集の中心は「がん登録情報」であり、各病院長の許可のもと収集した旨を明確化。
  • SCCCホームページを開設し、一次解析結果を公開済みである旨を紹介。
  • 解析対象は 69,120人分 と説明。
  • コロナ禍の影響として、検診機会の減少により進行例(ステージIII/IV相当)が増えた傾向が示唆される旨を共有。
  • 分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬などの進展により予後改善の兆しが見える可能性に言及。

4.7.2 村上:日次のがん情報発信

  • 一例としてキーワード(がん免疫/腫瘍免疫/免疫にかかわる腸内細菌)でPubMedの新規論文を定期的に収集し、分かりやすく解説する形でサイト運用を開始している旨。
  • 一般の方にも理解しやすい表現を意識している旨。
  • SCCCサイトからの導線(ニュース欄、リンク等)で閲覧可能として紹介。

4.7.3 角田:情報発信とデータ活用の「相談窓口」化

  • AIを用いれば情報収集・記事化は比較的容易であり、強い個人の負担に依存しなくても回せる可能性がある、という前提を共有。
  • 「載せてほしい」「こういう情報を集めたい」「この集計を見たい」といった要望があれば、角田または村上に連絡してほしいと呼びかけ。
  • 5,800,000件DBはグループ内の皆の資産であり、活用希望に応じて対応していきたい旨。

4.7.4 ICT技術とAI活用(村上):ローカルAI(オフライン)方針

  • ICTセンターの龍先生とも相談しながら推進したい意向。
  • 医療現場でインターネット接続型AIを扱うことはリスクがあるとの認識を共有。
  • 「ローカルで、インターネット非接続で動作するAI」活用を検討し、実証実験の準備を進めている旨。

4.7.5 小林(臨床薬理研究所 所長):運用負担/データ鮮度/個人情報/有害事象の論点提示

  • 今後データを増やす際、電子カルテから自動的に取り込めるのか、手作業が必要か(収集負担)を質問。
    • 村上回答(要旨):現状のがん登録は専属事務が手入力で作成しており、電子カルテ内にエクスチャート等を整備し自動集約が進めば、現場・事務双方の負担軽減につながる設計思想を説明。
  • 診断・治療・予後が条件抽出で「すぐ出るか」を質問。
    • 村上回答(要旨):がん登録は一定のタイムラグがあり、半年時点で予後が確定していない症例も多い可能性がある旨。
  • 将来的な外部利用も見据えた個人情報の扱いを質問。
    • 村上回答(要旨):匿名化しすぎると施設間で同一患者の連結が困難となるため、同一性を保ちながら匿名化する方法(例:ハッシュ化)を用いる方向性を説明。
    • 角田補足(要旨):がん登録情報の匿名化利用には制度上の後ろ盾がある認識を示し、個別の可否はSCCCに相談してほしい旨。
  • 有害事象情報の取得可能性を質問。
    • 村上回答(要旨):現DBには有害事象データはほとんど入っていないため、今後拡張が必要。人手には限界があるため、AIで電子カルテから抽出する方向を検討する旨。

4.7.6 堀池:有害事象の実務運用と、対外アピール(地域連携)の論点

  • 有害事象について:
    • 昭和医科大学病院では外来診療で医師・看護師が有害事象をフォローし、CTC等の枠組みでエクスチャートに記録しているため、利活用すれば有害事象領域のデータとして使える可能性がある。
    • これをグループ病院へ広げられれば、との提案。
  • がん診療集約化を見据えた対外発信について:
    • 一般市民向けHPだけでなく、地域医師・地域医療機関へのアピール策(紹介・集患の観点)も必要ではないか、と問題提起。
    • 村上回答(要旨):世界的に「質の高い」「分かりやすい」「インフォグラフィック等で直感的」な情報発信が求められており、AIで制作負担は下がっているため、発信力強化を進めたい。
    • 角田補足(要旨):SNS(Instagram、X等)を含めた展開は計画中で、まずHPへの掲載整備が前段。症例数等の可視化は私立医科大学グループの強みとして活かす方針。

4.7.7 田口 美保:電子カルテ「プロファイル」整備の共有(特に江東豊洲病院)

  • 統括看護部として電子カルテを担当し、診療情報管理士の立場から共有。
  • 1月から江東豊洲病院のプロファイルが変わり、がん登録関連の簡易情報が見える画面ができたため紹介。
  • 大学病院に存在する「サイバーオンコロジー連携」内の「オンコロジー連携」画面として整備され、その下に「がん登録用スプレッドシート」を追加予定。
    • 医療機関はリストボックスで関連病院を選択可能。
    • 全国がん登録/院内がん登録の実施有無など、事務でも入力可能なチェック項目を整備。
  • 病歴欄(既往歴・手術歴・放射線治療歴・ワクチン履歴等)を充実させることで、将来的なDB化の基盤になり得るとの考え。
  • アレルギー情報も薬剤マスター化して入力可能な仕組みがあり、プロファイル活用への協力を要請。
  • 村上コメント(要旨):
    • プロファイル活用は有効だが、病院間で規格統一が必要という課題がある。
    • プロファイル入力とエクスチャートを自動連携させるのが理想。
    • さらに、内視鏡レポート等の情報を自動吸い上げする仕組みの検討も進めている旨を補足。

5. ディスカッション総括(治験の視点から)と閉会(小林 真一)

  • 治験では「半年前」ではなく「現在の患者状況」が必要になるケースが多く、適格患者数の迅速把握が重要である旨。
  • 一方で、病院に多い患者像・多い治療などの「基盤情報」も研究・治療双方に重要であり、SCCCがそこを整備する意義は大きいと評価。
  • 登録負担、現状では情報が十分出せない部分など課題も見えたが、
    • 「何のためにやるか」を患者メリット/研究メリットとして具体化し、広報することが回転(収集→利用→成果→利用拡大)の鍵である、と提言。
  • 初期は大きなエネルギーが必要(丸太を転がす段階)が、システムができれば加速度的に進む可能性があると述べ、継続開催への期待を表明。
  • 村上:
    • 有効活用の姿を目標として掲げ、皆と一緒に発信していく旨。
    • 来年度以降もワークショップを年1回または2回開催し、個別訪問等もしながらシステムのあり方を相談していきたい旨を述べ、閉会。

6. 決定事項・共有事項(会議中に「実施済/実施予定」と明言された内容)

  • 大学HP内にSCCCホームページを開設済み。
  • 解析(一次解析)結果の一部は既に公開済み。
  • 遺伝子パネル情報は、生データ収集ではなく「解析結果を収集する」整理で検討し、統合情報として扱う方向。
  • ローカル(オフライン)AI活用の実証実験準備を進める方針。

以上