ICU

センター紹介

ICU(Intensive Care Unit、集中治療室)は、中央病棟6階にベッド数14床(個室10床・オープンフロア4床)、5階にベッド数14床(個室12床、オープンフロア2床)、入院病棟2階にベッド数10床(全室個室)のICU・CCU・SCUを有し、病状が重症あるいは重症化しそうな状態で集中的な監視と治療が必要な方を、院内院外・年齢を問わず広く受け入れています。コロナ禍においても都内の重症患者を受け入れ、ECMOなど先進的な医療を提供してきました。
当院のICUは、日本集中治療医学会認定専門医研修施設ならびに日本専門医機構認定集中治療科専門研修施設です。
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小谷 透

診療体制

昭和大学病院では2018年4月から集中治療科が設立され、2020年4月からは日本集中治療医学会認定専門医の指導のもと集中治療科専従医師がユニット内に常駐して診療しています。また、ベッド2床につき専属の看護師1名以上が配置されています。最新の複合臨床モニターを用い24時間密接に見守ります。特に重症呼吸不全治療ではECMOや特殊な人工呼吸療法を含め国内有数の治療体制を備えています。5階ICU・CCUは循環器内科とともに運営しており、国内でも数少ない診療体制を敷いています。

診療方針

各階の個室はプライバシーを保つだけでなく、部屋を陰圧や陽圧にする設備によって感染症や免疫不全状態にある患者さんに対しても最適な環境での治療が提供できるよう配慮されています。これらの充実したハードに加え、前述の集中治療専門医、感染症科・リハビリテーション科医師、専門・認定看護師、臨床工学技士、理学療法士、管理栄養士などの重症治療に特化した資格を持った医療スタッフが、診療科や部門を超えてチーム医療を提供していることも大きな特色です。様々な理由から入院治療が必要となり精神的・肉体的負担を抱えた患者さんが1日も早く元どおりの生活に戻っていただくために、これらスタッフがサポートし、早期リハビリテーションなど身体機能を維持するための介入と精神的支援を積極的に実施しています。

特徴的な診療領域

急性呼吸不全治療の専門的治療施設として活動しており近隣施設からの搬送も受け入れています。最重症の疾患である急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の治療に必要な各種人工呼吸器、腹臥位療法、体外循環を用いた人工肺による補助療法(ECMO)では国内でも有数の成績をあげています。ARDSは有効な薬物療法がない疾患ですが、新しい治療法の開発にも取り組んでいます。

主な対象疾患

  • 敗血症
  • 急性呼吸不全、慢性呼吸不全の急性増悪
  • 急性心不全、心筋梗塞
  • 脳卒中(脳出血、脳梗塞、くも膜下出血、など)
  • その他の急性臓器不全(腎不全、肝不全、急性膵炎、など)
  • 血液疾患、リウマチ性疾患
  • 腹部感染症、大手術後全般

スタッフ紹介

医師名役職専門分野資格
小谷 透教授
診療科長
集中治療
 人工呼吸
日本集中治療医学会認定医、日本麻酔科学会指導医、日本呼吸療法医学会呼吸療法認定医
渡辺 太郎助教
診療科長補佐
集中治療
救命救急
小児
日本集中治療医学会認定医、日本救急医学会専門医、日本小児科学会指導医、PALSインストラクター
喜久山 和貴助教集中治療
救命救急
小児
日本救急医学会専門医、日本小児科学会専門医、PFCCSインストラクター、NCPRプロバイダー
五十嵐 友美助教麻酔日本麻酔科学会専門医、日本DMAT隊員
森 麻衣子講師(江東豊洲病院)集中治療日本集中治療医学会認定医、日本麻酔科学会指導医、日本リハビリテーション学会専門医
松永 奈緒非常勤医師救命救急
麻酔
日本救急医学会専門医、日本麻酔科学会専門医、日本内科学会認定医

医療従事者の方へ

研究内容

集中治療科は地域医療に貢献するため、救急診療科・呼吸器内科・循環器内科などと連携して、院外からの診療依頼に対してもICU/HCUに収容し積極的に診療支援を展開しています。特に急性呼吸不全については十分な診療体制を確立しており随時受け入れが可能です。診療支援を含めご相談ください。

集中治療科では下記の臨床研究を行い、診療実績の向上に努めています。
  • 重症呼吸不全患者に対する特殊な人工呼吸芳(APRV、NAVA、ECMOなど)
  • Electrical Impedance Tomography(EIT)による換気分布評価と換気設定調整
  • 集中治療後症候群(PICS)と早期リハビリテーション

診療実績

入院患者数


2022年2023年
5階・6階ICU2,287人(うち緊急入院患者数:914人)
2,545人(うち緊急入院患者数:1,126人
外科系診療科から:1,869人、内科系診療科から:676人)
治療内容

2022年2023年
予定手術患者1,584人
1,684人
非心原性ショック
171人293人
意識障害104人178人
呼吸不全204人235人
循環不全(入院病棟ICU・CCU・SCUに直接入室しか患者は含まない)
56人67人
主な治療行為

2022年2023年
陽圧人工呼吸330件
346件
気管挿管282件293件
気管切開72件96件
VV-ECMO3件1件
VA-EMCO7件14件
血液浄化療法(CHDF、HD、PMX-DHP、血漿交換など全てを含む) 422件215件