脳血管センター【脳卒中科】

診療科・センター紹介

寺田先生センター長
寺田友昭
2021年6月より、昭和大学横浜市北部病院に脳血管センター(脳卒中科)が新設され、センター長として寺田友昭が就任いたしました。脳血管センターは、脳ドックで発見される未破裂脳動脈瘤、頸動脈狭窄症、超急性期脳主幹動脈閉塞症などの虚血性脳血管障害、破裂脳動脈瘤、脳動静脈奇形などの出血性脳血管障害を含めたすべての脳血管障害を扱いますが、それ以外に脊髄硬膜動静脈シャント、脊髄動静脈奇形などの脊髄血管障害、脳腫瘍、頭頚部動静脈奇形、難治性鼻出血、などの疾患を扱っています。特に大型の脳動脈瘤のフローダイバーターによる治療は、神奈川県下で最も多くの治療経験を有しています。また、新しい動脈瘤素材であるWEB, Pulseriderなど国内では施設限定で使用されているデバイスもすべて使用可能です。現状では、これらの疾患に対し、国内最高機種のPhilips社の血管撮影装置Azurionを用いて脳神経血管内治療を行っております。センター長の寺田は、脳神経血管内治療の国内のパイオニアの一人であり、脳神経血管内治療が日本に導入された当初より本治療に携わっております(指導医番号9番)。日本脳神経血管内治療学会の理事、学会長を歴任し、血管内治療件数も5000例を超え、豊富な知識と高い技術を持っています。最近では、昭和大学横浜市北部病院のみではなく、北海道から九州までの全国の病院で高難度脳動脈瘤、脳動静脈奇形、硬膜動静脈シャントの治療を数多く手がけています。また、国内のみではなく、海外の脳神経血管内治療関連の主要な学会でも役員も務めています
2022年度より日本脳神経血管内治療学会 指定訓練施設となり、約1年間の研修で脳神経血管内治療専門医受験資格取得可能です。こちらでの脳神経血管内治療の専門研修を希望の方は寺田まで連絡ください。

診療体制

寺田教授外来担当日:金曜日午前
手術日:火曜、木曜


診療実績

2022年度実績
2022年度 脳血管内治療:120件 DSA検査:281件 検査・治療総数:401件 

脳血管内治療

内訳 

(計120件)

脳動脈瘤コイル

22件

急性期血行再建

16件

脳動脈瘤フローダイバーター

19件

脳、硬膜動静脈奇形

11件

頸動脈ステント

31件

脳腫瘍 その他

8件

PTA等

13件

関連学会、研究会としては、HybridNeurosurgery研究会、ALICE Tokyo年1回開催
青葉塾(脳神経血管内治療合併症検討会 semiclosed)年2回(6月、12月)開催しております。こちらも興味ある先生は、御連絡下さい。

なお、診療実績の詳細はこちらにも記載しております。

主な対象疾患

特に、下記の疾患で治療を受けるかどうかお悩みの患者様がおられましたら、是非ご紹介ください。
1)脳動脈瘤:難易度の高い大型脳動脈瘤に対するフローダイバーター、複数ステント組み合わせによる治療を行っており、他府県からの多くの紹介患者に対応しています。すでにフローダイバーターの治療、指導実績は150件を超え、神奈川県下では最多数の治療実績を有しています。
2)脳動静脈奇形(AVM):ONYXを用いた塞栓術および集学的治療を他施設を含め年間20―30件行っています。最近では脳動静脈奇形に対する経静脈的塞栓術を国内で初めて成功させ、現在まで7例を経静脈的塞栓術で根治させています。脳動静脈奇形でお悩みの方は是非ご相談ください。
3)硬膜動静脈シャント:すべての硬膜動静脈シャントの治療を行います。現在まで400件近い治療実績があり、国内でも最多症例数を経験しています。それ以外に、通常の施設では行っていないバルーンカテーテルを用いて静脈洞を温存した状態でシャントのみを閉塞させる新たな手技を開発しています。特に軽症のType Iは拍動性耳鳴りで発症することが多く、根治は困難でしたが、本法で90%以上の割合で根治が得られます。本疾患に伴う拍動性耳鳴りの患者様も御紹介いただければ当科で精査、加療いたします。
4)頸動脈狭窄症:約1200件という国内最多の治療経験を有し、狭窄症のみでなく慢性期完全閉塞症に対して世界初の治療成功例をJournal of Neurosurgery報告しています。
5)脊髄血管障害:脊髄硬膜動静脈シャント、脊髄動静脈奇形などの比較的まれな疾患ですが、難治性であり診断も困難な場合があります。両下肢のしびれ、膀胱直腸障害などで発症し、長期に放置した場合は回復が困難となります。硬膜動静脈シャントの場合は、かなりの割合で血管内治療により根治が期待できます。
6)頭頚部血管奇形:拍動性耳鳴り、頭頚部の拍動性腫瘤で発見されることの多い疾患です。適切な血管内治療により根治が期待できます。最近では我々の開発したダブルバルーンによる経静脈的塞栓術で大部分の症例が根治可能です。
7)難治性鼻出血:血管奇形、動脈瘤などを合併している可能性があるので、頻回の大量鼻出血がある場合は受診してください。

スタッフ紹介

氏名 役職 専門 資格
寺田 友昭
てらだ ともあき
センター長
特任教授
脳神経血管内治療 医学博士、
日本脳神経血管内治療学会:指導医
日本脳神経外科学会:専門医・指導医
日本脳卒中学会:専門医・指導医
日本脳卒中の外科学会:技術指導医
山家 弘雄
やまが ひろお
助教 脳神経血管内治療 日本脳神経外科学会:専門医・指導医
日本血管内治療学会:専門医
日本脳卒中学会:専門医・指導医