集中治療医学講座

お知らせ

講座紹介

1.当学集中治療医学講座の目的と特徴

重症患者管理のスペシャリストとしてチーム医療のなかで力を発揮し、患者の予後向上と完全なる社会復帰に寄与すると共に学術的に秀でた集中治療医を育成することが当講座研修の目的である。

集中治療科はIntensive Care Unit(ICU)とHigh Care Unit(HCU)を統括管理し、救急ICUならびにCCUと連携して、成人小児を問わず院内外の重症患者を年間2000余例受け入れている。当科の特徴は、術後患者や重症内科疾患、重症感染症、重症呼吸不全などの多様な症例を経験することができることである。特に重症呼吸不全ではElectrical Impedance Tomographyによる評価、特殊な人工呼吸療法、腹臥位療法、VV-ECMOなど他施設では経験できない最先端の医療を系統的に学ぶことができる。専従医師には日本集中治療医学会認定医4名を中心に呼吸器・消化器・脳神経領域からの各科専門医を集め、看護師、薬剤師、臨床工学技士、理学療法士、管理栄養士、緩和ケア専門医、精神心理療法士などからなる多領域・多職種参加型チームによる集中治療管理と医学教育を行っている。

2.当学集中治療研修プログラム

下記の5つの到達目標を掲げている。

  1. 患者の治療すべき疾患・病態を診断するための適切なモニタリングを選択し、臓器の重症度と治療の優先度を判断し、治療目標を設定できる
  2. 臓器不全の重症度と緊急性を評価し、臓器機能の回復および維持のための介入を適切なタイミングで行うことができる
  3. 疾患・病態の診断や治療介入のために必要な人材・リソースを集め、患者の社会復帰に向け活用することができる
  4. 患者および家族への十分な説明を行い、患者および家族の意思決定を支援できる
  5. 多職種からなるチームメンバーと情報を共有し建設的なディスカッションを行う中で、リーダーシップを発揮することができる

3.本学における集中治療の今後

日本の集中治療の現場では、麻酔科、救急科、および小児科の専門医が主に活動しているが、内科系や外科系などの背景をもっている専門医の参加が増えプロフェッショナルが協働することで、集中治療医学はより幅広い基盤を得てさらなる発展が期待できる。さらに、チーム医療として多くの専門家とコミュニケーションを取り重症患者のケアに従事することで、効率よくかつ効果的にマネジメントできる。本学においても、専門医だけでなくあらゆる職種のプロフェッショナルが参加し、ICUの効率的かつ円滑な運営に大変役立っている。この多方面からのアプローチは、ICUからの退室という短期的な目標だけでなく、退院後の生活やQOLといった長期的な予後にも目を向ける治療には必要不可欠である。

さらに、当学ではアジア初となる遠隔ICUシステムを導入し、品川区にある昭和大学病院と江東区の昭和大学江東豊洲病院を繋いで、我が国の実情にあったシステムの開発とその有効性を追究している。医療安全と経済性において一定の成果が得られると期待しており、このシステムをさらに多くの地域に展開する意義は大きいと考えている。

以上の活動から、①重症患者に質の高い集中治療とケアを提供できる体制を構築し、②質の高い集中治療専門医を育成するシステム、そして、③社会および病院内での集中治療医の地位を確立し社会ヘアピールする、という大目標を掲げている。

講座員

教員(専任)

役職氏名name
診療科長・教授小谷 透Kotani Toru
講師宮下 亮一Miyashita Ryoichi
助教庄野 敦子
助教(診療科特別)染井 將行
助教(診療科特別)森 麻衣子Mori Maiko
助教市川 ゆき

研究業績

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