令和5年度 昭和大学入学式・入寮式を挙行しました

お知らせ

4月13日、昭和大学富士吉田スクエアガーデンにおいて、令和5年度昭和大学入学式・入寮式を挙行しました。
若葉がキャンパスを彩るなか、医学部134名、歯学部96名、薬学部220名、保健医療学部151名(看護学科101名、リハビリテーション学科理学療法学専攻35名、リハビリテーション学科作業療法学専攻15名)の合計601名が医療人としての第一歩を踏み出しました。
なお、新型コロナウイルス感染防止のため、参列できない保護者に向け、ライブ配信を実施しました。
 
入学式・入寮式に先立ち、4月10日~12日にかけて、すべての新入生に対してPCR検査を順次行いました。学生は、PCR検査を受けた当日は自宅に戻ることなく、旗の台キャンパスからバスで一路富士吉田キャンパスへ向かいました。
 
入学式では、久光 正学長の告辞(別掲)に続き、小口勝司理事長は祝辞で「昭和大学は、他の大学にはない、医系総合大学ならではのシステムを作っています。大きな特長の1つが、この初年次の全寮制です。ここで、他人を知る、人を知る、コミュニケーションの大切さを知る、これを1年間、じかに体験し実感してもらいます。ただ、それは教わるのではなく、皆さんが自身で学んでいくということです。皆さんが大きく成長されることを願っています」と述べました。
 
続いて、新入生代表の野部直弘さん(薬学部薬学科)の発声に合わせ、昭和大学宣言を関係者一同で唱和しました。
 
その後、行われた入寮式では、教育部長の挨拶をはじめ、職員や学生会中央委員が紹介されました。

001_バス出発新入生を乗せ富士吉田キャンパスへ
002_入学式当日の富士吉田入学式当日の富士吉田キャンパス
003_入学式式場入学式式場
004_学長告辞告辞:久光 正 学長
005_理事長祝辞祝辞:小口勝司 理事長
006_昭和大学宣言昭和大学宣言:野部直弘さん(薬学部薬学科)
007_式後の様子式後の様子
008_式後の様子式後の様子
009_式後の様子式後の様子
010_集合写真集合写真

久光 正 学長 告辞

令和5年度、昭和大学に入学された皆さん、ご家族の皆さん、ご入学おめでとうございます。私は昭和大学学長を拝命しております久光 正です。皆さんに学長としてお祝いの気持ちと充実した学生生活を送るための考え方についてお伝えしたいと思います。
 
本学の建学の精神は「至誠一貫」であります。社会に貢献する優れた医療人を育成する。この精神を建学以来持ち続け、多くの医療人を社会に輩出してきました。
 
この度、入学された皆さんもまた、医学、歯学、薬学、保健医療学を修め、優れた医療人になるべく学修を積み重ねることになります。
 
では優れた医療人とはどのような人をいうのでしょうか?
私は、深い知識、優れた技術、適切な態度(心構え)を備えた人であると考えます。
 
人体の構造と機能、疾病や損傷、またその治療法などを知っている。これは知識です。
検査や治療の手技を正確・迅速かつ効果的に行うことができる。これは技術です。
患者さんは物ではなく、心をもった人です。赤ちゃんから老人まで対象年齢は広く、家庭環境もさまざまです。これらの患者さんの気持ち・考えを正しくくみ取り、適切な言葉や立ち居振る舞いで、まごころを持って接する。これは態度(心構え)にあたります。
今日から毎日少しずつ、優れた医療人になるために、「頭を鍛え」「技を磨き」「心を養う」のです。
 
私はこの中でも特に「心を養う」ことの大切さについて強調したいと思います。
 
「心を養う」ためには「適切な態度を身につける」、「高いコミュニケーション能力を身につける」ことが大切です。
富士吉田教育部での寮生活はこれらを育むのに大変適した環境であると思います。「礼儀」「思いやり」「意思の疎通」「友情」これらを育む素晴らしい機会です。
 
医療現場では良好なコミュニケーションを保つことは良い医療を進める上で必須であります。言語情報は勿論重要ですがあわせて、表情や声の抑揚など非言語的表現が大切です。
声の出し方には感情が込められます。強い言葉も柔らかな呼びかけであれば「怒っていませんよ」というメッセージになります。また、「これだけはどうしてもわかってほしい」と思っているときには言葉に熱い感情が込められ、平凡な言葉でも相手に強い印象で伝わります。耳から聞こえてくる言葉は、ただの言葉ではなく、声の音色により言葉に艶(つや)を与えるものです。
富士吉田教育部での寮生活において、大いに語り合い、「思いやり」「意思の疎通」「友情」を育んでください。友人との様々な話し合いから、「言葉選び」、「感情の添え方」、「表現の仕方」、「相手の話の受け止め方」などのコミュニケーション力を鍛えてください。これが将来、より良き医療人になる訓練でもあります。
 
古くから日本では「言葉」には「言霊」が宿り、言葉の霊力が表現内容を実現する力があると信じられてきました。現実に、医療の現場では治療手技と共に、あるいはそれ以上に患者さんに伝えた「言葉」により勇気づけられ、希望が湧き上がり、これまでとは打って変わって病状が好転する、あるいは積極的な生き方になるということがあります。皆さんにはそのような話しのできる達人になっていただきたいと思います。
言霊ともいわれる強い力を持つ言葉ですが、不適切な言葉を用いると相手に想像以上に深い心の傷を負わせることがあります。不用意な言葉遣いが患者さんの尊厳、希望を打ち砕いてしまうこともあります。医療人としては忘れてはならない注意点です。
また、「言葉」の力は話しかけたその時だけでなく、時間をおいて後日、その力が現れることもあります。あの時にかけられた「言葉」の意味が今わかりました。今では大きく生活を改善することが出来ました。といって感謝されることもあります。
 
新入生の皆さんに再度、強調したいと思います。
深い知識、優れた技術、適切な態度(心構え)を備えた優れた医療人に成長してください。
本学全職員は至誠一貫の精神を備えた医療人育成のため全力を尽くします。
 
先日、新聞にこのような詩がのっていました。
 
リスが貯蔵のために 埋めたドングリは
掘り起こすことを忘れたリスのおかげで森の何処かで発芽する
 
あなたが誰かの胸に埋めた 優しい言葉は
あなたが忘れても きっといつか その人の胸でそっと 発芽するでしょう
 
毎日、少しずつ学修を重ねることで皆さんは毎日少しずつ変化・成長していきます。
4年後、6年後、皆さんがどのように変化しているか楽しみです。
 
こんな言葉があります。
変えられないもの   過去と他人
変えられるもの    未来と自分
 
大いに学修して、素晴らしい変化が生まれることを期待しています。
ご入学おめでとうございます
 
これをもって学長告辞といたします。
 
令和5年4月13日
昭和大学            
学長 久光 正