昭和大学江東豊洲病院 臨床工学室

江東豊洲病院は豊洲市場や東京オリンピック・パラリンピック会場の建設など、ここ数年で大きく変貌を遂げている東京湾岸エリアにあります。当院は土日、祝日も平日と同様に週日化しており、臨床工学技士が24時間常時滞在しており、夜間は当直体制をとっています。 特徴的な業務として経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)や経皮的僧帽弁形成術(Mitra Clip)などの症例においてハートチームの一員として参加しています。

人員構成

(2024年7月現在)
技士責任者:柿沼 浩 (技士長)
他、係長 1名、臨床工学技士 15名 計17名

業務体制

組織的な業務分担として臨床業務を中心として行う臨床技術支援部門と、保守点検を中心とした機器保守管理部門に大別し、さらに臨床技術支援部門は医療機器管理部門、血液浄化部門、IVR部門、手術室・人工心肺部門にわけ、それぞれへ管理者を配置している。

1)臨床技術支援部門:呼吸(人工呼吸器、在宅呼吸器、陽・陰圧体外式呼吸器、HFT)、循環(体外循環、IVR、ペースメーカ等各種植込み型デバイス)、代謝(血液浄化)を担当。
(1)手術室業務:術室業務:人工心肺関連装置の操作、麻酔器・各種手術装置の保守・管理を担当。TAVI、Mitra clip時ハイブリッド手術室内のポリグラフ、体外式ペースメーカの操作、合併症発生時に備え人工心肺装置やECMOなどの操作および保守管理を担当。
(2)ICU業務:人工呼吸器、IABP、ECMO、CRRTなどの操作および保守管理をはじめ、医療機器全般の操作管理を担当。
(3)IVR室業務:心臓カテーテル室内のポリグラフおよびカテーテル関連機器、心臓電気刺激装置、3Dマッピングシステム、IABPやECMOなどの生命維持管理装置の操作および保守管理)、ペースメーカ/ICD/CRT埋め込み時のプログラマ操作を担当。
(4)ペースメーカ関連業務:ペースメーカ、ICD、CRT埋め込み後の病棟・外来点検、また手術・検査前後の点検を担当。
(5)血液浄化業務:血液浄化室、ICUでの血液透析(濾過)やアフェレーシス療法、CRRTなどの各種血液浄化治療を担当。

2)機器保守管理部門:中央機器管理(機器管理)を担当する。主な業務はME機器の中央管理業務、保守点検計画の作成、職員へのME機器の使用方法等の教育等を担当。

3)CE部門と血液浄化部門間で人員配置の面で明確な分担とはせず、各自がより広くの業務を行うことで補完的な協力体制の構築を最優先している。

4)日曜、祝日を含め全日日勤体制で、業務時間は8:30~17:00を基本とし、それ以降は当直体制とし、日勤継続業務は日勤者が業務を引き継ぐ体制をとっている。

実績

2023年度
2022年度
2021年度
人工呼吸器(成人) 4319台
4534台
5921台
人工呼吸器(小児) 2168件
1455台
2932台
血液(濾過)透析 1376件
1595件
1649件
アフェレシス 153件
111件
76件
持続的血液浄化 836件
668件
728件
IVR(成人) 808症例
835症例
829症例
不整脈治療 387症例
368症例
401症例
人工心肺症例 161症例
143症例
177症例
非人工心肺症例0症例
0症例
0症例
PCPS・ECMO110件
31件
51件
IABP215件
135件
164件
ペースメーカ(外来) 766件
775件
758件
ペースメーカ(病棟)221件
237件
402件
植込み・交換221件
82件
96件
機器管理(定期点検)316件
82件
372件
機器管理(CE修理)270件
251件
130件

臨床工学技士養成校より臨床実習生および病院見学等の受け入れ

(2023年度)
臨床実習
・東海大学
・杏林大学
(2022年度)
臨床実習
・東海大学
・杏林大学
(2021年度)
臨床実習
・東海大学
・杏林大学

講演

(2023年度)
開催月 内容 主催 開催地
2023年7月
スッキリ血液ガスのみかた~呼吸と循環に活かす~
一社)神奈川呼吸療法研究会
神奈川
2023年 7月
個別化への革新~遠隔ICUから得た新たなアプローチ~
一社)日本集中治療医学会
東京
2023年 9月
設備保守による病棟内一般電源の停電
日本医療機能評価機構
第2回 施設・環境・設備安全セミナー
web
2024年2月
人工呼吸器の初期設定、見て、触れて、感じて学ぶ人工呼吸管理
(NPO法人)日本呼吸ケアネットワーク東京
2024年 3月
人工呼吸器離脱プロトコル
TEG6sの運用と活用法
(株)ヘモネティクスジャパンweb

(2022年度)
開催月 内容 主催 開催地
2022年5月
ネーザルハイフローのここがキモ!
日本呼吸ケアネットワーク
web
2022年 6月
重症呼吸不全における人工呼吸管理戦略
第29回東京都臨床工学会 共催セミナー フクダ電子株式会社
東京
2022年 9月
人工呼吸器の初期設定
日本呼吸ケアセミナー web
2022年8月
やさしくわかる血液凝固の基礎
東レメディカル
web
2023年 2月
人工呼吸器離脱プロトコル
チームCE研究会中部・関東 web
2023年 3月
重症肺障害に対する人工呼吸管理あらためて肺保護換気を学びなおす(肺保護換気、PEEP設定を中心に)
神奈川呼吸療法研究会
神奈川
2023年 3月
CEの働き方改革を考える~当院における勤務形態の現状と展望~
神奈川呼吸療法研究会
web

(2021年度)
開催月 内容 主催 開催地
2021年4月 徹底解説!臨床工学技士が考える、看護師が知っておくべきECMO・PCPSのポイント Phronesis Web
2021年6月 呼吸=肺じゃない!呼吸療法に必要な血液ガス分析 神奈川呼吸療法研究会 Web
2021年8月 当院の体外循環の現状〜我々が選択するその理由〜 TERUMO Web
2021年9月 もう困らない!心大血管手術における一酸化窒素吸入療法 マリンクロットファーマ Web
2021年10月 NIRSの魅力伝えます〜心大血管手術における組織酸素飽和度の臨床的意義〜 日本体外循環医学会 Web
2021年10月 FileMakerを利用した機器管理 OneCE Webセミナー Web
2022年 2月 新型コロナ流行期の苦労と工夫 昭和大学集中治療医学講座 Web
2022年 2月 重症呼吸不全における人工呼吸管理の考え方 富山県臨床工学技士会 Web

(2020年度)
開催月 内容 主催 開催地
2020年5月 人工呼吸器管理オートメーション化の課題 日本医工ものづくりコモンズ Web
2020年9月 肺保護歓喜VV-ECMOを学び直す〜最近の知見を踏まえて〜 神奈川呼吸療法研究会 Web
2020年12月 やさしくわかるNIRSのポイントと体外循環での活用法 TERUMO Web
2021年2月 徹底解説!臨床工学技士が考える、看護師が知っておくべきECMO・PCPSのポイント Phronesis Web

(2019年度)
開催月内容主催開催地
2019年6月主要演題9 ARDSに対する人工呼吸管理~この病態には、この管理!~東京都臨床工学会東京
2019年7月第30回呼吸ケアセミナー『ハイフローセラピーを極める』NPO法人日本呼吸ケアネットワーク東京
2020年1月第2回jasect勉強会 俺のモニタリング  『私の施設のNIRS』~NIRO200NX~JaSECT関東甲信越地方会東京


学会発表

(2023年度)
開催月 演題名 学会研究会名 開催地
2023年6月 多電極マッピングカテーテルOCTARAYTMの臨床使用に基づく有用性の評価 第30回東京都臨床工学会 東京
2023年7月 冠動脈疾患患者における人工肺圧上昇の原因を血液粘弾性検査から解析する 第33回日本臨床工学会 広島
2023年7月 EVAR治療中に発生した急性下肢動脈閉塞がNIRSを用いたことで迅速に処置が可能であった1例 第33回日本臨床工学会 広島
2023年7月 調律による違いはクライオバルーンの冷却温度変化に影響を与えるのか 第33回日本臨床工学会 広島
2023年7月 人工心肺時間180分以上症例における離脱直後のフィブリノゲン機能が術中術後経過に及ぼす影響〜perfusionistとしての人工心肺中の管理の視点から〜 第394回昭和大学学士会 東京
2023年10月 人工心肺離脱時のフィブリノゲン機能が術後経過に及ぼす影響(第2報) 第48回日本体外循環技術医学会 宮城
2023年10月 10時間を超える人工心肺時間延長症例に対し血液粘弾性分析装置を用いチームで止血戦略を施行した一症例 第48回日本体外循環技術医学会 宮城
2023年10月
酸素化低下により肺交換を経験した一症例
第48回日本体外循環技術医学会
宮城
2023年10月

デュアルヒート回路によるインシデントの症例~分泌物による呼気弁障害とシングルヒート回路の有用性の検討

第9回統括臨床工学室学術大会
東京
2023年10月
COVID-19肺炎患者における人工呼吸器導入において臨床工学技士の介入が重要であった1症例
第9回統括臨床工学室学術大会
東京

(2022年度)
開催月 演題名 学会研究会名 開催地
2022年11月 心房細動中における、クライオアブレーション冷却効果に関する検討 カテーテルアブレーション関連秋季大会 2022 新潟
2022年11月 やはり来た!!新型コロナウイルス感染症に対する人工呼吸器管理のCE役割 第8回昭和大学
統括臨床工学室学術大会
web
2022年11月 VA固定テープの粘着両区比較
-JIS規格の評価法と皮膚貼付における粘着力の相違-
第8回昭和大学
統括臨床工学室学術大会
web
2022年11月 人工心肺離脱時の血液凝固能が術後経過に及ぼす影響~Effect to the post-op course by using blood coagulation capacity at weaning from cardiopulmonary bypass~ 第47回日本体外循環技術医学会大会 福岡
2022年11月 血液粘弾性検査を用い汎血球減少症に対し全大動脈弓人工血管置換術を施行した1例 第47回日本体外循環技術医学会大会 福岡
2022年11月 心臓血管外科術後のヘパリンを用いないECMOデバイス関連トラブルの後方指摘検討 第47回日本体外循環技術医学会大会 福岡
2023年 3月 当院ではこんな呼吸管理をしています 第35回神奈川呼吸療法カンファレンス 神奈川

(2021年度)
開催月 演題 学会・研究会名 開催地
2021年5月 Thromboelastographyによって診断される術前から存在する血小板機能低下は術中輸血量に影響を与えるか 日本臨床工学技士会 熊本+web
2021年5月 血液粘弾性分析装置(Quantra)で低フィブリノゲン血症を予測できるか 日本臨床工学技士会 熊本+web
2021年 6月 らせん側孔カテーテルに対するIn Vitro再循環率測定 日本透析医学会学術集会 神奈川(Web)
2021年10月 長時間体外循環を要した希少血液型患者に対する輸血戦略〜人工心肺中に施行可能な血液粘弾性検査の有用性〜 日本体外循環医学会   東京(Web)
2021年10月 心大血管術における異なる2種類のACT測定装置の性能評価 昭和大学統括臨床工学室学術大会 Web
2021年10月 各種膜型人工肺の排出ガスに関する検討 昭和大学統括臨床工学室学術大会 Web
2021年11月 SHD治療への各部署からのアプローチ〜臨床工学技士の立場から〜 Structure Club Japan 東京+Web
2022年3月 医療機器保有台数の評価と効率的運用に向けて~附属病院間での医療機器の共有化~ 至誠塾 昭和大学

(2020年度)
開催月 演題 学会・研究会名 開催地
2020年9月 Thromboelastographyからみた急性A型大動脈解離患者の血小板機能と体外循環の検討 公社)日本臨床工学技士会 名古屋
(Web)
2020年9月 気管切開人工呼吸器装着患者にNPPV専用機(V60)を用いた歩行リハビリテーション 公社)日本臨床工学技士会 Web
2020年9月 第30回日本臨床工学会「eICUを用いた集中治療チームカンファレンスに参加して」 公社)日本臨床工学技士会 名古屋
(Web)

(2019年度)
開催月演題学会・研究会名開催地
2019年4月東レ社製ポリスルホン(PS)膜血液透析濾過器NVFの循環動態に対する臨床評価第46回日本血液浄化技術学会学術大会東京
2019年6月透析液清浄化の新たな取り組み第64回日本透析医学会学術集会神奈川
2019年9月On line HDFにおける補充液量の違いによる臨床評価第46回城東腎不全研究会東京
2019年10月動脈ライン確保が困難な右腋窩動脈送血に対し近赤外分光法を使用した3症例第45回日本体外循環医学会愛知

論文・投稿原稿

(2023年度)
論文タイトル 分類(雑誌名)
人工心肺離脱時の血液凝固能が術後経過に及ぼす影響(原著) 昭和大学所蔵
【人工呼吸管理での新たな工学的技術の進展】NAVAモードでの人工呼吸管理の実際 成人領域での臨床例 東京都臨床工学技士会会誌Clinical Engineering 34(6) 543-550 2023

(2022年度)
論文タイトル 分類(雑誌名)
INO療法に用いられる医療機器 Clinical Engineering 33巻11号 p.1064-1072

(2020年度)
論文タイトル 分類(雑誌名)
NIRS ってなに その② 臨床編 東京都臨床工学技士会会誌  31巻 2号

(2019年度)
論文タイトル分類(雑誌名)
新循環セミナー 第44回人工心肺装置の基礎『脳循環の基礎知識』東京都臨床工学技士会会誌
体外循環基礎セミナー『NIRSってなに?その1』東京都臨床工学技士会会誌
特集ARDS 『ARDSの人工呼吸管理の基礎』東京都臨床工学技士会会誌


(2024年7月10日 更新)