感染症内科

診療科紹介

近年、新型コロナウイルス感染症や多剤耐性菌による院内感染症など、様々な感染症がマスコミにも取り上げられ話題になることが多くなっています。感染症は1つの臓器に留まらず、あらゆる臓器に引き起こされるので、全ての診療科に密接に関係しています。今まではそれぞれの診療科が個別に感染症の診療に取り組んでいましたが、昨今は様々な感染症が増え、その診療は難しさを増しています。当科は感染症に専門的に取り組む診療部門です。感染症の的確な診断と確実な治療、効果的な予防法などの普及に取り組んでいます。院内感染症の発生防止なども大切な業務です。また、若手医師や看護師などに対する感染症の教育や啓発も重要な取り組みの一つです。
DSC03773(感染・時松)_加工済診療科長
時松 一成

診療体制

当科は独自の病床を持たないため、当該領域の診療科へご紹介いただき、当該領域の診療科を介した相談にはいつでも対応いたします。セカンド・オピニオンのご要望にも応じています。また、院内からの感染症相談には365日、24時間対応しています。入院患者では必要に応じて当該科に併診も行います。院内感染対策チームおよび抗菌薬適正使用支援チームとしての活動も、24時間体制で行っており、定期的な病棟回診を行うなど、患者さんが安心して治療に専念できるような院内環境づくりにも務めています。

診療方針

最新の感染症に関する診断と治療法の提供と、総合的な診療方針をモットーとしています。感染症は全身の疾病であり、感染症のみを抗菌薬で治せばよいものではありません。基礎疾患としての、糖尿病や呼吸器疾患などを同時に的確にコントロールする必要があります。当科の医師は感染症以外にも総合内科、呼吸器疾患などの専門資格を有しており、総合的に感染症に対応しています。

特徴的な診療領域

感染症の診断法は日進月歩です。当科では最新の診断法を幾つか研究しており、それらを用いて診断に迫ることが可能な疾患があります。また、最新の治療薬の臨床試験にも参加しており、それらを応用することも可能です。また、全ての血液培養陽性患者はグラム染色判明時点で診療状況を確認し、必要に応じて診療補助を行っています。

主な対象疾患

  • 呼吸器感染症
  • 尿路感染症
  • 肝・胆道系感染症
  • 消化器感染症
  • 中枢神経系感染症
  • 筋骨格系感染症
  • 循環器系感染症
  • 性感染症
  • 輸入感染症
  • 不明熱など

スタッフ紹介

医師名役職専門分野資格
時松 一成診療科長・
教授
感染症学、呼吸器病学、感染制御学日本感染症学会感染症専門医
日本感染症学会指導医
日本内科学会認定内科医
日本化学療法学会抗菌化学療法指導医
日本呼吸器学会呼吸器専門医
日本呼吸器学会指導医
ICD(インフェクションコントロールドクター)
日本医真菌学会認定専門医
日本臨床薬理学会特別指導医
詫間 隆博診療科長補佐・
講師
感染症学日本感染症学会感染症専門医
日本感染症学会指導医
日本内科学会総合内科専門医
日本内科学会指導医
日本化学療法学会抗菌化学療法指導医
ICD (インフェクションコントロールドクター)
卒後臨床研修指導医
温 麟太郎
助教感染症学、呼吸器病学
日本内科学会認定内科医
日本内科学会指導医
日本内科学会総合内科専門医
日本呼吸器学会呼吸器専門医
日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医
日本感染症学会感染症専門医
日本結核・非結核性抗酸菌症学会認定医
日本化学療法学会認定医
ICD(インフェクションコントロールドクター)
肺がんCT検診認定医
身体障害者福祉法第15条指定医
難病指定医
がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了
厚生労働省指定オンライン診療研修修了

医療従事者の方へ

研究内容

耐性菌の現状把握(サーベイランス)と感染対策、新しい治療法の開発、抗菌薬適正使用、治験体制の改築などをテーマに基礎的、臨床的研究を行っています。現在、進行中の研究は以下のようなものがあります。

  1. Antimicrobial stewardship teamによる抗菌薬適正使用支援活動のアウトカム評価
  2. 血液培養陽性患者に対する対応法
  3. 多診療科にわたる治験の取り組み
  4. 耐性菌分離患者の臨床的検討
  5. ニューキノロン耐性化遺伝子の解析
  6. 日本化学療法・日本感染症・日本臨床微生物三学会合同抗菌薬感受性サーベイランス(呼吸器感染症)

診療実績

入院疾患別実績

(2022年度)
血液培養陽性患者 約900例
院内コンサルト(血培以外)約70例
耐性菌、抗菌薬長期など 約40例

(2023年上半期)
血液培養陽性患者 499件
院内コンサルト(血培以外) 45件
耐性菌、抗菌薬長期など  34件

医療連携・紹介制度について

当科は独自の病床を持ちませんので、ご入院の場合は当該領域の診療科へご入院いただき、当科が併診させていただきます。外来への紹介についてもまずは当該領域の診療科へご紹介いただき、当該領域の診療科からの相談には随時対応させていただきます。