眼科

診療科紹介

眼科 西村診療科長
西村 栄一
当科は、昭和51年昭和大学藤が丘病院開院と同時に開設されました。平成21年に昭和大学藤が丘リハビリテーション病院に移転し現在に至っております。この間に社会情勢は大きく変化し、私たちを取り巻く医療環境も就任当時とは様変わりいたしました。しかしながら、大学病院の3つの柱といえる「臨床」「研究」「教育」を根底で支える「患者さんにとってよりよい医療の提供を目指す」という信念は変わっておりません。一般に、人は五感(視覚、味覚、聴覚、嗅覚、触覚の5つの感覚)の中でも情報の90%を視覚から得ているといいます。それだけ、「眼」というのは私たちの日常生活において大切で重要な器官といえます。その大切な「眼」を守るため、私たちはより高度な医療を提供すべく日々研鑽しております。
臨床
臨床では、「説明と納得の医療」を目指しております。不安を抱え来院された患者さんに、専門用語ではなく、分かりやすく患者さんが納得されるまで丁寧に説明できるよう心がけております。特に手術をされる患者さんには、ビデオなどを用い、詳しく解説しております。
研究
医局員一人ひとりがテーマを持ち、上級医師の指導の下研究を行っております。近年では、白内障手術に対する補助器具の開発などを行い、難治性の白内障に対しても安全かつ低侵襲な手術が可能となりました。また、白内障手術における超音波発振装置の改良、開発を行い、臨床データと模擬前房を用いての基礎実験を繰り返し施行し、より安全な手術装置の開発に寄与しております。また、白内障手術で使用する眼内レンズの開発や評価にも力を入れております。
教育
大きく分けて、学生に対するもの、研修医に対するもの、医局員に対するものなります。学生に対しては、電子教材を作成し、基礎となる知識を分かりやすく説明しております。研修医に対しては、研修医一人に対し、指導医を一人配置することにより眼科診療・手術など細かい部分まで丁寧に指導しております。また、医局員については、手術助手になるための豚眼を用いた実習を徹底的に行います。実際に手術を執刀する際には、助手として少しずつ執刀可能の範囲を広げてゆき、その折には細かい手技チェック表で指導医がチェック、後日、手術ビデオを供覧しながら、チェック表と合わせて確認を行います。一歩一歩確実に手技をマスターするよう心がけています。

診療科概要

特色

神奈川・東京の眼科や内科医からも信頼され、紹介されて受診される患者が50%以上を占めています。重症の方の手術を多く担当し、地域医療の中でも貢献しています。

外来診察

年間初診患者数は、約2,350人、再診患者数は、約13,100人。眼科一般の他、緑内障の専門外来も設けています(第4週の月曜日)。手術・入院相談での受診も受け付けしております。2009年9月より、藤が丘病院からリハビリテーション病院へ移転しました。 今後も、大学病院の特色を生かし、他科との連携を行いながら、総合的な診断・治療にあたっていきます。

手術の領域

当科の特色は、豊富な手術症例です。年平均の全手術件数は、約3,500件です。特に白内障、糖尿病網膜症、網膜剥離、緑内障では症例数の多い領域で、難治症例に対しても豊富な経験と高度な技術により、良好な治療成績をおさめています。黄斑円孔、黄斑浮腫、黄斑上膜など黄斑部に対する硝子体手術においても多数の症例を行っています。また、涙嚢炎に対する涙嚢鼻腔吻合術も行っており、良好な経過を得ております。

症例数・治療

白内障手術
白内障手術は約2,200例/年と最も多く、超音波水晶体乳化吸引術と眼内レンズ挿入術を行っています。小切開創に対応する眼内レンズ、多焦点眼内レンズを使用し、術直後からの安定した良好な視力回復と長期安定を目的とした手術を行います。また、白内障手術は、大部分は点眼麻酔を使用し、症例にもよりますが、およそ15分程度で終了します。入院期間は、安全に余裕をもって行うために手術前日入院、術後1~2日目退院を基本としています。 水晶体脱臼や緑内障合併例などの難しい症例の経験も豊富で、眼内レンズ縫着に対しても、小切開にて低侵襲な手術が可能です。
糖尿病網膜症  
糖尿病網膜症は内科との共同治療により網膜症の進行予防を徹底的に行っています。硝子体出血への進行を防止するための汎網膜光凝固は専門の医師が担当し長期的に管理いたします。硝子体出血や網膜剥離などの進行した網膜症に対する硝子体手術は約250例/年行っています。術式は、硝子体切除と術中網膜光凝固が主体で、難治症例には水晶体摘出術と眼内レンズ挿入術、増殖膜切除術、眼内液空気置換術、シリコンオイル置換術、輪状締結術などを併用します。小切開硝子体システム、眼底広角観察システムも採用しており、安全かつ低侵襲な手術が可能となっています。
網膜剥離
網膜剥離の手術は約120例/年で、硝子体手術、強膜バックリングを行っています。
小切開硝子体システム、眼底広角観察システムも採用しており、安全かつ低侵襲な手術が可能となっています。巨大裂孔や再剥離症例などの難症例に対しても、良好な網膜復位率を得ています。網膜剥離は、剥離期間が長くなると術後の視力回復の妨げになるため、早期に手術を行っています。
緑内障
緑内障は、点眼治療から開始し十分な眼圧下降が得られない例や視野障害進行例には眼圧下降を目的とした濾過手術を主に行っています。
その他
黄斑円孔や黄斑上膜.黄斑下出血に対する硝子体手術、慢性涙嚢炎に対する涙嚢鼻腔吻合術、眼瞼下垂に対する上眼瞼挙筋短縮術など、眼科手術全般を行っています。

【小児の手術に関して】
当院には専属の麻酔科医がいないため、小児の手術はおこなっておりません。
医療設備
フェムトセカンドレーザー白内障手術装置、前眼部解析装置、光干渉断層計、レーザーセルフレアメーター、超音波白内障手術装置、硝子体手術装置など。

主な対象疾患

  • 白内障
  • 緑内障
  • 網膜剥離
  • 糖尿病網膜症
  • 黄斑円孔
  • 黄斑上膜
  • 黄斑浮腫
  • 網膜静脈閉塞症
  • 網膜動脈閉塞症
  • 加齢黄斑変性症
  • 眼球破裂
  • 眼瞼下垂
  • 眼瞼内反症
  • 斜視
  • 弱視
  • 鼻涙管閉塞
  • 涙嚢炎
  • ドライアイ
  • 角膜潰瘍
  • 結膜弛緩
  • ぶどう膜炎

スタッフ紹介

医師名役職専門分野資格
西村 栄一西村 栄一
(にしむら    えいいち)
診療科長
教授
白内障・緑内障・網膜疾患
外傷性疾患における眼科手術学全般
医学博士
日本眼科学会専門医
日本眼科学会指導医
日本眼科手術学会代議員・理事
日本白内障屈折手術学会理事
日本白内障屈折手術学会雑誌「IOL&RS」編集長
早田 光孝早田 光孝
(そうだ    みつたか)
准教授白内障
網膜硝子体疾患
涙道疾患
医学博士
日本眼科学会専門医
日本眼科学会指導医
日本眼科手術学会代議員
日本白内障屈折手術学会雑誌編集委員
日本眼科学会プログラム委員
吉田 健也吉田 健也
(よしだ   けんや)
助教白内障
眼科一般
 日本眼科学会専門医
NO IMAGE菊池 孝哉
(きくち たかや)
助教白内障
眼科一般
  日本眼科学会専門医
NO IMAGE 二階堂 裕士
(にかいどう ゆうじ)
大学院生(眼科)
白内障
眼科一般

1634175467559柚木﨑 悠衣
(ゆのきざき ゆい)
助教
白内障
眼科一般

1634175467559飯田 英里
(いいだ えり)
助教白内障
眼科一般

1634175467559堀江 遥夏
(ほりえ はるか)
助教
白内障
眼科一般

1665644587040(くりおか    たかひろ)
学外研修中
白内障
眼科一般

1665644985161(しまさき そうへい)
学外研修中

白内障
眼科一般

1665645065544大塚 優
 (おおつか すぐる)
学外研修中

白内障
眼科一般

1665644225094鶴井 雅美
(つるい まさみ)
学外研修中
白内障
眼科一般

NO IMAGE中島 佳子
(なかじま   よしこ)
兼任講師白内障
屈折矯正
医学博士
日本眼科学会専門医
NO IMAGE渡邊 早弥子
(わたなべ    さやこ)
兼任講師小児眼科
ぶどう膜炎
弱視
医学博士
日本眼科学会専門医

眼科

外来担当医表

初診

初診

再診


再診

医療従事者の⽅へ

診療実績

診療実績は昭和大学眼科学講座のページをご覧ください。
眼科 診療実績

研究内容

  1. チン小帯脆弱・断裂眼などの白内障の難症例において開発されたカプセルエキスパンダーの有用性とその報告。
  2. 180度以上のチン小帯断裂眼において新しく開発された縫着型カプセルエキスパンダーの試作報告とその使用経験の報告。
  3. 小切開口による眼内レンズ挿入の安全性と自己閉鎖の評価。
  4. 強膜固定における、強膜床結紮部の強度測定の評価。
  5. 模型眼を用いた多焦点眼内レンズの像の見え方の分析・評価。
  6. 表面散乱光増強IOLの視機能への影響分析。
  7. エンドミラーを使用した白内障手術および緑内障手術の使用経験およびその評価。
  8. 新たに開発した虹彩縫合用持針器および針の使用経験およびその評価。

医療連携・紹介制度について

日頃より多くの患者さんをご紹介いただきありがとうございます。
白内障手術におきましては、現在2~3カ月の待機期間を頂いております。
大変ご迷惑をおかけいたしますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
硝子体手術におきましては2人の硝子体手術専門医が在籍しており、小切開硝子体システム、眼底広角観察システムを使用し、安全かつ低侵襲な手術が可能になっています。
また、病状が安定した患者さんについては、できるだけかかりつけの先生方に紹介させて頂き地域連携の強化を目指しております。今後とも、ご協力のほどをなにとぞよろしくお願い申し上げます。