腎臓内科

診療科紹介

当診療科では腎疾患全般、血液浄化療法を要する疾患を対象に診療しています。対象疾患の内訳は腎炎・ネフローゼ症候群、糖尿病や高血圧、リウマチ・膠原病などの全身性疾患に合併した腎疾患、遺伝性腎疾患、慢性腎臓病、急性・慢性腎不全などであり、末期腎不全では血液浄化療法(血液透析や腹膜透析)の導入と維持・管理、透析療法に伴う様々な合併症の治療を行っています。
DSC04139(腎内・本田)_加工済診療科長
本田 浩一

診療体制

腎臓内科は、日本腎臓学会専門医・指導医、日本透析医学会専門医・指導医を中心に約20名の医局員で構成されています。外来初診は教授・准教授・講師が担当し、病棟はグループ制で診療を行っています。また、特殊外来として腹膜透析外来、バスキュラーアクセス外来を設置し、腹膜透析の管理、血液透析のバスキュラーアクセス(シャント)管理を行っています。腎不全(腎代替療法選択)外来では、日本腎臓学会専門医・指導医、日本透析医学会専門医・指導医と腎不全や透析療法を専門とする看護師とが共同で透析療法や腎移植など腎不全代替療法について説明しています。また、腎疾患は栄養管理が重要なため、栄養士と連携して食事療法を実践しています。末期腎不全で腎移植を行う患者さんは腎移植センターと連携して治療を行なっています。

診療⽅針

当科では病棟回診とカンファレンスを週1回実施しています。カンファレンスでは入院・外来患者さんの診療方針を決定しています。また、血液浄化センターの回診は週2回行い、当科や他診療科の患者さんの血液浄化・アフェレシス療法の管理・治療方針決定しています。腎不全(腎代替療法選択)外来では、患者さんと医師とが科学的に根拠のある治療方法を共有して一緒に治療方針を決定するshared decision making(共同意思決定)を実践しています。患者さんと十分な時間をとり、進行した慢性腎不全に対する透析療法の選択や指導、腎移植の相談などを行っています。

特徴的な診療領域

腎炎、ネフローゼ症候群では腎生検による診断を行い、治療を行っています。薬物治療では治療が困難な膠原病や神経免疫疾患、血液疾患、閉塞性動脈硬化症、一部の皮膚疾患、潰瘍性大腸炎などに対しアフェレシス療法を施行しています。この方法は患者さんの血液から病気の原因と関連する物質を直接除去する治療法です。その他にも重症感染症や心不全に伴った多臓器不全に対し、急性血液浄化療法を行っています。

主な対象疾患

  • 蛋白尿、血尿
  • 急性腎炎
  • 慢性腎炎・ネフローゼ症候群
  • 慢性腎臓病
  • 急性腎不全、慢性腎不全
  • 高血圧症
  • 酸塩基、水・電解質異常
  • 血液透析、腹膜透析
  • 透析合併症(シャント不全、二次性副甲状腺機能亢進症、アミロイドーシス)

専⾨外来

腎臓内科

スタッフ紹介

医師名役職専門分野資格
本田 浩一
教授
診療科長
腎疾患全般、腎炎・ネフローゼ症候群、慢性腎臓病、血液浄化医学
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
日本腎臓学会専門医・指導医
日本透析医学会専門医・指導医
日本高血圧学会専門医・指導医
日本アフェレシス学会専門医
日本腎臓リハビリテーション学会 腎臓リハビリテーション指導士
伊與田 雅之
教授(兼担)
腎疾患全般、腎炎・ネフローゼ症候群、慢性腎臓病、血液浄化医学
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医、日本腎臓学会専門医・指導医、日本透析医学会専門医・指導医
柴田 孝則
客員教授
腎疾患全般、腎炎・ネフローゼ、慢性腎臓病
日本内科学会認定内科医、日本腎臓学会専門医・指導医、日本透析医学会専門医・指導医、日本リウマチ学会専門医
鈴木 泰平
准教授腎疾患全般
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医、日本腎臓学会専門医、日本透析医学会専門医・指導医
溝渕 正英
藤が丘病院 准教授
腎臓学、特に腎不全の病態と治療、ミネラル代謝異常、血液浄化医学
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医、日本腎臓学会専門医・指導医、日本透析医学会専門医・指導医、日本アフェレシス学会専門医
齋藤 友広
講 師
腎疾患全般
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医、日本腎臓学会専門医・指導医、日本透析医学会専門医・指導医、日本医師会認定産業医、日本プライマリ・ケア連合学会認定医、日本高血圧学会専門医、日本アフェレシス学会専門医
加藤 憲
講 師
診療科長補佐
医局長
腎疾患全般
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医、日本腎臓学会専門医、日本透析医学会専門医
黒木 亜紀
兼任講師
腎炎、自己免疫による腎疾患
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医、日本腎臓学会専門医・指導医、日本透析医学会専門医・指導医
横地 章生
兼任講師
腎臓病一般、慢性腎臓病、透析医学
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医、日本腎臓学会専門医・指導医、日本透析医学会専門医・指導医、日本プライマリ・ケア連合学会認定医・指導医
林 純一助 教
腎疾患全般
日本内科学会認定内科医、日本腎臓学会専門医、日本透析医学会専門医
森川 友喜
助 教
腎疾患全般
日本内科学会認定内科医、日本腎臓学会専門医、日本透析医学会専門医
稲葉 大朗
助 教
腎疾患全般
日本内科学会認定内科医、日本腎臓学会専門医、日本透析医学会専門医
美馬 友紀
助 教
腎疾患全般
日本内科学会認定内科医、日本腎臓学会専門医、日本透析医学会専門医
鮫島 里沙
助 教
腎疾患全般
日本内科学会認定内科医、日本腎臓学会専門医、日本透析医学会専門医
阿部 真希助 教腎疾患全般日本内科学会認定内科医、日本腎臓学会専門医
吉田 峻祐
助 教腎疾患全般
寺戸 成美
助 教
腎疾患全般

山下 茉由
助教(医科)腎疾患全般
飯田 菜央助教(医科)腎疾患全般

梶尾 優希助教(医科)腎疾患全般
塩見 充加助教(医科)腎疾患全般

下村 知輝助教(医科)腎疾患全般
鈴木 智恵香助教(医科)腎疾患全般
西村 太一助教(医科)腎疾患全般
林 詩織助教(医科)腎疾患全般
小林 和貴大学院生腎疾患全般
植田 雅祟
大学院生腎疾患全般

鈴木 喬大学院生腎疾患全般

外来担当医表

腎臓内科

医療従事者の⽅へ

研究内容

  • 腎炎・ネフローゼ症候群の治療・予後に関する臨床病理学的研究
  • 腎炎の発症・進展機序に関する免疫・病理学的研究
  • 血液透析・腹膜透析患者の合併症治療と予後に関する研究
  • 慢性腎臓病(CKD)と動脈硬化・心血管病変に関する研究
  • CKDと栄養・代謝障害に関する研究
  • CKDと貧血・鉄代謝に関する研究
  • CKDに伴うミネラル・骨代謝異常症(CKD-MBD)に関する研究
  • CKDと後成的遺伝子変性に関する研究
  • 急性腎障害の発症・進展機序と治療・予後に関する研究

診療実績

外来患者数


2022年2023年上半期
外来患者数12,394 名6,360名
腹膜透析患者数25名-

入院患者数


2022年2023年上半期
入院患者数
884名515名

手術実績


2022年2023年上半期
経皮的バスキュラーアクセス拡張術 (VAIVT)
265件
178件

入院疾患別実績


2022年2023年上半期
腎生検施行件数71件25件
血液透析導入79症例41例
腹膜透析導入6症例5症例
新規腎移植管理数15症例7症例
持続的血液濾過透析(CHDF)112症例470症例
血漿交換療法(PE+DFPP)27症例86症例
吸着療法(PMX, LDL-Aなど) 22症例42症例
血球成分除去療法(GCAP, LCAP)   0症例7症例
腹水濾過濃縮再静注療法(CART)7症例15症例

医療連携・紹介制度について

2018年の統計調査では慢性腎臓病(CKD)患者数は1330万人に上り、国民の1割がCKDに罹患しています。CKDは慢性透析患者数を増加させるだけでなく、心血管病のリスク因子でもあります。高齢化社会のわが国では、生命予後やQOLの向上、医療費の面からも透析導入患者数の減少が急務であり、CKD対策が重要な課題となっています。CKDは自覚症状がなく、進行してから診断されるケースが多い疾患です。持続する蛋白尿や腎機能障害を有する患者さんがおられましたら、是非当科にご紹介ください。診断・治療方針決定後、CKDの病期がまだ進行していない(ステージG3程度)場合や進行していても病状が安定している場合は逆紹介させていただきます。また、施設入所が必要な透析患者さんが増加しています。在宅での透析患者数増加に向けた、新たな透析医療のあり方を提案し、地域の透析医療機関との連携を強化する所存です。