心臓血管外科

診療科紹介

循環器センターは平成26年3月24日の昭和大学江東豊洲病院の開院とともに開設されました。丹野郁教授率いる循環器内科と山口裕己教授・センター長率いる心臓血管外科が一体となり後天性心疾患のすべての患者さんに高度で専門性の高い治療を提供しています。内科医と外科医が緊密な連携と協力体制を構築しており真の意味でのハートチームが機能しています。最新のガイドラインに示されているエビデンスを重視しながら常に次の時代のガイドラインとなる先進的な医療を模索し患者さんにベストの医療を提供すべく日々懸命の診療を行っています。
心臓血管外科_山口裕己センター長
山口 裕己

診療体制

平成26年3月の新病院開院時の心臓血管外科のスタッフ6名はすべて診療科長である山口とともに前任地(千葉県松戸市、新東京病院)で一緒に働いていました。現在は9名の常勤医となり修練指導医2名、心臓血管外科専門医4名が在籍しています。後天性心疾患のすべての領域において極めて高度で緻密な外科手術を行っています。集中治療室(ICU)においては毎朝他職種(医師・看護師・薬剤師・臨床工学士・リハビリテーション・栄養士)合同カンファレンスを行い最善の治療を提供すべく多くの専門意見を取り入れ治療方針を決定し共有しています。Tele ICUシステムを用い、昭和大学病院集中治療科専門医とも常にコミュニケーションを取っています。また院内に24時間365日心臓血管外科医が勤務しすべての緊急手術に迅速に対応できる体制を取っています。

診療方針

真のハートチームを機能させ患者さんに最善の治療方針を提示するために循環器内科医と月・水・金曜日の早朝、週3回の定期合同カンファレンスを行いチームとしての治療方針を決定しています。
手術を受けられた患者さんが退院した翌週月曜日には紹介を受けたすべての患者さんの報告をカンファレンスで行い手術結果・合併症などすべてをチーム内でオープンにしその経験を共有することで更なる改善に向けた議論を行い診療内容の透明性を高く保っています。
この体制は若手の医師の教育にも大きな成果を上げています。

特徴的な診療領域

冠動脈疾患においてはエビデンスに基づいた手術適応と内胸動脈・橈骨動脈・右胃大網動脈など長期成績に優れた動脈グラフトを多用するグラフト選択を行っています。
弁膜症治療は最も症例数が多く、特に自己僧帽弁を温存し形成する僧帽弁形成術を得意にしています。変性による僧帽弁閉鎖不全症はほぼ100%自己弁の良好な形成が可能です。全僧帽弁疾患の90%以上において自己弁を温存・形成しており世界トップレベルの成績を有しています。右乳房下の6-7cmの小切開で手術を行う小開胸僧帽弁手術も国内で最も早い2008年から行っており過去12年間、すべての僧帽弁を形成し、死亡率0を維持し続けています。
不整脈治療も積極的に行っており心房細動を有する心大血管手術の患者さんに対しては全例にメイズ手術を併施し過去15年間の手術例は1000例を越え世界トップレベルの経験と成績を有しています。メイズ手術を行うことにより術後脳梗塞の発症を予防できることが判り世界に発信しています。大血管疾患は患者さんの状況に応じてオープン手術と低侵襲ステントグラフト治療を使い分けています。大動脈解離に対する緊急手術を含め極めて良好な成績をおさめています。

主な対象疾患

後天性心疾患に分類される疾患すべてに高度で緻密な外科手術を提供します。
  • 狭心症・心筋梗塞などの虚血性心疾患
  • 心臓弁膜症(大動脈弁狭窄症・僧帽弁閉鎖不全症・三尖弁閉鎖不全症など)
  • 不整脈(心房細動・治療抵抗性心室性不整脈など)
  • 動脈瘤(真性動脈瘤・解離性動脈瘤・感染性動脈瘤など)
  • 心臓腫瘍など

スタッフ紹介

医師名役職
山口 裕己診療科長 教授
中村 裕昌講師
光山 晋一講師
上野 洋資助教
片岡 紘士助教
内田 考紀助教
山崎 裕起助教(医科)
尾仲 紘輔
助教(医科)

外来担当医表

心臓血管外科

医療従事者の⽅へ

研究内容

  1. 重症三尖弁閉鎖不全症に対する0.1mmPTFEパッチを用いた前尖拡大術の検討
  2. 巨大左房縫縮術の呼吸機能及び運動耐容能改善効果に関する臨床的検討
  3. 大動脈弁輪縫縮術を応用した大動脈2尖弁形成術の標準化
  4. 虚血性僧帽弁閉鎖不全症患者に対する広範囲後尖拡大術の有用性の検討
  5. 左心耳切除による早期および遠隔期脳梗塞発症予防の検討
  6. 血液粘弾性試験評価による周術期輸血量削減の検討

医療連携・紹介制度について

心臓血管外科では、通常の虚血性心疾患、弁膜症疾患、大動脈瘤などの大血管疾患はもちろんのこと、下肢閉塞性動脈硬化症、下肢静脈瘤などの末梢血管疾患まで、ありとあらゆる心臓血管系疾患を対象とし、豊富な手術症例数および良好な手術成績を保ってまいりました。
狭心症、心筋梗塞などの虚血性心疾患については、カテーテルによる冠動脈インターベンションが困難である重症病変に対する冠動脈バイパス術、あるいは左室瘤・虚血性僧帽弁閉鎖不全などの心筋梗塞合併症などに対する手術を行います。
心臓弁膜症においては、自己弁温存が可能な症例に対しては積極的に弁形成術を行い、人工弁が必要な場合、特に65歳以上では抗凝固療法の不要な生体弁を使用し、クオリティ・オブ・ライフ(生活の質)の向上を目指しています。
また右側肋間からの小切開で行なう低侵襲心臓手術(MICS)を多数行っております。
急性大動脈解離、動脈瘤破裂など大血管緊急症例にも24時間体制で対応しています。心臓血管系に異常が疑われる症例に対しては、待機・緊急を問わず可能な限り早急に対応させていただきますので、昼夜を問わず是非ご相談下さい。