泌尿器科

診療科紹介

当科では、患者さん一人ひとりの気持ちに寄り添いながら、男女の尿路疾患および男性生殖器疾患に対する専門的な診療を行っています。
泌尿器がんに対しては、診断から手術、薬物療法、放射線治療後の対応、緩和医療に至るまで、病状に応じた総合的な治療を提供しています。手術治療では、内視鏡手術、腹腔鏡手術、ロボット支援手術など、身体への負担をできるだけ抑えた低侵襲治療を積極的に取り入れています。また、尿路結石症に対しては、内視鏡治療や体外衝撃波結石破砕術などから、患者さんに最適な治療法を選択しています。排尿障害、尿路感染症、前立腺肥大症などの一般的な泌尿器疾患についても、的確な診断と治療を行っています。
大学病院として、高度で安全な医療を提供するとともに、地域医療機関とも連携し、患者さんに信頼される泌尿器科診療を目指しています。
サイズ変更泌尿器科_押野見和彦先生20240416_003診療科長
押野見 和彦

診療体制

当科では、泌尿器科疾患に対して日々最新の診断・治療を取り入れ、低侵襲で質の高い医療の提供に努めるとともに、患者さんに寄り添った温かみのある診療を重視しています。
地域医療機関との連携を重視しており、初診患者さんの半数以上は紹介患者となっています。外来診療は、午前は初診1枠・再診2枠、午後は曜日により再診1枠で対応しています。専門外来として、月曜日午後にストーマ外来、水曜日午前に前立腺外来、水曜日午後に治療相談外来、金曜日午後に漢方外来および女性外来を設けています。また、尿路結石症に対する体外衝撃波結石破砕術(ESWL)は、水曜日および金曜日の午後に日帰りで施行しています。さらに、土曜日も終日外来診療を行っています。加えて、手術治療においてはロボット支援手術を第一選択とする体制を構築し、低侵襲で質の高い外科治療を提供しています。

診療方針

泌尿器科診療のニーズは年々高まっており、前立腺がんをはじめとする尿路性器悪性腫瘍は増加傾向にあります。さらに、超高齢社会の進展に伴い、前立腺肥大症、神経因性膀胱、過活動膀胱などの下部尿路症状、女性泌尿器疾患、尿路結石症、尿路感染症、男性性機能障害といった良性疾患の診療需要も増大しています。
このような背景のもと、当科では、泌尿器がんをはじめとする各種疾患に対して、できる限り低侵襲で質の高い医療の提供を基本方針としています。手術療法に加え、ホルモン療法、化学療法、分子標的治療、免疫療法などの薬物治療を適切に組み合わせた集学的治療を実践しています。また、院内の各診療部門や薬剤師、看護師と密に連携し、有害事象への迅速かつ適切な対応を行っています。また尿路感染症においては、高齢者の尿路結石に伴う複雑性腎盂腎炎から敗血症へ進展する症例もあることから、迅速かつ的確な診断と治療を徹底しています。
泌尿器科は診断・治療の進歩が著しい分野であり、当科では常に最新の知見を取り入れ、患者さんに寄り添った診療を実践しています。あらゆる泌尿生殖器疾患に対し、専門性の高い総合的な医療を提供しています。さらに、手術治療においてはロボット支援手術を第一選択とする体制を構築し、低侵襲で高精度な外科治療を推進しています。

特徴的な診療領域

前立腺がんに対しては、手術療法、放射線療法、薬物療法を含めたすべての治療選択肢に対応し、患者さんの病態に応じた最適な治療を提供しています。MRI融合生検(MRI画像と超音波画像を組み合わせて病変を正確に狙う検査)を用いた高精度診断により、過剰診断・過剰治療を抑制し、患者ごとに最適化された治療選択を実践しています。
手術療法ではロボット支援手術を中心に行い、制癌性に加えて尿禁制および性機能の温存に配慮した治療を実践しています。放射線療法においては、密封小線源療法(シード治療)を当院で施行しており、国内でも高い診療実績を有しています。また放射線治療科とも連携し、外照射療法や高線量率組織内照射療法にも対応しています。また、手術適応が限られる局所進行症例に対しても、各療法を組み合わせた集学的治療を行っています。さらに、手術適応が限られる高齢の患者さんに対しても、密封小線源療法を含めた低侵襲な根治的治療を提供しています。
腎がんに対しては、腎機能温存を重視し、可能な限りロボット支援による腎部分切除術を行っています。他臓器への転移を有する腎がんに対しては、分子標的治療や免疫療法に加え、外科的治療を組み合わせた集学的治療を実践しています。
尿路結石症に対しては、体外衝撃波結石破砕術(ESWL)に加え、経尿道的尿管結石破砕術(TUL)、軟性尿管鏡を用いたf-TUL、経皮的腎結石破砕術(PNL)などを症例に応じて選択しています。さらに、これらを組み合わせたハイブリッド手術(ECIRS)にも積極的に取り組み、低侵襲かつ効率的な結石治療を提供しています。

主な対象疾患

  • 膀胱がん
  • 尿管がん
  • 腎盂がん
  • 腎がん
  • 前立腺がん
  • 精巣腫瘍
  • 腎尿路結石症
  • 腎盂腎炎
  • 前立腺肥大症
  • 過活動膀胱
  • 女性骨盤臓器脱
  • 尿失禁症
  • 神経因性膀胱
  • 先天性尿疾患
  • 膀胱尿管逆流
  • 腎盂尿管移行部狭窄症
  • 小児停留精巣
  • 包茎
  • 陰嚢水腫
  • 精索水腫
  • 先天性水腎症
  • 膀胱尿管逆流
  • 尿道下裂
  • 慢性腎不全

専門外来

泌尿器科

  • ストーマ外来
  • 女性外来
  • 治療相談外来
  • 漢方外来

スタッフ紹介

医師名役職専門分野資格
押野見 和彦
教授
診療科長
尿路性器癌(前立腺癌)
男性機能障害
ロボット手術
日本泌尿器科学会専門医・指導医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
泌尿器腹腔鏡技術認定医
日本内視鏡外科学会技術認定医
泌尿器ロボット支援手術プロクター
日本内分泌学会内分泌代謝科専門医(泌尿器科)
日本性機能学会専門医
中神 義弘講師
尿路性器癌
ロボット手術
日本泌尿器科学会専門医・指導医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
泌尿器ロボット支援手術プロクター
山岸 元基講師
診療科長補佐
泌尿器科疾患一般
日本泌尿器科学会専門医
日本性機能学会専門医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本内分泌学会内分泌代謝科専門医(泌尿器科)
泌尿器腹腔鏡技術認定医
岡田 翔助教泌尿器科疾患一般
日本泌尿器科学会専門医
角川 義樹
助教
泌尿器科疾患一般
日本泌尿器科学会専門医
麦田 稔貴
大学院生泌尿器科疾患一般
日本泌尿器科学会専門医
黒川 聖容助教泌尿器科疾患一般
日本泌尿器科学会専門医取得中
菊池 翔大(腎移植センター出向中)
助教
泌尿器科疾患一般
日本泌尿器科学会専門医取得中
菊名 航太助教
泌尿器科疾患一般
日本泌尿器科学会専門医取得中
玉岡 容大学院生泌尿器科疾患一般
日本泌尿器科学会専門医取得中
林 杏樹助教
泌尿器科疾患一般
日本泌尿器科学会専門医取得中
柳田 倭兵
助教(医科)

日本泌尿器科学会専攻医4年次
青木 良輔助教(医科)

日本泌尿器科学会専攻医1年次
野村 一仁助教(医科)

日本泌尿器科学会専攻医1年次
畑中 紀秀助教(医科)

日本泌尿器科学会専攻医1年次
小川 良雄
名誉教授
腎不全
血液浄化
尿路性器癌
日本泌尿器科学会専門医・指導医
日本腎臓学会認定医・指導医
日本透析医学会認定医・指導医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
深貝 隆志
特任教授尿路性器癌(前立腺癌)
癌化学療法
癌放射線療法
ロボット手術
日本泌尿器科学会専門医・指導医
日本透析医学会認定医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
泌尿器腹腔鏡技術認定医
日本内視鏡外科学会技術認定医
日本がん検診・診断学会がん検診認定医
泌尿器ロボット支援手術プロクター
和田 鉄郎
客員教授
泌尿器科疾患一般
日本泌尿器科学会専門医・指導医
石鳥 直孝
客員教授
泌尿器科疾患一般
日本泌尿器科学会専門医・指導医
七条 武志
客員教授
尿路性器癌
腹腔鏡手術
ロボット手術
日本泌尿器科学会専門医・指導医
泌尿器腹腔鏡技術認定医
日本内視鏡外科学会技術認定医
日本性機能学会専門医・評議員
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
前田 佳子客員教授尿路性器癌
女性泌尿器
日本泌尿器科学会専門医・指導医
日本透析医学会認定医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
泌尿器腹腔鏡技術認定医
日本内視鏡外科学会技術認定医

外来担当医表

泌尿器科

医療従事者の方へ

研究内容

1.おもな臨床的研究

(1)尿路性器腫瘍に関する臨床的研究

急増している前立腺がんに対しては、早期がんから進行がんまで幅広く取り組んでいます。早期がんには低侵襲治療を普及するための臨床的検討を系統的に行い、ヨード125密封小線源療法の臨床的検討、内分泌療法の早期がんへの応用、ミニマム創前立腺全摘術、ロボット支援下前立腺全摘除術の臨床応用などを行っています。局所進行性前立腺がんについても、放射線療法、内分泌療法・集学的治療による臨床効果の検討や、内分泌療法抵抗性前立腺がんには新規抗癌剤導入や新規内分泌療法に対する臨床的検討を行っています。

近年進歩が著しい転移性腎がんに対する分子標的治療薬についても、積極的に臨床研究に参加しています。

膀胱がんについては、表在性膀胱がんに対するBCG膀胱内注入療法+UFT併用療法の再発予防効果に関する前向き研究などを行っています。

(2)下部尿路症状(LUTS)に対する臨床的研究

過活動膀胱に対するフェソテロジンフマル酸塩の臨床的検討をはじめ、排尿障害に対する臨床的研究に積極的に取り組んでいます。

(3)慢性腎不全における2次性副甲状腺機能亢進症の臨床的検討

2.おもな基礎的研究


基礎的研究が臨床への懸け橋となるよう積極的に取り組んでいます。

(1)アデノウィルスベクターとγδT細胞を用いた前立腺がんの遺伝子治療に関する検討

従来のがん遺伝子療法の弱点である、がん細胞への遺伝子導入効率の低い点を、γδT細胞を介入させることで改善させていくという研究です。

(2)末梢血循環腎癌細胞(CTC)の特異的同定

分子標的薬治療時代となり、転移性腎がんに対する治療は飛躍的な進歩を遂げていますが、腎がんには有用な血液マーカーが存在していません。そこで、末梢血中の腎癌細胞を特異的に検出するシステムの開発を行っています。

(3)末梢血循環前立腺癌細胞(CTC)の同定とその解析

現在、前立腺がんに対する内分泌治療薬は多種存在し、治療の選択肢が広がる一方で、治療選択の基準となる末梢血中のマーカーの必要性が改めて問われています。そこで、前立腺がんCTCに発現するAR-V7(アンドロゲンレセプター)の有無を確認する手法に関する検討を行っています。これは、前立腺がんに対する治療戦略の有用な指標の一つになり得ると考えています。

3.その他

国際交流

(1)米国ハワイ大学とともに定期的に研究留学を行っており、着実に成果を上げています。中華民国(台湾)泌尿器科学会との交流学会を毎年定期的に行い、アジア圏の泌尿器科医との交流も深めています。

(2)ハワイ大学医学部とは医学部学生の臨床実習の交流を進めており、医学教育にも貢献しています。

診療実績

外来患者数

初診(紹介状あり):10名
再診:80名

手術実績

術式2023年度(件数)
2024年度(件数)
2025年度(件数)
TURBT122141
120
TURP71415
前立腺全摘除術(ロボット)345574
腎部分切除術(ロボット)171623
膀胱全摘除術(ロボット)
657
腹腔鏡下腎摘除術(ロボット含む)11177
腹腔鏡下副腎摘除術(ロボット含む)10167
腹腔鏡下腎尿管全摘除術(ロボット含む)12812
腹腔鏡下腎盂形成術(ロボット含む)
14
5
TUL, f-TUL465667
PNL,ECIRS435
前立腺金属マーカー、直腸ハイドロゲルスペーサー挿入1277
密封小線源永久挿入治療646054
陰嚢水腫、精液瘤根治術228
高位精巣摘除術457
女性泌尿器科手術443
前立腺生検
233213
221
体外衝撃波結石破砕術(ESWL)
153433
腎瘻造設術
201415

数字で見る診療や病院の実績

臨床指標(クリニカルインディケーター)、医療の質を示す指標(クオリティインディケーター:QI)、病院指標はこちらからご確認いただけます。

医療連携・紹介制度について

泌尿器科は、疾患に対する診断法・治療法が目覚ましく進歩している分野です。当講座では、泌尿器科疾患に対して日々様々な診断法、治療法を実践応用し、温かみのある診療をモットーにしております。あらゆる泌尿生殖器疾患について診療にあたっておりますので、いつでもご依頼ください。 当科受診にて検査・手術後に定期経過観察となった患者様については、当科での受診は3ヶ月〜6ヶ月ごとし、その間は紹介元の医療機関を受診していただくようお勧めしています。また、投薬などにより症状が安定されました患者様には、通院に負担のかからない近隣医療機関への受診をお勧めしています。その際、紹介元医療機関や紹介先近隣医療機関には、当科での診療内容や今後の方針などについてご報告させていただきます。